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KABUKIコーポレーション  作者: イー401号
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新CEO

今日は候葺縁(こうぶきゆかり)という女性について、既に何年も同居生活を送り、常に側に居る存在にも拘わらず、俺たちはこの女傑認識を改めて痛感されられる日となった。


COOBデザイン本社ビルCEO室で保東康臣(ほとうやすおみ)ことホトと縁さんが婚約した直後の話だ。


縁さんは愛車の深紅のFerrariを甲高い爆音とともに、俺が務める京仁織物株式会社 戸塚営業所にやって来た。


一目で目立つ、その車から降り立つ女性も車以上に目立っていた。


京仁織物戸塚営業所で働く、従業員は皆が立ち止まり振り返り熱い視線を注ぐ。

衆知の視線をくぎ付けにする中、たまたまこの男が通りすがりに声をかける。


「COOBデザイン様の候葺CEO。どうかされたのですか?」


優しく、皆が遠巻きに取り巻く中で安心安全の安定感抜群の俺の先輩。


安藤聡課長が、声をかける。


麗しき女性は、深紅の車の度を跳ね上げて、細く長い脚を地面におろす。それだけの行動にも周知の眼が固まってしまうのはこの女性のパーソナルティの本随意だ。


「あなたは、確か帝城高校の素敵なナイト様でしたわよね」


「ははは、もうずいぶん昔の話ですよ。火吹所長に御用でしたら私が案内しますので、どうぞこちらへ」


この3年で、安藤先輩は営業課長に昇進していた。


23歳高卒で上場企業の管理職になるのは、異例と有能さの混在状況と本人の努力の結果である。

しかし、いくら努力してもそれがかなわない人間がほとんどの中、異例中の異例な出世を成し遂げたことに、【火吹武将】という人間が全く関わっていないと言ったら間違いなく嘘になるだろう


プライベートな点で俺が知ってる範囲で言うと、以前俺が神谷町の地下鉄で傘を貸したことが縁となった、KABUKIコーポレーション本社勤務庶務課の4歳年上になるが、菊池陽子さんとは順調に愛を育み、お付き合いしているそうだ。


とても好印象だった女性だけに、俺は先輩を全力で応援している!!


仕事で言うと、、、まぁ~ここ数年、戸塚営業所の業積は馬鹿げた数字が続いており、安藤先輩に限らず火吹部隊の面々始め、戸塚営業所所員の成績は全員上がりっぱなしである。


忙しさも、成績に正比例して多忙を極めた。

しかし、文句を言う人間退職する社員が、一人もいないのは火吹武将という人間性の表れなのかもしれない。


この人と一緒に仕事ができる。


この人に付いて行きたい。


この人ととなら何でもできる。


支店長としての絶対の信頼感をこの3年間で武将は全従業員に深く深く植え付けた。


実績と自らの行動で示して



本社では現存する生産工場のラインで生産が、追いつかず新たに2か所工場を増やす予定だそうだ。


ほぼ、戸塚営業所が新たに受注した取引先増加と既存取引先の大幅な受注増量によるものであった。

京仁織物の主力商品、TE・COOT(テ・コット)高級防水繊維に加えて、ケプラー繊維を織り込んだ超耐久性の生地【DA・GUN(ダ・グン)】も世界中で人気を集めている。


そして、火吹武将の会社と言って良い。

T・T・Rトラオテクノロジーデペロップメントを経営するミスターマルガッス・シュタインCEOが開発した、新超耐久保護剤【BATUGUN(バツグン)】は、飛行機から船舶、ビル、車まであらゆるものに使われており、T・T・Rの株価はとんでもない数字になっている。


その会社から直接、火吹武将は知らないが本人経由で全世界に京仁織物を通して専売されている。


そして世界中にその技術は、歓迎された。


性能はもちろんだが、塩で作るという環境に配慮した、特許製法が支持されている大きな理由だろう


現在の京仁織物株式会社は、この主力製品3本柱に支えられ元来本業であった、京織物の高級ドレス事業も継続はしているが、はるかに超える売上と利益を会社にもたらしていた。



京仁織物株式会社 社長の娘であり妻、火吹舞の父親である。


葛城仁が、忙しすぎて悲鳴を上げる程に戸塚営業所の業績は超が三つつくほどの右肩上がりであった。


以前は戸塚営業所員は、パートアルバイト含めて総勢100名程度の規模だったが、現在は500名を超える規模で近隣の敷地を購入し、駐車場や従業員送迎用バスなどを止める場所を確保していた。


営業所の車は、30台を超えて従業員の自家用車を止めるスペースも確保した。


戸塚駅から歩いても数10分なので、車通勤する者はそれほどいないが、50台位は常に止まっている規模になっている。


建物も外側だけだが、綺麗に修繕され壁も立派にそびえたち、門が出来て守衛が常駐するほどになっていた。


その門を守衛の制止を無視してやってきたのが、縁さんというわけだ。


(そりゃ~みんなびっくりするだろうなぁ~)


安藤課長にエスコートされながら、所長室まで安藤先輩の後ろを歩く女性は『カツン。カツン』っと、高く響くピンヒールの音を高らかにならしながら、颯爽と女王の様に続く。


通りすがる、従業員が安藤先輩の顔を見ると、笑顔で会釈していく。

そしてその後方にいる女帝に気付き、驚愕する。


それを俺のいる所長室まで幾度となく、繰り返して俺の所長室の扉がノックされる。


コンコン


直ぐに、今では俺の秘書を兼ねている寸動永誇(すんどうえいこ)係長が、扉を開ける。


今、戸塚営業所の所長室には、秘書兼総務担当の寸動永誇係長と副所長の土井田敦(つちいだあつし)(元営業課長)と顧問相談役の前所長 十柄氏源吉(とがらしげんきち)さんと同じく前副所長の五十吾茂三(いそごしげぞう)さんのデスクが並んで、置いてある。


五十吾茂三さんは、本社への栄転の話が合ったのだが、本人が断り、今の居場所を確保している。

何故、本社への栄転を断ったのか詳しく理由は聞いていないが一言だけ


「年寄りが、あまりでしゃばるとよくないんでね」


っとだけ、答えここに席を置いている。


役職は十柄氏さんと同じく、俺の顧問役として部屋を同じくしてもらっている。


実際は五十吾さん本人しか知らないことだが、実は火吹武将という人間に惚れ込んで、共に居たいというという事が事実だとは当の俺は全く知らなかった。


工場長の木島茂道さんは、いまだ現役バリバリで工場を厳しい眼差しと態度を誇りに乗せて、守り抜いてもらっている。


木島さんがいる限り、戸塚工場出荷製品に不良品が出ることはありえないと俺は思っているし、実際この3年間一度も不良品を出荷した事実は全くない。


出荷量は以前の4倍以上になっているにもかかわらずだ。


愛かわらず、自分にも厳しく、他人にも厳しい、頼りになる職人気質の立派な人だ。


そして、戸塚営業所所長室では、自他ともに認める女帝にして美しく麗しい候葺縁(こうぶきゆかり)さんが、胸をそらして俺に向かって、珍しく私的な話し方を公の場で始める。


「武将様、この営業所はとてもよろしい雰囲気ですことね。」


俺は立ち上がり、右手を来賓用ソファの方に差し出す。


「ありがとうございます。どうぞよろしかったらそちらへ腰かけてください」


珍しく女帝は、武将の誘いをあえて無視して、そのまま起立したまま話を続ける。


「従業員のやる気、明るさ、礼儀正しさ、活気、清潔さ。どれを取っても満点以上ですわ」


俺はふと違和感を感じ、縁さんの眼を優しく見つめながら


「ありがとうございます。私の様な若輩者に皆が付いてきてくれるおかげです。」


女帝は胸を張り、そこにいる全員に宣言するように大声で【激】と同じように炎の如く言葉を一方的に吐き出す。


「わたくし、保東康臣(ほとうやすおみ)さんと婚約しましたの。なので、お願いがありますのよ。」


俺は心の中で緊張しながらも


「それは、ホトの親友の私としても心よりご祝福申し上げます。」


「それで、お願いと申しますのは?」


所長室が、、、、


緊張をはらんで無言の圧力に、押しつぶされそうな時に縁さんは宣言する。


「わたくしを武将様のチームに入れてくださいな。」


(はい?)


「康臣さんは、来期から当社のCEOになっているでしょう。なので、わたくし武将様の夢を一緒に追いかけてみたいと思いましたのよ」


(なになに、話がいきなりすぎて、全くついていけないよ~)


表情には全く出さずに、堂々とした姿を見せているが武将の心は大きく揺れ動いていた。


縁さんとホトが、婚約するのは高校生時代から知っているホトの恋心なので良しとしても


COOBデザインのCEOにホトが?


縁さんが俺と仕事したい?


会社はどうするんだ?


俺のチームに入りたい?


(?????)


いっぱい?で頭が溢れかえる。


そんな時、老兵の十柄氏 源吉(とがらしげんきち)元所長が口を挟みこむ、落ち着いた優しい声で


「候葺CEOも火吹所長も、一旦お茶でも飲みましょうや」


「こういう話は、時間をかけてゆっくりと飲み込むものですじゃて」


さすが、古兵にして経験豊富な生きる京仁織物歴史博物館。


しかし候葺縁(こうぶきゆかり)という女性の行動力は相変わらず半端ない。


今日、自社内の問題を片づけてホトと婚約して、今ここにいる。


一日で決められる内容でないのは、確固たる事実だ。

しかしそんなことを朝飯前の様にこなし、決断し、行動するのが、候葺縁(こうぶきゆかり)という人間だ。


(そうか~ホトの恋慕もついに完結したんだな、、、この女性から合格点をもらうのは相当厳しかっただろうに、この3年間よく頑張ったなホト。)


高校時代とは外見内面共に劇的に変わった、自分の親友を心から称える、将軍である。


(よし!!)


俺はゆっくりと自分のデスクを回り前に屹立する。

絶世の美女にして、女帝に対して面と向かい両目を合わす。

女性は全くピクリとも動かない。堂々たる態度だ。


そして俺は右手を差し出す。


「喜んで、お迎えいたします。候葺縁(こうぶきゆかり)さん」


赤いルージュを塗った、小さな口がニコッと笑い俺と同じく右手を差し出す。


ガシッ!!


誓いの握手が、交わされる。


帝城高校で以前、高校生時代に交わされた【テラスの誓い】とは別に新しく、将軍のチームメイトが一人増えた瞬間だ。


その場にいる、十柄氏元所長始め、五十吾さん、土田副所長、安藤先輩、寸動永誇係長は何も言わず、見守っていた。


今後のこの会社はどうするのか?


自分たちはどうなるのか?


皆が当然として持つ疑問を口に出す者は、一人もいなかった。


何故なら【火吹武将】と言いう人間は、全て必ず成功するという絶対の安心感と崇拝感。


この男に任せていれば、絶対大丈夫だと思わせる。


【絆】が、この所長室にいるメンバーはあった(・・・)


しかしその後の光景は、そこにいる誰も全く想像できなかった。


いきなり、女帝は細く長い両手を大きく広げて俺を包み込み、放漫な自分の胸の中に俺の顔を押し込む。


「な、な、!!」


あまりに唐突な行動に、言葉にならない。


「「「「!!!」」」」


その場にいる、全員が違う意味で固まる。


女帝は何も喋らず、俺の顔を包み込むように双方の眼をゆっくりと閉じる。


そして、数瞬時は止まる。


女帝の小さく美しい口が開き、俺をやっと解放してくれる。


「嬉しくて、思わず子供みたいな事をしてしまい申し訳ございませんわ」


「将軍!」


(この人には一生敵わないな~)


すると縁さんは、その場でしゃがみ込み右足の膝を床に付いて、左足おって俺の前で首を垂れる。


「生涯の忠誠を武将様にお尽くし申し上げます。」


(戦国時代じゃないんだよね~)


俺は心の中の動揺を押し隠しながらも、この女性の本気を感じ取り、堂々と受け止める。帝王の如く


「縁さん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」


そっと、右手を出して縁さんを立ち上げさせて、ニコリと微笑む。


縁さんも同じように、微笑む。とても幸福そうに、、、


その微笑の裏側に密かに潜む、決意と反対に一つの恋の終幕を知っているのは、本人と葛城仁の2人しかこの世界に存在しないのだが。


やっと、これで仕事に戻れると思った時に、またもや意外な発言がその場を支配する。


「私も是非、所長のチームに入れて下さい!!」


上智大学卒業の優秀な才女である。寸動永誇係長だ。

女性の魅力としても標準点を軽く超えている。

ただ、俺の周りには標準店等全く超越しているモデル並み、、、嫌モデル以上に美しくてポテンシャルと個性が半端ない女傑が幾人かいるので、俺個人としては優秀な同僚と認識している。


「寸動永誇さん。私がこれからどうなっていくかなど、何の保証もありませんし、こんな言い方失礼かもしれないが、女性としての幸福も考えてもいいのではないですか?」


こんな発言、今ではセクハラにスレスレ引っかかるかかからないかの言葉だが、俺と寸動さんとの間の人間関係は本気で言い合える絆がすでにある。

相手のことを本気で考えれば、俺の生き様など不安要素てんこ盛りだ!


この京仁織物で、良縁を結び後世に遺伝子を残すことも立派な人生事業だ。


しかし、この気の強い女性は俺の提案を黙って、聞き入れる程生易しい女性ではなかった。


「私では、所長のチームでは能力に欠けるという事ですか!!」


「そうは、言ってませんよ。貴方の能力は十二分に理解しているつもりです。しかし私が25歳の時に行う事には、全くと言って良いほど、安心安定安全といった事がありません。それにあなたを巻き込むのは、現時点ではとても抵抗を感じるという事です。」


「私は、仕事が無くても一文無しになっても全く困りません。実家は藤沢にありますし、両親も私が説得します。」


「お願いです。火吹所長!!」


俺がやや、困っているのを見て取り


「まぁ~そうじゃな、そんな先の話より今日の仕事をまずはこなして、その後ゆっくり話会いましょうや」


人生経験豊富な十柄氏元所長がゆっくり自分のデスクから立ちあがり、寸動永誇さんの方をポンと叩く。


寸動さんは、不満そうな顔だったが自分の祖父の様な年齢の十柄氏さんに諫められて、渋々矛先を一度畳み込みっその場にいる全員に向かって、深々とお辞儀する。


「皆さま、大変失礼しました。少々取り乱してしまいました。」


カツカツカツ


っと、麗しき女傑は寸動さんの所まで歩き、やや上から見下ろすように寸動さんを見て


「貴方の気持ちは、同性としてとても理解できましてよ。それに貴方は、この数年でとても成長したのですね。初めてお会いした時とは別人のようでしてよ」


俺が初めて係長になり、初めて持った部下が寸動永誇さんと近藤直子さんだ、そして当時は二人ともとても気が強く組織というパズルには絶対嵌らない、非常に個性の強い人材であった。

COOBデザイン本社に、皆で会いに行った時に縁さんとは、面識があった。

その時のことを言っているのだろう、、、、



「これも【武将様効果】かしらね~」


(俺は知らん、、、)


「それでは、火吹所長。横濱銀行新倉支店長との打ち合わせの時間も迫ってきているので、準備をお願いします。」


帝城高校先輩の安藤課長の言葉だが、仕事でも絶対感情的にならない安定感抜群の今では俺の右腕だ。


横濱銀行 新倉支店長とは以前マツウラ商事本社建設工事の時にお世話になった人物だ。


その後、個人的にも親交を深ませており今では、年代はかなり違っても【ツーカー】の中である。


企業にとり、銀行と仲が良いというのは決して悪いことでは無い。


ただし、それはあくまでも銀行は商品が【お金】なのだから、業績の悪いところには厳しくなるだろうが、今の京仁織物株式会社 戸塚営業所の業績は飛ぶ鳥を打ち落とすどころか、飛んでいる鳥を全て撃ち落とすほどな超高評価な業績だ。


新倉支店長に預けた、火吹武将のプライベートマネー2億円の資産運用を頼み、今では5億円を軽く超える金額に育っているそうだ。

流石は、新倉支店長。


どうやったのかは、聞いていないし聞く気も無い。

俺は俺の仕事をし、新倉支店長には自分の仕事をしてもらうだけだ。


俺一人で、すべてやることなど不可能だ。


信頼できる人物に、任せて結果だけ管理すればいいことだ。


結局、火吹武将のチームもこの法則にのっとっているのだ。


それぞれの役割分担があり、その道ではそれぞれがプロフェッショナルな仕事が出来るようにこの数年、皆修行している。


【火吹武将】と一緒に超巨大プロジェクトを成功させるために。


高校時代から繋がっている、絆と誓いが火吹武将のチームには【ある(・・)


そのチームに、今日候葺縁(こうぶきゆかり)という、実践面では模範的な先達者が加わったのだ。


チームの一員。


保東康臣との婚約というおまけ付きで

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