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KABUKIコーポレーション  作者: イー401号
43/107

再開

俺と候葺縁(こうぶきゆかり)さんの運転する、燃えるような赤色のFerrariが成田空港に到着したのは、丁度屋敷を出発して1時間後だった。


普通ならあり得ない時間だ。


敢えてそこは触れずに、スルーして無事到着できたことを素直に喜びたいと思う。


現在午後2時半頃だ。


成田エアーポートフロアの大勢の人たちが行きかう雑踏と賑わいの中。


様々な人間が、行きかう。


出発する人、帰国してきた人、来日してきた人。

まさに多種多数の人間が行きかう、ここは日本の玄関口。


もちろん歩いているのは、日本人だけでは無い。各国の外国人たちも大勢大きなカバンを引きながら歩いている。


俺はふと、現実に戻りながら考える。



そして、横にスラリと優雅にそして美しく立つ淑女に声をかける。


「ちょっと、友達に連絡して到着時間をかくに、、、」


っと、言おうとしたところで、俺の口は女王の美しく悩ましい口でふさがられる。


(しまった!)


しかも、細く長い足を俺の足に絡み付かせて、逃がすまいとして、、、放漫な胸が俺の胸に当たり、魅力的な腰を押し付けてくる。


俺は思わず、反射的に飛び退る。


(忘れていた、この人 肉食系だった、、、)


(ゆかり)さん、それは反則ですよ。」


「今のは、運賃よ」


一通りも大勢いて、皆が二人を見ている。


(この人に恥じらいとかないのかなぁ、、、ないかもな、、、)


そこに、聞き覚えのある女性の声が響いた。


「か、火吹君?」


桜木優香さんだ!


「こ、これは、、、その ご、誤解だよ」


俺は思わず、叫ばずにはいられなかった!!

俺は何も悪くないのに。珍しく心が動転している。

全く、俺は心に手を当てても痛いところなど全くないのに。


桜木優香の隣に立つ、青い目をした長身の男性が、大きな手ぶりと大声で止めを刺す。


「オーパッション(じょうねつてき)!!ワンダフル!!」


マルガッス・シュタインさんだ。


相変わらず、背が高くて青い瞳に金色の髪の紳士は、かっこよく、アメリカを代表するような人柄だ。


やや、白い目を向けられて尋ねられる。


「火吹君、そちらの女性はどなたなの?舞さんはどうしたの?」


バイオリンの名手は、ド・ストライクな直球を俺の胸のど真ん中に投げ込んできた。


俺にしては、珍しくおたおたと対応に遅れれていると、決断力と行動力に勝る、

華麗な女性が俺に先次て、過激な言葉を吹き散らす。


「私、候葺縁(こうぶきゆかり)と申します。火吹武将様の妾でございます。」


桜木優香さんの目が点になる、、、そして烈火のごとく燃え上がる。


「火吹君!!」


「は、はい」


「妾ってどういうことなの!舞さんとはどうなっているの!」


(だから、いきなりこんな所で、語り合う内容じゃないって、、、)


ここは日本の玄関口。


成田エアポート、1階メインフロア。


修羅場の現場だ。


「こ、ここじゃ、なんだからさ、場所変えて話そうよ」


後ろめたい事なんて何もないのに、言い訳っぽくなてる自分の言葉に、思わず動揺してしまう。

久しぶりの再会だっていうのに、こんな形はないんじゃねぇ~


ひとり、悶々する俺だった。


ちょと遅めの、昼食を取る為に回らないお寿司屋さんに4人で入る。


マルガッス・シュタインさんは、本場のお寿司に興奮して喜んでいるようだ、ヒトの気も知らないで。


カウンターで4人 マルガッス・シュタインさん、桜井優香さん俺、候葺縁(こうぶきゆかり)さんの順番で並び座り、ややこしい話の経緯をゆっくりと丁寧に話し、桜木優香さんが理解し飲み込むまで、ゆっくりと待つ。


1時間くらいたっただろうか?


マルガッス・シュタインさんは我関せず的に、一人お寿司をバクついている。


桜木優香さんはやっと、事情を理解してくれて、俺の事を許してくれたが、あのパッションキッスの場面だけはどうしても許せないと、一番触れられたくない部分は許してはくれなかった。


(あれは、事故と言うか、俺は被害者だと思うんだが、、、これ以上、(こじ)らせないため沈黙を守った。)



「そ、それで、桜木さん身体の方はどうなの?」


今一番大切な会話にやっと、戻れた気がする。


頬を少し赤らめて、元クラスメイトは恥ずかしそうに話しを始める。


「うん、それは順調に良くなっていて、一番心配された私の身体との順応性も上手くいって、今後一年に一回診察を受ければ大丈夫だって」


「そうなんだ!それはよかったね」


「私の命が、、、未来が繋がったのは、火吹君達のおかげよ」


「心から感謝します。」


「それは、気にしないで、友達だろ。俺達は」


「ありがとう。」


「だけど、さっきのキスの事は許せませんからね。舞さんという奥さんがいるのにああいう事は はしたないとおもいます。」


「は・い」


「ところで、桜木さんは卒業後の進路はどうするの?」


話を逸らそうと思い、話題を無理やり変えた。


何故か彼女は、(うつむ)き頬を染める。


「卒業したら、フランスにバイオリンをもっと勉強するために音楽留学しようと思って」


「へぇ~、凄いじゃないか。でもお金も結構かかるんじゃないの?」


「それは、マルガッス・シュタインさんが出してくださると言うので、お言葉に甘えさせていただいて、、、ただ一つ条件付きなんだけど、、、」


俺は、マルガッス・シュタインさんの詳しい人柄はよく知らない。

亡き父が、アメリカからヘッドハンティングしてきた、技術者でシゲさんと共に仕事をして、その後アメリカで会社を興して成功したこと言うくらいしか、知らない。


「条件って?」


「マルガッス・シュタインさんの誕生日に、バイオリンを演奏披露するということです。」


(やはり、父が信用した人だ。素晴らしい人柄だ。)


「それは、いいな。出来れば僕らも一緒に演奏出来たらいいな」


「結婚式の時みたいにさ。」


「それは、とても楽しみだわ。あの時ほど、音楽をやっていて楽しかったことはなかったから」


「ミスタータケマサ、そちらの素敵なレディを紹介してもらえませんか?」


マルガッス・シュタインさんが青い瞳を俺に向けて、お寿司を頬張りながら、話しかけてきた。


びっくりする事には、散々慣れているつもりだが、ここでまた驚きの事実が


「【英語】ミスターマルガッス。私はCOOB(コーブ)デザイン株式会社のCEOの縁候葺(ゆかり・こうぶき)です。武将のセカンドレディですわ」


と、流暢でネイティブな英語で、マルガッスさんと話をする。


候葺縁(こうぶきゆかり)さんのポテンシャルの凄さをまた一つ確認した時だった。


マルガッス・シュタインさんは、両手を上にあげ


「【英語】OH、COOBデザインカンパニーの事は、アメリカでも有名です。そのCEOとお知合いに慣れたことは大変光栄です。そしてあなたはとてもお美しく、知的です。私の事はどうかマルガッスとお呼びください。」


「【英語】それは褒めすぎですわ、ミスターマルガッス。私は、自分の人生全てを私の隣に居る男性に捧げております。彼の言葉は私にとって絶対で、私の持つ全ては彼の物です。」


俺にわからないように、固有名詞を出さずに英語で話をしている、彼女に少しだけ聞き取れた英語の単語から俺の事を話していることは想像できた。


とても、頭がよくそのポテンシャルの底は全く未知数で見えない、スーパーレディだ。


「【英語】それは、彼はあなたの存在全てを捧げるに値するということですね。」


「イエス。」


俺にもわかる単語一言で、会話を終了させる春麗美女。


「とりあえず、マルガッス・シュタインさんも私の自宅に来ませんか?桜木さんの帰国退院祝いをしましょう」


「オー、それはとても素晴らしいですね~私の帰国のスケジュールは明日になってま~す。久しぶりにKABUKIハウスにお邪魔したいで~す。」


(父の時代の時にも、マルガッス・シュタインさんはうちに来たことがあるのか、、、まぁ当然と言えば当然だよな)



っと、話もまとまりマルガッス・シュタインさんと桜木さんは電車で、俺と候葺縁(こうぶきゆかり)さんは車で帰宅することとなった。


俺は車の中で、シゲさんに電話して事情を説明する。


シゲさんは静かにやはりいつもの一言で


「かしこまりました」


っと、返答してくる。


そして、舞を含めた HANZ(_)のメンバー皆にラインを送る。

桜木さんの復帰祝いをやるから集まれる奴は来いと!



日曜日午後6時


火吹家本家は、人で賑わっていた。


帝城高校のクラスメートにも連絡がいったらしい


屋敷の中には、入り切れない位の人で溢れかえっていたため、衛士塔から屋敷に繋がる芝生の庭で歓迎会を開く事となった。


人数にして100名前後かな?


舞の親友 遠藤美月も来ていた。


電車よりも早く、帰宅した俺達はその光景に驚きながらも直ぐに準備にかかる。


そもそも、特急電車より早い車って、どうなの?大丈夫なの?


まっ、そこはまたまたスルーして、着替えを済ます。


午後7時過ぎに、シゲさんが迎えに行っていたロールスロイスファントムが、正門をくぐり衛士塔を抜けたところで、停車する。


そっと、後部座席を開け桜木さんとマルガッスさんをエスコートする。


昭和の執事。


桜木さんが出てくると、大音声の歓迎の言葉、言葉、言葉。

言葉の嵐だ。


「「「「お帰り!!」」」」


「「「「良かったな!!」」」」


級友達が、彼女の復帰を心から喜んでくれている。


桜木優香さんは、思わず荷物を下に置き両手で口を塞ぐ。

そして、大きな黒い瞳からは大粒の涙が溢れてくる。


「みなさん、、、」


あっという間に、もみくちゃにされ級友との再会を喜ぶ、火吹武将に恋する、桜木優香であった。




友人たちとの再会で盛り上がってる中、静かにそしてキッチリとリズムを刻む、、、、


シンバルの音。


シャンシャンシャンシャン


ブン・ブ・ブン・ブン


ベースも入ってくる。


キーボードも低音で、リズムを刻む。


帝城高校メンバーも、興奮冷めやらぬうちに入口とは反対側の後方に振り替える。


ジャジャ~ン!!


エレキギターの音が、大きく奏でる。


「はああああああー」


高く高くよく響き、よくとおるソプラノの声。



そうだ!!


HANZ(_)だ!!


火吹家の屋敷の前には、楽器を設置してライブ会場を作り上げてあった。


彭城楓真(さかきふうま)も駆けつけ、もちろんKABUKIエンターテイメントには、敷地内での歌唱という条件付きで許可を取りHANZ(_)復活、歓迎ライブだ!


盛り上がる。盛り上がる。盛り上がる。


帝城高校を中退して、一時休止となった俺と彭城楓真(さかきふうま)が参加するHANZ(_)の復活だ!!


もうしばらくは、出来ないと俺自身思っていたが、舞が発案してソッコーで、準備した桜木優香歓迎の宴だ。


流石は、我愛する妻であり、尊敬する女性である。


機材の横では、御堂大智(みどうだいち)ことミッドが、ミキサーを務めて、全ての音を操る。


「「「「ハイ!ハイ!ハイ!」」」」


約100名の元クラスメイト達が、青春の溢れかえるパワーを魂に込めて吐き出す。


いつの間にか、俺の横には自分の荷物に中から取り出した、バイオリンを持つ桜木優香さんが、バイオリンをケースから出して、肩に乗せ横に立つ。


そして、いきなり入り込んできた!!


アドリブ全開!


やりたい放題!


だけど、バンドとしての完成度の高さは一流とまではいかなくても、高校生レベルをはるかに凌ぐ。


(やっぱ、桜木さんのバイオリンはすげぇな、始めて加わるバンドの中で一瞬で溶け込んでいるよ)


マルガッス・シュタインさんも候葺縁(こうぶきゆかり)さんも葛城夫妻も感動のあまり、声が出ない。


まっ、内はこいつで持ってんだけどな


「ふぅ~ぅうううう~みんな来い!」


HANZ(_)メインボーカル。


彭城楓真(さかきふうま)。俺の親友だ。


「「「「ハイ!ハイ!ハイ!」」」」


ノリノリだ。ベースの常慶貴彦(じょうけいたかひこ)


ドラムの保東康臣(ほとうやすおみ)


キーボード、俺の愛妻【火吹 舞】だ。


これが俺の仲間だ!

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