新しい仲間
次々と案内されてはいってくる方々、、、、
芸能人並みというかある意味では芸能人以上の出来事が続いていた。
それは京仁織物株式会社 戸塚営業所 所長室での出来事だが、【火吹武将】と言う個人が本社勤務に栄転すると聞いて集まって来た方々の社会上ステータスだ。
1万人は軽く超える従業員を持つ会社の代表が創業者が次々と部屋を出入りしている。
僅か3年の間に築いた武将個人の信頼と信用だが、その裏に火吹財閥現当主という肩書が全く関係ないとは言い切れないだろう。
しかし、彼は肩書の上に人間性という個性をのせて周囲の人々から崇拝の対象としてまた、親友の対象としてそれぞれの心に武将魂を植えつけていたのは紛れもない真実だ。
最後に所長室を訪れたのは、年齢が一番近く同じ年代の子を持つ親としての親近感からプライベートでは名前で呼び合う仲になっている
マツウラ商事代表取締役社長 松浦真一36歳だ。
「凄いね、武将君の人気がこれほどとは、、、びっくりだよ」
「真一さん、やめてくださいよ。僕はただ真面目に仕事しているだけですよ」
「いやいや世のサラリーマンは ほとんどが真面目に仕事しているけどこれだけの人脈を短期間に作れる人間はそうはいないと思うよ。」
「そうですか?真一さんがそうおっしゃるなら僕はきっと特別なんですね。」
「なんか、真面目に面と向かって言われるとちょっと腹立つね」
「「はははは~」」
この3年間で一番友人に近い、信頼を築けた人間と他愛無いお喋りをするのも楽しいものだ。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、松浦真一社長も次の予定があるらしく、武将との時間を名残惜しむように早々に車で帰社していった。
俺はやること満載の引継ぎ仕事を一つ一つこなして、行くのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
場所は変わり、東京は港区ど真ん中にあるテレビ局では、大御所の芸人が司会を務める音楽番組の生収録が行われていた。
そこには近く迫った渡米前のスケジュールをキッチリとこなす彭城楓真の姿があった。
舞台では、最後のリハーサルが行われていて、丁度今 楓真はスタジオに到着したところだった。
光り踊る舞台では5人組の女性グループがリハーサルをしていた。
その歌を楓真はマネージャーの武藤さんと話しながらなんとなく聞いていた。
そして、武藤さんに一言
「今歌っているあのグループはなんて言うの?」
マネージャー武藤真一は正直驚きながら
「今売れだし中のユニットですね。ダンスがうまくてメインボーカルの子が人気で、【Key&QUEEN】っていうユニット名ですよ。まだそんなに売れてなくてこれからって感じですけど、、、、」
(楓真さんが女性に興味を持つ?)
心の中で、武藤は正直驚愕していた。
側について5年間。
彭城楓真は音楽と仕事以外の事には全くと言って興味を示してこなかった。
当然、その中には女性も含まれる。
その楓真が女性ユニットの名前を訪ねてきた!
なんの理由があって?
もやもや妄想している武藤真一を一人残して、楓真はステー人に向けて歩き出す。
「えっ、えっ、ちょ、ちょっと楓真さん?」
慌ててテレビカメラのコードを踏んでしまい転びそうになる武藤だが、当人の彭城楓真は全く我関せずとして5人の女性の方に向かって歩き出す。
「ちょっと、いいかな?」
ただその一言だけで、【Key&QUEEN】のメンバーは喜びと緊張を露わにする。
「彭城楓真さんよ、、、顔 ちっちゃ!って、マジかっこいいんだけど、、、、」
「本物?まじまじ、、、ここまで来れて、ほんと良かった嬉しい!!」
メインボーカルの女性だけが腰に両手をまげて【なにか?】的な態度をとる。
楓真はメインボーカルの女性を無視して、脇で踊りハーモニーをしていたメンバーに声をかける。
「君は何のためにここにいる?」
「「「???」」」
声をかけられた女性は背丈は標準、顔は芸能界やるくらいだから標準以上だが、メインボーカルの女性ほど造形美には長けていなかった。
驚きながらもその女性は堂々と楓真に向かって話し出す。
「どのような意図でお話されているのかわかりませんが、私がここにいる理由は、有名になってお金を稼ぐためです。」
全くの初対面。しかも相手はスーパースター彭城楓真本人だ。
堂々としていられるだけでも大したものだ。
大体 楓真ほどになると敬遠されながらも視線を送ってくるというパターンが一番多い。
まして、楓真から話しかけるなど普通ではありえないのだ。
そこでメインボーカルの気の強そうな女性が割って入ってくる。
「天下の彭城楓真さんが希望に何の話か知らないですけどいきなり失礼すぎません。」
「それは悪かった。君と話しているのではないから」
「ちょっと、彼女と話してもいいかな?」
ここに武将がいたら飛んで驚いたことだろう
楓真も大人になったな!
っと。
しかしメインボーカルの女性はかなり気の強い方だったらしく
「いくら彭城さんでも失礼の度がすぎませんか!!」
走ってきた武藤真一が驚きから抜け出せないままその間に割って入る。
「すまないね。楓真君は口下手なんだ。気分を悪くしたのなら謝るから許してくれないかな?」
女性は「ふんっ!」っと一言はき捨てるようにその場を後にした。
残された【Key&QUEEN】の4人は興味心の方が強かったらしくその場にとどまる。
「お金が稼ぎたいだけ?」
身長180センチを軽く超えるスリムな体型をゆっくりと右膝をつき声をかけた希望さんと目線を合わせて話始める。
「え、ええ」
楓真は真剣と自然さで目線を合わせたまま優しく尋ねる
透き通るような声で
「本当?」
希望と呼ばれた女性が初めて目が泳ぎたじろぐ
「俺は悪い奴じゃない。良かったら本当のことを聞かせてくれないか?」
武将がまたもやここに居たら、ぶったまげたことだろう
こんなに異性と喋る姿を家族や舞やチームのメンバー以外には見たこともなかったから
希望は両手を胸の前でぎゅうっと握り、目をつぶって話始めた
「い、妹が病気なんです。治療すれば治るらしいんですが治療費が1日15万円もかかるんです。両親も頑張ってくれてますが、私も高校を辞めて、短期間で稼げるこの仕事にチャレンジしてます。」
楓真は微動だにせずに変わらずそのまま話続ける。
「治療すれば治るんだ」
「ええ、、、私はその治療費を稼ぐためにここにいます。」
「妹が元気になった後はどうする?」
希望と呼ばれていた娘はここで初めて口から吐き出す言葉という交流手段に詰まる。
「そ、そ、そんなこと考えたことありません。今は妹が元気になってくれることだけが私の夢で全てです。」
「夢か、、、、俺の出すテストにクリアしたら全部俺が責任持つがやってみるか?」
「「「!!!」」」
たまらずにマネージャーの武藤真一が叫ぶ
「楓真さん!!そんな約束しては、、、彼女たちの所属事務所との契約だってありますし、、、それに責任持つ。なんて簡単に言うことではないですよ。」
「武藤さん、申し訳ない。だが、これを決めるのは彼女自身だ」
希望と呼ばれた女性は握った手に汗を滲ませながらぎゅっとつぶった瞳を天を仰ぐように大きく見開く
「やります!!いえ、やらせて下さい!」
楓真は希望の瞳の中を覗き込み、横を向いて話し出す。
「武藤さん、すまないが5分間だけこのスタジオ貸してもらえないかな?」
「どうせ、楓真さんのことだから無理だって言っても聞きませんよね」
「迷惑かける」
この5年間で培ったマネージャー武藤と楓真の信頼関係の証になる会話だった。
すぐさま、武藤真一はスタジオの端にいる、プロデューサーに腰を何度も何度も曲げながら話し込む。
「君の名前を聞いてなかったな」
武藤が話し合っている間に、楓真は希望と話し続けていた。
「私は喜原 希望18歳です。」
「俺は彭城楓真。本名だ。希望と書いてのぞみと読むのは素敵だな」
っと、そこに武藤マネージャーが息をぜ~ぜ~しながら転び込んできた。
「ふ、楓真さん5分だけ、5分だけ貸してもらえました。」
「ありがとう、武藤さん」
「それじゃ 希望 行くか」
「はい!!」
彭城楓真と希望の二人が煌々と光り輝くステージ舞台に上がっていくとスタッフや共演者たちがわらわら集まりだしてきた。
楓真は周囲には全く関心を持たず希望に話しかける
「さっき、君らが歌っていた曲を俺がバックでアレンジするそれを君の自由に感じたまま本気で歌うんだ。歌詞はわかるよな、俺が合格を出したら君の人生は間違いなく変わる。」
「ここが君の人生の分岐点だ。死ぬ気で歌え」
「はい!!」
日本トップクラスの彭城楓真と二人だけのコーラスが今始まろうとしていた。
喜原希望という人間の人生ターニングポイントとして
「ワン、ツー、スリー、ボンボボボンボン」
楓真は舞台に上がるなりマイクをつかみボイスパーカッションでさっき聞いた曲を自分流にアレンジしてリズムを取り出す。
ちょっと、聞いただけで曲をコピーして自分流にアレンジしてボイスパーカッションで曲を新しく作り出す。
正に天才のなせる業だ。
しかし天才が声をかけたのは理由があった。
喜原希望は何の迷いもなく楓真が刻むリズムに歌詞を乗せていく。
初めは軽やかで綺麗な高音域でハーモニーを歌うように始まった。
透き通るような心に浸み込む歌声だ。
火吹舞の声と少し似ているかもしれない。
だが、ここまでは今までとそれほど変わりがない。
だが、すぐに周囲の人間は驚愕した。
曲が転調し、想像をはるかに超えたぶっとく大きな声量で魂を吐き出すように希望は歌い始めた。
そして腰を折り両足を開いて歌う姿は獰猛な野獣をイメージさせた。
太く大きな声だが、ガラガラではなく音域も外さず、迫力のある女性では出せないような迫力あるが美しい声だ。
今までの彼女を知っている人間ほど驚いたに違いない。
こんな彼女のパーソナリティーが存在していたことに、、、、
【Key&QUEEN】のメンバーでさえも驚愕に顔を引きつらせていた。
希望の歌う曲は既にコピー曲ではなく、オリジナルと言っても過言でなかった。
初めは楓真が引っ張っていたリズムが今では逆に希望に引っ張られている。
しかし天才はそれを苦に感じさせずに希望の横に並び共に歌いだす。
正に天才同士の即席のセッションのようだ。
周囲の音楽関係者も全員がその場に凍り付き言葉を失っていた。
それほど、素晴らしく人の心に届く歌であった。
ノリにのりまくってきた楓真は歌いながら
「みんな、手拍子くれよ!!」
心を飛ばして聞き入っていたスタッフたちや共演者たちがその一言で、フッと我に返り手拍子を初めて純粋にこのセッションの音楽を楽しんでいた。
いつも楓真の側にいて、彼の才能や努力を一番知っている武藤真一でさえ、驚きのあまり声を失って呆然とステージを見つめていた。
大ノリの乗ったステージ周辺ではどんどん人混みが増えて、プロデューサーや番組制作会社のお偉いさんまで走りこんできたほどだ。
ステージ上の二人はそんなことには全く我関せずで自分たちの世界を楽しんで堪能していた。
天才同士だから分かり合える境地というか感覚が間違いなく【今】この二人には存在していた。
そして、体中から噴き出す汗をまき散らしながら吉原希望はフルコーラスを2番まで歌い曲は唐突に終了する。
「ぜぇ~ぜぇ~ぜぇ~」
彼女は全ての力を出し切り両手を膝につきかがみこんでいた。
そこに
パチパチパチパチパチパチ
パチパチパチパチパチパチ
「凄かったよ!!」
「かっこいい!!」
「ちょ~素敵!!」
歓呼の嵐だ。
声も出せないほど全力を出した希望の横に立つスーパースターは汗もかかず静しい顔で一言
「合格だ。」
「えっ、そ、それじゃ、、、、」
「ああ、約束通り後は俺に任せろ。」
「!!」
そこで希望の力は尽き果て、床に両足をつき座り込んでしまう
いち早く喝采の中、走り込んできたのはマネージャーの武藤真一だが
「楓真さん、騒ぎが大きくなりすぎてます。後は僕に任せてとりあえず楽屋に避難して下さい。」
「すまない。希望の連絡先を聞いておいてもらえるか?」
「分かりました。急いでください。楽屋のカギはけて絶対僕が行くまで開けないで下さいね。」
颯爽と走り出すスターの後姿はやはり【かっこいい】の一言だ。
楓真が人々の間をすり抜けるように入り込むと自然と人の壁は割れて、道が自然にできる。
これが5年間芸能人として成功を収めて楓真の神がかった雰囲気を業界中に根付かせた結果だ。
気軽に声はかけられない。
彼の行く手を阻めない。
彼に逆らったら潰される(笑)
(過去の出来事から陰でそう言われているのは事実だ)
彭城楓真の進む道を拒むことができるのは、正直火吹本家屋敷に住まう中のごく一部の人間だけだろう
そして興奮の坩堝と化したテレビ局ステージ付近は時間経過とともに自然に元の姿に戻っていった。
しかし、今見た天才同士の即席セッションを忘れることは生で見たものにとっては、永遠に忘れることは無いほどの強烈なパンチを食らったことを魂が心が刻んでいた。
※※※※※※※※※※※※※
数日後
時間は夜21:00
場所は港区火吹邸大リビングだ。
「それで、楓真は彼女をどうしたいんだ?」
家主であり火吹家当主である俺は、つい先ほどこのリビングでおこなわれた喜原希望さんの圧巻のステージを聞きおえた後だった。
そこにいるメンバーは、今この屋敷に住まう人間全てが集まっていた。(当然と言えば当然だが、俺たちの子供と家政婦のツネさんだけは席を外していた。)
先ほどの熱唱に興奮している皆とは裏腹に俺だけは楓真が何を考えているか一番知りたかった。
そう、こいつは何よりも無駄を嫌う。
自分のやることを疎かにできるような奴じゃない。
それなのになぜ?
今?
これが俺の頭の中から消えない一番の疑問だった。
楓真はソファから立ち上がり、俺と面と向かって静かにそして厳かに話始めた。
「縁だ。」
「何の?」
妻の舞がこの緊迫感ある中で、堂々と話に割り込んでくる。
彼女ならではというか彼女以外にはできない行為だ。
「俺が今まで音楽で認めた人間がいたか?」
楓真はこれまた動じずに静かに覇気を持って話す。
「俺が生きてきてこれまで音楽で認めた奴は二人しかいない。」
「一人は将軍だ。もう一人は不本意だが舞だ。」
「何その言い方、私にとっても非常に不本意なんですけど」
舞は烈火のごとく言葉に炎をのせて吐き出すが
「舞、最後まで楓真の話を聞こう」
将軍と呼ばれた俺 火吹武将が一言いうと静まり返る大豪邸のリビング。
「彼女は俺が認めた三人目の音楽家だ。彼女には事情がありその才能を表舞台で出す余裕がないほどお金に困っていた。だからバックコーラスでもお金を稼ぐことに夢中だった、そこにたまたま俺が通りかかり彼女の歌声を聞いた瞬間に俺の心と体が感じた。そして動いた。」
「これを縁と言わずに、なんというのか俺にはわからない。」
(珍しいな楓真がこんなに喋るなんて)
「わかった、では喜原さんにお聞きしますね。」
「は、はい。」
喜原希望は緊張した面持ちで両手を前で組んで姿勢を正していたが背中を伝う汗は彼女の感情を表現していた。
「あなたにお金が必要な事情があることはまず置いておいて、あなたは有名になり大金を稼ぎだし、裕福な暮らしができるようになったら何を望みますか?」
今まで何人にも同じこと聞いてきた問答だが、この答えが一番大事なのは全てを持っている火吹武将だからこそ言えるセリフだ。
「私が大金持ちになろうと有名になろうと私は私であり続けます。好きな歌を作って歌って、それで少しでもみんなが嬉しくて楽しい気持ちなってくれたらそれが最高です。」
「あっ、でも年に一回くらいは温泉に行きたいです。」
「がはははは~こりゃ~肝の据えたお嬢さんじゃな。」
今が幸せ絶頂の俺の親友。
保東康臣ことホトがなんちゃって竜馬節をかませてくる。
義理の父であり俺の勤める会社の社長である
葛城仁父が手をスッと上げる。
「いいかな?」
俺は義理の父親の方を向いて
「もちろんです。」
「喜原さんの歌の実力は先ほどの歌唱でよくわかったよ。でもね世の中には彼女と同等、いやそれ以上の才能を持つ人間もいると思うんだ、彭城君が先ほど言っていたように彼女がここにいるのが【縁】だというのだとしたら、、、、、、」
「それは正しいと思うんだ。」
ホトの奥様になる妖艶な美女も肯定のセリフを言う
「ここにいる皆さまも将軍様との【ご縁】から始まったのですから、楓真さんがびびっと来たのなら、それもご縁ではございませんかしら」
「決まりだな。」
俺が王者として皆に決定の言葉を告げる。
「それでは次の段階の話に移ろう」
「喜原さんは今、どうしてお金が必要なんですか?」
希望は俺が利いている言葉とは全く関係ない言葉を吐き出す。
「あ、ありがとうございます。」
ここにいるメンバーがとんでもない人達だということは、この屋敷に入った瞬間から普通の人間なら誰でもわかることだ。
しかも、彭城楓真や妖艶な美女、紳士や執事さん、普通の人間から見ても常識をはるかに超えるに人たちが住まう場所だということくらい直ぐにわかるだろう
楓真が希望の変わりに答える。
「希望の妹が病気で入院している。1日15万の治療代がかかり希望は高校を中退して金を工面している。両親は音大を出ていて父親は学年首席で卒業して、東京フィルハーモニー楽団に入ったが、日本ではそこまで音楽家の地位は高くない。質素な生活の中でも希望は幼少の頃から音楽家の両親に教育を受けて才能あふれた女性に育った。」
「そして、今妹の病気という困難に立ち向かっているということだ。」
皆が知りたかった情報を本人ではなく楓真が代わりに話している姿は少し面白かったがそれだけ彼女に対して本気なんだろうと感じた。
「よし、それではすぐにKABUKIコーポレーション関連の大学病院に転院の手配と早期な治療方法を探してもらおう」
「その件は、私が責任持ってご対応させて頂きます。」
「すみません。シゲさん、よろしくお願いいたします。」
白い手袋をはめたまま、右手を腹に折ってあててお辞儀する姿はまさに昭和の執事。
「将軍、いいか?」
「楓真どうした?」
「希望は俺と一緒にアメリカに渡航させようと思うんだが」
「理由は?」
「ネイティブな英語を短期間で学ばせることと俺が直にレッスンするためだ。」
「なぜそこまで、楓真がやるんだ?」
「いずれ将軍の事業に図りしれないとてつもない金が必要だろ。その少しでも俺と希望で稼ぎ出すためだ。」
「、、、、、、、わかった。」
「ただし、彼女の今はいっているスケジュールはきちんとこなすこと。契約事務所との中途解約については俺の方で水島社長に話して、手続きもろもろやっておくよ」
「すまない」
(KABUKIエンターテーメント社長の水島さんにはまた苦労かけるな、、、、)
まだ、メジャーではないとはいえ芸能界で契約を中途破棄することがどれだけ大変でどれだけのお金がかかるかはその人気や事務所の大きさ、契約内容によって大きく変わるだろうが、今や芸能界一の芸能事務所KABUKIエンターテーメントなら専門の法務部もあるだろうから心配はいらないな。
「それじゃ、最後に」
「喜原希望さん。これからのあなたの人生はとても険しく大変な苦労があるでしょう。それを乗り越えられる覚悟をお聞きしたいのですが、どうですか?」
「今の幸福な気持ちに比べればどんな苦難も逃げずに立ち向かうことをここにいる皆様にお約束させていただきます。」
「そして、この御恩を私は生涯忘れることはありません。」
ここに新しい女性戦士候補が一人加わったのだった。




