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私は今日も電車に乗る  作者: 梅暦
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変化

 受験生だった頃、電車の中で不毛なニュースサイトを見たり、一心不乱にゲームをしたり、何もせずただ座っているだけの大人を内心軽蔑していた。「そんな暇があれば勉強すれば良いじゃない」、「何でその時間を無為に過ごすのだろう」、「小説でもいいから読めば?」と思っていた。



 さて、いざ大学生になってみると、自分の在り方がそんな忌むべき大人たちに近づいたのではないか。ふとそう思った。この半年ちょっとでどんな変化が起こっただろう。


 部活が忙しく、朝4時台に起きることもざらではないので、まず電車での睡眠時間が圧倒的に増えた。これは健康維持のためにやむを得ないかもしれない。


 勉強の代わりに、大学の課題をするようになった。英文を読んでサマライズしたり、レポートを書いたりと、今までやってきた勉強とは少し毛色が違う。受験勉強の反動で、知識をインプットするものは一時期大嫌いだった。今はその重要性も分かるのだが。


 なんだかんだ言って生活の緊張感は薄れたので、スマホにゲームを入れるようになった。これが本当に魔性の存在で、一度始めるとなかなかやめられない。というより、気付いたら最寄りに着いているといった方が正しい。誠にお恥ずかしい限りである。


 ネット小説を読む時間が増えた。面白いものがたくさんあるね。誰かが頑張ってつくったコンテンツと自分の時間をいっそう無為に消化するようになった。何を無為だと捉えるかは人それぞれだけど、私の場合は小説が「逃げ」になるから、これは無為な時間だ。こうやってエッセイを書くようになったのは「小説家になろう」の影響だから、悪いことばかりでもないけれど。



 こうしてみると、半分くらい今の私は大人に近づいた。嫌な変化だ。こうやって歳を取っていくのだろう。今まで嫌だと感じていたものに鈍感になって、いつか若者に忌避される存在になるのだろう。



 変化のタイムリミットは、それが嫌だと思えなくなるときである。

 認識も、行動も、結果も。この若輩に与えられた有限の財産なのだ。

横に人に見られないかハラハラしながら電車でカチカチ書いてます。

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