14/23
混浴
結局、私はおかみさんに背中を押されて大浴場に行った。
ロテンブロも気になるんだけど……
まあ、あとで行けばいいわね。
「では、ごゆっくり。」
おかみさんはニコニコしながら扉を閉めた。
がちゃん
あれ?
今の音って……
いやな予感がして扉に手をかけると、やはり鍵がかかっていた。
もしかして、閉じ込められた?
脱いだ服を片手に抱えて、タオルを体に巻きつけたままドアをたたく。
返事はない。
おかみさんてば、いったい何を考えてるの!?
そんなことを思ったそのとき、私の後ろでよくそうに通じるドアががらりと開いた。
「……!? なんでここに?」
立っていたのは、科学オタクだった。
脱いだ服を入れるかごからメガネを取り出し、こっちを振り向く。
「……!? そっちこそ、なんでここに?まさか、一緒に入りにきたのか?」
そんなわけないでしょっ!
ふざけないでちょうだい。
「ちがうわよ、おかみさんに連れてこられたの。そしたら、ドアに鍵がかかって……」
「おいっ、それ、どうしたんだ!?」
私の説明をさえぎって、彼は私の足をゆびさした。
……あーあ、ばれちゃった。