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絶滅したぜ!
人類の諸君、大ニュースだ。
これは、宿屋で話してたときのことだ。
「そういや、名前、なんだっけ?」
金髪の彼女にたずねると、彼女は胸を張ってポーズを決めた。
「よくぞ聞いてくれたわね。
私は、由緒正しき吸血鬼王族の一人娘。
吸血姫 エファアルティスよ!」
は?
こいつ中二病かな。
吸血鬼……とか言ったか?
「そうだけど?そういうあなたは?」
おれ?
ただの人間だけど。
そう答えると彼女はいきなり立ち上がった。
「にんげん……ですって?」
え?そうだけど?
なに、驚いてんの?
「人間って……絶滅したんじゃなかったの?」
……
どえええええええぇぇぇぇぇぇ
ぜつめつっ!?
「お客様、お静かにお願いします。」
あ、すいません おかみさん。
「あの……人間が絶滅したって、本当ですか?」
おかみさんは首をかしげた。
「あたりまえじゃないですか。お客様、お熱でもあるんですか?」
……まじか。
ドッキリじゃないよな……?