プロローグ
異世界ものを書くのは初めてなので、いろいろ間違えるかもしれませんが、
どうぞよろしくお願いします。
ヘイワって、なに?
私がそうつぶやくと、めしつかいはさっと顔色を変えて
私をしかりつけた。
「姫様は、そんなこと知らなくて良いのです。
そんなことより、早く課題をすませてくださいませ。」
そして、机に積み上げられた書類の山をトントンと人差し指でたたくと、
おおまたで部屋を出て行った。
残された私は 部屋で一人、ため息をついた。
”ヘイワ”
この言葉は、ある処刑されたタビビトに教えてもらったものだ。
広い書庫にある本や辞典をぜんぶ読んだけれど、
この言葉の意味を見つけることはできなかった。
「ヘイワを見つけるのです。
そうしないとあなたは、一生この牢獄に閉じ込められたままですよ。」
息絶える寸前に、そのタビビトはそう言った。
ロウゴク?
ここには、私のめしつかいも、本も、ベッドもある。
めしつかいはみんな 私の言うことに従ってくれるし、
書庫には私の好きな本がたくさんある。
朝になれば、ふかふかのベッドで眠ることもできる。
そのときの私は、ここから逃げ出そうとも、逃げ出したいとも思っていなかった。
そう、そのときまでは――