ー転生ー
俺の目が覚める前、とても懐かしいようなでも新しいような光を感じた
温かくて、安らぐような…ずっとこの光に包まれて居たい感情が一瞬芽生えた
でも、その温かくい光はすぐに消えた…飛行機雲みたいにゆっくり
「…ここは…」
誰も居ないこの場所で俺は誰かに問い掛けていた
すると、脳内から声が聞こえた
『ここは、お前が暮らす新しい世界だ』
フォラスさんの声が脳の裏側に響く感覚だった
しかし、とても昔に聞いた感覚だった
『お前は、この世界の王のように敬われる』
「どうして?」
『お前はこの世界を救った青龍の生まれ変わりだからな』
青い龍…?
青い龍が世界を救ったのか…?
「おい!!貴様、青龍様の祠で何をしている!!」
え、そんな事言われても困る…
『俺の言葉を口に出せ』
今、俺の後ろに夕日があるしフード被ってるからまぁ、何やってんだって言いたい気持ちも分かるかもな~
『我輩は、青龍だ。
幾年の時を経て再び眠りから覚めた。
我輩は、青龍だ
しかし、人間に化ける事が出来る
我輩に傷をつける人間は何人たりとも許されぬ』
うわぁ…すごい自己中心的発言じゃん…
元の世界でも言ったことないよ…
その前に、これで信じられる分けないじゃん…
「そんな事信じられるか!」
だよねー
「フードを脱げ」
フード…あんまり乗り気じゃないけどな…
「混ざり髪……本当に青龍様なのですね…
疑ってしまいすみませんでした…」
その言葉を聴き直ぐにフードを被る
『頭を上げろ』
頭を下げられてもこっちが困る
「青龍様、この生け贄を青龍様に捧げます」
そう言って、年老いの男は黒髪の幼い少年を前に出した
「…そいつを置いて我輩の前から立ち去れ」
「はい!」
1人残された黒髪の少年に近づいた
「青龍様…僕は貴方に食われるんですか?」
何でそうなる…