表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バルバロイ  作者: ずかみん
27/72

終末誘導

 〈カイト〉機は最大加速で【穿鎧】の懐に潜り込んでゆく。もちろん、〈カイト〉はありったけの妨害手段を駆使している。【穿鎧】とカイトは、互いのセンサを落としたり、復帰したりを繰り返していた。


 何度か【穿鎧】が砲弾を発射したけれど、測距情報を欺瞞しているので、弾頭はベージュ色の大地を抉っただけだ。


 唯斗も機体を加速し、射撃に有利な座標へと移動する。


 実際はGを感じる必要などないのだけれど、車両操作情報の一つとして、唯斗たちの全感覚(フルダイブ)インターフェースには比率(レート)を落とした重力加速度がフィードバックされている。車両を旋回させると圧迫感が適度に緊張を高めてくれた。


 HAV-02【ピクシー】は、バイクの二輪に、両サイドの補助輪を加えた特徴的な車両レイアウトを持っている。


 戦闘時は、両サイドの二輪で走行し、超信地旋回も可能だ。ぐっと視点が上がったのは、両サイドの補助車輪が車両を持ち上げて、旋回半径を小さく取れる『高機動モード』になったしるしだった。


 【穿鎧】は完全に唯斗たちを軽く見ていた。遮蔽物を利用することなく〈カイト〉を照準に捉えようとしている。唯斗たちには有効な攻撃力がないことを知っているのだ。


 唯斗は、自機の発射筒の二番から六番までを、飛翔中、慣性制御から終末誘導に切り替えるモードへ設定した。青い半透明のラインで表示される予定軌道は、一度上空に高度を上げてから、着弾寸前に高度を下げる。


 唯斗は、【フランキスカ】の飛翔半径が、それぞれ、微妙に変わるよう、予定軌道ラインを視線でつまみ、微調整を行った。手を使わないだけで、マウスでするのと同じ操作だ。時間差を持って着弾するように、弾道を補正する。


「キオミ」

『攻撃を許可する』


 発射薬で押し出された四つの弾頭は、空中で飛翔モーターに点火した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ