どんなアニメでも全ては自己紹介から
前の適当な作品よりはいい感じだと思います。
俺は御影白。それなりの都会にある私立月光学園に通う高校二年生だ。月光とか厨二くさいだろ。大丈夫、名前に見合う高貴なイメージはこの学校には全く無い!
中高一貫だが、なぜか中学はまた別の土地にある。実質別の学校だな。入試が無いだけ。ちなみに俺は高校から入った。
この学校は、友と触れ合う時間を大切にするためとかいう理由で校舎の隣に部活棟がある。これが広くてさ。校舎の三分の一以上あるんだよね。しかもグラウンドもかなりの広さ。で、文科系から運動系まで何十もの部活存在してるわけ。
校則は私立校にしてはかなり緩い方だと思う。でも成績が悪いとすぐ退学させられるから、みんな緩みすぎはしない。もちろん消えた奴も何人も見たぞ。
はい、学校の説明終了!俺にも部活があるんだ。部活って言えるのかわかんないけど……。
今は放課後
校舎から渡り廊下で繋がっている部活棟へと向かう。
部員が少ない部活は上の階の部室が割り当てられる。俺の部活はそれに該当するから、一番上の四階だ。
階段を上っていく。部室のほとんどが文化部である三、四階は人影が少ない。
静かな廊下をコツコツと歩けば、さあ部室に到着。プレートには明朝体で「オカルト研究部」と書いてある。そう、これが俺の部活だ。
コンコン、と軽くノックをしてから中に入る。
「誰もいないのか……」
まあ六時間目終わったばかりだしな。
教室を三分の一にしたぐらいの大きさの部室だ。実際には二分の一なのだが、本棚や所狭しと置かれた段ボールのせいで狭く見えるのだ。五つデスクが並べてあり、一つだけ少し大きい。もちろん部長用だ。俺は部長じゃないぞ。
さあ、活動開始だ。鞄を下ろして、まず本棚に目をやる。
「奈々のやつ、新しいの早速買ったのか」
本棚に置かれていたワ○ピースを手に取り、自分の机にどかっと座って読み始める。そう、これが俺の活動。「とりあえずダラダラする」
オカルトどこいったって?適当だと思うよ。この学校は、部活に入るのが強制なんだ。でも理想の部活なんてなかった現部長・立花知夜は適当に部活を立ち上げることにしたんだ。オカルトなんて全然興味無いんだってさ。俺たちはそんな「適当」に便乗して、ここで思い思いの学園生活を楽しませてもらってるってわけ。いい生活だよほんと。
ワ○ピースの最新刊を読み始めて数分。ガチャッと誰かが扉を開けた。入ってきたのは痩せ気味で天然パーマのかかった髪にメガネをかけた少年。
「おう御影、来てたのか」
「ああ来てたよエロゲマスター」
「その名前で呼ぶんじゃないっ! 」
こいつの名前は……ぇーと、忘れた。まあエロゲマスターだ。二年生。部活動の時間中ひたすらエロゲーをしているど変態だ。本人曰くエロいシーンは全て飛ばしてるから大丈夫らしい。大丈夫じゃねぇよバカ。
「御影、明日から中間テスト一週間前だが、今回こそ落ちるんじゃないのか」
席に座り、パソコンを開きながらエロゲマスターは言った。
「せっかくワ○ピース読んで忘れようとしてたのに台無しにしてくれたなお前」
「現実から目を背けるんじゃないぞ」
「黙れ二次元」
「……」
またパソコンに目を戻す。痛いところを突かれたらしい。
それ以上会話も無いまま数分が経ち、三人目と四人目が入ってきた。
「おーっす!!」
「……」
テンションがやたら対象的だな。
こっちのハイテンションでショートカットな奴が二年生の九条奈々。友達多そうだし勉強も運動もできるのに、何故かこんな部活に入っている。ちなみに主な活動は漫画をひたすら買うこと。お金がどこから出ているのかは内緒。大体想像ついた? あちゃー。
そして、無言でスタスタと一番大きな机に向かっていくのは我らが部長・立花知夜。もちろん三年生。長ーい黒髪に超美貌、出るとこはきっちり以上に出ている。それ故に、男子からの人気はとても高い。しかし部長は部活のメンバー以外とは基本的に話さない。そんなお固い人なのだ。部活動の時間中は大体文庫本を読んでいる。時々ライトノベルも読んでいるようだ。
部長は机に座りながら、珍しい大きさの声で言った
「明日からテスト一週間前だ。御影、落ちるなよ」
「なんで僕だけなんですか……」
「危ないのがお前だけだからだ」
「ふむ」
この前のテストって俺どんな感じだったんだっけ……。確か、アウトなのは五教科以上赤点だよな。で、俺は……。
指を折って数えてみる。一、二、三、四。
「……あれ? 」
数え直す。一、二、三、四。
「まままじかよあっぶねーー! 」
「頑張れハク! 」
奈々が声援を送ってくる。
「言われなくても頑張るぞこれは」
闘志がみなぎってきたぁぁ!!
「そういうわけなら、早くワ○ピースしまって勉強しろ。机が空くのは御免だ」
「ぇーせっかくだから最後まで読みたいんですけど」
「ちょっとそれ奈々が昨日買った奴じゃないの!? 」
「おう、ありがとな」
「君のためじゃないんですー! 」
「じゃあ部室に置いておくなよ」
奈々が買った新刊をこの部室の本棚に置くのはいつものことだ。俺がそれを無断で読ませてもらうのも、いつものこと。
「騒がしい」
頬にぺちっと痛みが走る。出た、部長のゴム鉄砲。おもちゃの拳銃みたいな形をしたやつで、結構痛い。部長曰く、家にマシンガンみたいなゴム鉄砲もあるらしい。怖えよ。
そんな他愛もないやり取りをしていると、最後の部員がやってきた。