垣根の下で
この作品は皆様がよくご存知の<源氏物語>を題材にしています。と言うよりも、好き勝手に訳しているだけです(笑)
何分、初めてなのでお見苦しいところもあると思いますが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
あれはいつのことだったか・・・次第に日が長くなってきた頃、夕暮れの霞に紛れて二人の男が小柴垣の下で佇んでいた。一人は背も高く顔立ちもよい、世間では美青年と呼ばれるであろう男と、もう一人は少々小柄ではあるが堅実そうな顔立ちの男であった。
「源氏様、使いの者たちを帰してよろしかったのですか?」と、小柄な男が心配そうに尋ねると
「人が多くては気付かれてしまうだろう?」と、源氏と呼ばれる男は続けて
「それにこれは覗きだ。気付かれて私の評判が下がったらどうする?」
(じゃあ、覗きなんてよせばいいのに・・・)小柄な男は内心そうつぶやきながらも、源氏はさらに続けて
「君の情報が確かならここに少し気になる女性がいるのでな。この平安きっての玉の皇子こと光源氏様のお眼鏡にかなうかどうか、・・・ふふっ」
(また若様の悪い癖が・・・)
「それに、もしものことがあれば君には働いてもらわなくてはならんからな、惟光君。」
「なっ!もしかしてその為だけに私をお残しになられたのですか?!」
「それも一理ある。」
「ほ、他にもあるのですか・・・?」
「どちらかと言うと、こちらの方が有力かもしれん。もし、その女性が私の好みでなかった時の保険だよ。」
「えぇ・・」
高笑いする源氏に惟光は呆れざるを得なかった
不定期で更新します。ご了承下さいm(_ _)m
ではでは($・・)))/