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焦げて裂けて穴だらけの布切れ
「ハァッ、ハァッ、オエッ」
接地していたおかげで即死は免れたのだろうか。
植物のような火傷痕。雷の影響だろう。自然というのは不思議だ。
「…っぁっ」
テントが燃えている。早く離れないと。痺れとトラウマの発作で言う事を聞かない身体で必死にもがく。
バックパックは無事に回収できた。必要なものは全てこれに入れていたから助かった。中身が無事かどうかは分からないけど。
「…」
――食料は全滅。衣服もローブを除き全滅。テントは御覧の通り。無事な物はローブに付いている多数のポケット等に収まる程しか無かった。何だかんだ、無駄に大きい天体望遠鏡までホルダーで持ち運べる優れものである。
「っぁ」
「ああぁあぁあっ!うああ、がっ、うっ、ぁぁああああああああ!」
もはや正気では居られなかった。
「なんっ、んぇ、なんであだじだげぇっ!いつもっいづも!」
役立たずと化したバックパックを地面に投げつけ、力任せに叩き、蹴り飛ばし。それでも身体の中に渦巻く狂気が収まらないステラは裸足のまま駆け出した。
星の力が暴発しなかったのが幸いか。はてさて、焦げて裂けて穴だらけなのは、どれの事なのやら。




