据え置き型 魔導通信機
本日2回目の投稿です
——こうして、ハルがカムニア町の森で、特別な木から分けてもらった“琥珀色の晶樹液”は、
POTEN創舎のみんなの手で、“連絡掲示板”へと生まれ変わった。
【作品記録】
据え置き型 魔導通信機
【素材】
琥珀色の晶樹液(ハル採集 特別な水晶樹より採取)
月影石の粉末(魔力伝導と硬化促進のため)
魔導結晶(未発現核)
透輝液(外装形成および封入保護用)
【用途と特徴】
創舎内に常設し、メンバー全員への一斉報告を可能にする魔導通信装置
装置のそばには専用の「POTEN連絡帳」が設置されており、聞き逃したメッセージの内容を手書きで残すことができる
不在時のメンバーも、帰宅後にノートを読むことで全体連絡や仲間の無事を確認できる仕組みになっている
【見た目】
POTENハウスのリビングに置かれたこの通信機は、厚みのある台座型で、表面は透輝液によって美しくコーティングされている。
中には琥珀色の晶樹液と月影石の粒子が封じ込められ、魔導金属プレートと宝石のような魔石が“POTEN”の文字とともに配置されている。
魔力が流れると、淡く発光し、まるで“意思”を持っているかのような気配を放つ。
宝物のような気品とあたたかさを併せ持った、POTEN創舎の象徴的な魔導具のひとつ。
【開発エピソード】
ハルがカムニア町の森で採取した特別な琥珀色の晶樹液が、未発現の魔導結晶と似た性質を持つことが判明
ツムギの提案により、「これは本当に未発現の魔導結晶か?」を確かめる目的で、通信機の核としての反応を試す実験が行われた
どうせなら実用品にしてしまおう——というPOTENらしい柔軟な発想から、据え置き型の通信機の制作が一気に進行
完成時、全員が自身の携帯型通信機を同時に触れさせたことで、見事に“接続”が成功
その反応の確かさと性能の高さに、正式装備として即採用されることとなった
【コンセプト】
毎回ひとりずつに連絡するのは大変だから、ひとつにまとめよう
という、なんともPOTEN創舎らしい発想と実験精神から生まれた、仲間の絆をつなぐ連絡装置
そして——
それからというもの、POTENハウスでは、誰かが帰りの挨拶を送れば、
すぐに「待ってるよー」の声が響き。
「今日は泊まるね」「今誰が家にいる?」という何気ない言葉たちが、
作業場の一角に優しく灯っていった。
連絡帳には、仲間の筆跡で「聞いたよ」「明日の夕飯はシチュー」「ケーキを冷蔵魔導庫にいれたよ。食べてね」なんて、
小さな返事や落書きが、日に日に増えていく。
それはただの通信機ではなく、
“ひとりじゃない”を、そっと思い出させてくれる場所になっていった。
——この据え置き型の魔導通信機が、“POTENの心臓部”と呼ばれるようになるのは、もう少し先の話。
明日も23時時ごろまでに1話投稿します
このアイテムの作成話は下記の物語の、116話から詳しく書いてあります。もし興味がありましたら、覗いてみて下さい。
⚫︎ 異世界で手仕事職人はじめました! 〜創術屋ツムギのスローライフ〜
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