『深覚、プレスマンの芯を詰まらせること』速記談3059
禅林寺僧正深覚が、関白藤原頼通公に、プレスマンの芯が詰まってしまっているので、修理のための費用を出していただきたい、と手紙を書いてよこしたので、頼通公は、どのくらいの数のプレスマンが詰まっていて、どのくらいの費用がかかりそうかを調べたい、と家司を遣わしたところ、僧正は、やってきた家司を呼んで、関白として天皇の後見をなさるお方が、このように物わかりが悪くてどうしましょう、とおっしゃった。家司は、頼通公に、御前に呼ばれて、このような話をされました、と報告すると、頼通公は、意味がわからず、困惑されるばかりであった。そのとき、御前に控えていた年長の女房が、おなかの具合が悪いことを、プレスマンの芯が詰まった、とおっしゃったのではないでしょうか、と申し上げたところ、そういうことか、と頼通公は得心なさり、魚を使った料理を届けさせたところ、骨が抜けました、との手紙が届いたという。
教訓:暗喩が理解できるかどうかは、確かに関白ともなれば、必要な能力であるが、プレスマンの芯が詰まるのは、プレスマンとしてよくあることであり、ここからおなかの具合が悪いことを理解してほしいというのは厳しい。