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マーメイドっ!  作者: 百華(仮)戻すかも
一章 出会いと始まり
3/4

03

一つ一つの段落が長くなってしまいすみません…。


その言葉に、教室中の視線が、一瞬で、先生に集まった。

隠れアイドルオタクの私も、ハッと気付く。


春風 霞


それは、3年ほど前、たった一週間の間だけ活躍した、幻のアイドルである。

その短い期間の間で、続々と数え切れないほどのヒット曲を生み出した天才。

そして、一週間でその美貌によって多くの人を魅了した。

いなくなった後は霞ロスという社会現象も起きたものだ。

とても有名になって、今でも彼女の歌を口ずさんでいる人は沢山いる。

まあ、控えめに言って日本中、誰に聞いても「分かる」と答えるだろう。


しかし、彼女はデビューからきっちり一週間後、最後のライブと称したライブ中にステージ上からそれこそまるで霞の様に消えた。

それからは彼女が今、どこで、何をしているのか、生きているのか、そもそもそんな人は存在していたのかすら、最近はあやふやになってきていたのだ。

彼女の存在を物語るものは、唯一撮ることを許された、一つの写真と彼女が残した歌だけだったというのに…。


その人が今目の前にいる!

みんな驚きで声すらも出ないというようだった。


それより、私はそんな偉大な人に授業をしてもらえるの⁉︎とか

(何度も言いましょう。アイドルオタクなんです私。)

もしかしたら歌ってもらえたりもするかも⁉︎

そんな淡い期待を膨らませていた時、先生は苦笑いしながら、


「まぁ、その通りなんだけど、あんまり公にしないで貰えると助かるな。このクラスの共通の秘密ってことで!」


と最後は茶目っ気たっぷりに口に人差し指を当てて、ウインクしてにこっ!

どぅきゅんっ!と多くの男子の心が射止められる音が聞こえる様だった。

やれやれ。


ふと、隣を見ると、いつの間にか男子が座っていた。もちろんホワホワさんの反対隣だ。

彼は鋭い目つきで先生を睨み続けている。

…わ。感じ悪っ。


先生は、パシッと、小気味良い音を鳴らして手を合わせる。


「さて、私は少し物を取りに行かないといけないので、その間、ささっと周り同士で自己紹介をしておいてね!

あっ、もちろんちゃんとしたやつは後でやるから!」


「はい!」「はーい」


元気な歯切れの良い返事は主に男子、間延びした柔らかな返事は主に女子。

教師が美人で有名人だと女子と男子の返事にもこうも違いが出るのか。ふふっ。


「楽しい中学校生活になりそう!」


小さな声で呟くと、前のクールそうな人が少し頭を動かした。

あれっ?ヤバイ聞こえてたかな?

恥ずかしさに頰を染め1人でわたわたしていると、気のせいだと思ったのか頭をそっと前と同じ位置に戻した。

はぁっ焦ったー。


先生が教室から出ていくと先生がいた間頬杖をついてずーっと先生のことを睨んでいた私の隣の席の男子は


「たかがアイドルくらいで浮き足立っちゃって、アホ猿かっての。

アイドルになる、とかよく言うやついっけど、アイドルなんて夢見ずにアイドルマネージャーとかの方がまだマシだろうが。」


と呟いた。

だっ、だからってずっと睨むことないんじゃ…。

本当はソイツにはっきり声に出して言いたかったけれど、それは心のうちにしまうことにした。

なんか面倒ごとに巻き込まれそうな気がしたからだ。狼みたい。


そもそもこの芸能科に入ってそれ言いますか…。

まぁ、芸能科からマネージメント科に行くのかも知んないけどさ…。


するといきなり隣から声が響いた。その狼男子の反対である。


「どうしたの?眉間にシワが寄ってるよ?」


「!」


いきなり、声がしたもんで、バクバクいう心臓を押さえながら、慌てて左横を見ると、

「ホワホワさん」がニコニコとしながらこちらを向いていた。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

早目の重要人物続々登場に私も驚いています…。

エピソード4…かなり遅くなるかもしれないです…。

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