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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

グレーテルとグレーテル


 グレーテルはグレーテルにキスをした。


「グレーテル、私とドッキングしてください」

「は?」


〜〜〜〜〜〜〜〜


 百合短編『グレーテルとグレーテル』


〜〜〜〜〜〜〜〜



 グレーテルは魔女の断末魔の叫びを食らった

 竈門で焼かれた魔女は、死に際の魔法で

 グレーテルを分裂させたのだ。


「魔女様の命令です。私とバトルしてください」

「やだ」

「ええ……」

「やだ。私、食べ物、探す。おk?」

「何を言ってるんですか。私は魔女様からの命令を実行するプログラムを搭載されているんです。おとなしく……」

「じゃあの」

「待ってください!」


 グレーテルはグレーテルの後を追いかけた

 後にピッタリくっついて追走した。

 やがて白鳥の湖で狩が始まった


「そい」


   クエー


 白鳥はしんだ。

 グレーテルに絞められて白鳥は

 チキンになった。新鮮なチキンに。


「食うか?」

「はい。いただきます」

「モグモグ」

「モグモグ」


 静寂だった。水面が揺れる僅かな音

 カエルが草むらから1匹飛び出す音

 そして白鳥が飛び立つ音


「おい、もう一人の私」

「なんですか? モグモグ」

「お前は魔女の命令で動いてるんだな」

「はい。そうです。あなたを倒すという命令を遂行中です」

「じゃあその命令をキャンセルすることはできるだろう」

「む? はいそうです。理論上はキャンセル可能です」

「じゃあ一回キャンセルしてみてくれ」

「ええー。うーん。キャンセルはエネルギー消耗多いですが」

「私と戦うほうが消耗でかいぞ」

「それもそうですね。ではキャンセルを実行します。よろしいですか?」

「はい。」

「キャンセル実行中。ぐるぐる。ぐるぐる」


 グレーテルは立ち上がり

 その場を回転し始めた。

 両足を小刻みにステップさせて

 器用にその場で回転している

 回転数は3回/秒だ。


「キャンセル中。ぐるぐる。ぐるぐる」

「……」

「ぐるぐる。ぐるぐる。ぐるぐる」

「……」

「ぐるぐる。。。ポン! はい。命令キャンセル完了しました」

「よくやった。褒めてやろう」

「ありがとうございます」


 グレーテルとグレーテルは握手を交わした

 まだ普通に友達どうしがする普通の握手だった。


「じゃあ私の命令を聞いてくれる?」

「はい。可能ならば何でも。エネルギー消費が許す限り」

「え、今何でもって?」

「はい。今何でもって言いました」

「じゃあ」

「……」

「えーと」

「……」

「私の抱き枕になってくれ」

「分かりました。あなたの抱き枕になります」

「素直か!」

「はい。私は素直です。」

「あーもう。分かったよ。ほらこっちこい」

「はい。そちらへ行きます」

「抱いてやる。ぎゅー」

「抱かれましたー」

「……なんだこいつまじで」

「私はグレーテルです」

「もおおおおお」


 グレーテルはグレーテルをハグした。

 首筋の匂いをかいで、そして舐めて

 マーキングしながら、肌の感触を堪能した


「……お前、しっくり来るな」

「そうですか?」

「まるで運命の抱き枕だ」

「私も貴方もグレーテルですから」

「はあ。ずっと抱いていたい」

「どうぞ。心ゆくまで堪能していってください」


 永遠とも呼べる一瞬が過ぎ去った

 グレーテルはグレーテルを抱き続けていた

 やがてグレーテルは満足し

 グレーテルを離した


「ふう。ありがとう。満足したよ」

「どういたしまして」

「それじゃあ行くか」

「待ってください」

「ん?」


 グレーテルの様子がおかしい

 先程までロボットのようにプログラムに忠実だったグレーテルは

 細いふとももをモジモジこすりあわせている


「単刀直入に言います。ムラムラします」

「ファッ!?」

「プログラムが焼き切れて、性欲が生まれました。ムラムラします」

「ちょっ、どゆこと?」

「押し倒します」

「うわっ!」


 グレーテルはグレーテルを押し倒した

 河原の草のファサファサした所へ

 細い手足の少女が2人、合わさった


「グレーテル、私とドッキングしてください」

「は?」

「私たちはカップルになれます」

「ま、待て、おま、なんてこと、言って、」

「唇と唇をドッキングします」

「んちゅっ!?」


 時が止まった。

 グレーテルとグレーテルの口は繋がった。

 2人の表情が幸せ一色に染まっていく。

 そして時が動き出す。


「グレーテル、愛しています」

「それは、性欲では?」

「はい。性欲です」

「ふざけんな」

「私に心なんて無いですよ」

「くっ、それもそうか」

「永遠に抱いて離しません。覚悟の準備をしてください」

「ええー」


 こうして、グレーテルとグレーテルは

 カップルになった。

 浮気をするグレーテルを

 もう一人のグレーテルが押し倒して

 強引に百合百合する関係が

 割と永遠に続いたとか続かなかったとか


 めでたし めでたそ

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― 新着の感想 ―
[良い点] グレ「私と」 グレ「私が」 グレx2「「対★消★滅!」」どごーん [気になる点] ポテ『僕と』 ポテ『僕らは』 ポテ『合体しても僕』 [一言] アルティシア「私と……」 小枝「……はい…
[一言] あれですね。あれを思い出しました。 御坂美琴。 いわゆるコピー? せっかくだから、もっと命狙えばよかったのに。。。 短編が頭にあるから、端折ったのかな?
[良い点] もしも目の前に自分がいて求愛されたら……考えさせられます。 [気になる点] こ、これを百合と言っていいのか……。別のジャンルな気がします。
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