人生で一番最高だったドライブ!
なろうでご活躍の「しいな ここみ」さんって、トラックの運転手さんらしいですね……。
しいなさんのエッセイを読んでいて「えええっっっ!?」ってなりました! 尊敬します! わたしはトラック運転手になるのが夢だったのですけれど叶わなかったので、尊敬するしうらやましいです! そうは言ってもお仕事で大変なことがたくさんあると思います! お疲れ様です!
そもそもわたし、壊滅的に運転がヘタでして……。トラックどころか軽自動車でも車幅がわからず、あちこちで地味ぃ~にコツコツぶつけていました(← ビビりなので事故は起こさない)。車庫入れとか縦列駐車とか、ムリです(涙)。奥行とか距離がわからない(涙)。
そんなヘタレなので5年に一度、めちゃめちゃ緊張するイベントがあります! 免許証の更新です! 世界平和のために事故を起こさぬよう車の運転はしないことにした(← ビンボーなので車を手放したともいう)ので、免許証はゴールドカードでございます! ですから5年に一度の更新です!
最初の関門は「深視力の計測をしてもらう」です。大型車の免許更新には、普通の視力検査と別に「深視力」の検査をパスしないといけません。この検査は3本の棒のうち1本を前後に動かして、他の2本との距離が2cm以内なら合格です。遠近感を測る検査です。
今まで何度も免許更新をしていますけれど、この深視力の検査を受けさせてもらえない! 「アンタには必要ないから!」そう言われるのです! どうも大型車の免許を持っているようには見えないらしく、「深視力の検査を……」と言っても門前払いを喰らうのです! 受けさせろよおおおおおお!!
大体の流れはこうです。
ソウ:お世話になります。普通自動車と大型車です。
警察:はいはい(←ぜんぜん聞いてない)。
ソウ:お願いします。(普通の視力検査を受ける)
警察:はい。視力検査は問題ないです。あっちで講習受けて。
ソウ:あの……。深視力は……?
警察:は? (わたしをジロジロ見る)そんなのいらんから。
ソウ:いや、でも……深視力を測らないと……。
警察:アンタには必要ないの!
ソウ:でも大型車……。
警察:だぁ~! もういいから! あっちへ行って!
ソウ:だって大型車の免許です、それ……。
警察:はあぁ!?(←キレながら免許証を見る)っっっ!! 深視力いるじゃん!!
だ~か~ら~!! 最初からそう言ってんじゃん! わたしじゃなくて免許証を見ろよおおおおおお!! このやり取りを毎回やる! いつもすんなり受けさせてもらえない! そしてなぜか逆ギレされる! やっと受けさせてもらえる頃には、頭に血がのぼってカッカしてます! すると距離感がわからなくなるのですよおおおおお!!
でもわたしは秘密の技を編み出しました! よい子がマネをするといけないので詳細は伏せますけれど、音で正解を出せるようになった! わたし、耳はめちゃめちゃイイです! 以前に聴覚検査で「人には聴こえない音が聴こえていますよ……」そう言われたくらい聴覚は素晴らしい! でも聴覚を頼りに視力検査をパスするのは本末転倒です。そこ、間違えてるから……。
免許は持っていますけれど、教習車以外のトラックを運転したことはありませんでした。一度くらい、自由に公道を走ってみたい……。それが長年の夢でした。
チャンスは不意に訪れました! 夫の会社のトラックを移動させることになったのです! 社長夫人特権を行使して「わたしがやります!」そう言って名乗りをあげた!
自家用車で夫と一緒にトラックの駐車場まで行って、そこから別々の車で会社まで移動する。トラックを運転するのは10年ぶりくらいだったので不安です。夫に「ちょっと練習に付き合って」そうお願いして助手席に乗ってもらった。
荷台はカラなのでクラッチを踏みながらミッションを二速に入れます。そしてサイドブレーキを解除すると……、
きゃあああああああ!! ゆっくり車がバックしているうううううううう!! 止めて! 誰か止めてえええええええええ!!(← お前が止めろよ!!)
パニックになった頭でかろうじて判断したのは、足は動かしちゃなんねぇ! パニックでブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだら大惨事になる! 足は動かすな!! でもトラックは下がり続ける! きゃあああああああああ!!
パニックになったわたしを助手席で冷静に見ていた夫が、冷静にサイドブレーキを引きました。トラックは何事もなかったかのように静かにとまった。あ、ありがとう……(涙)。怖かった(涙)。
不安でいっぱいな顔をした夫が、わたしを見送ってくれます。もう大丈夫です! あとは上手に運転できます!!
ミッションは2つ! ガソリンスタンドで給油する & 20㎞離れた会社まで無事にトラックを届ける。オレ、頑張る!! 久しぶりの運転で最初はパニックでしたけれど、偉いもんでちゃんとカラダがおぼえてる! ミッションやクラッチ操作に問題はありません! ご機嫌さんでガソリンスタンドへトラックを乗り入れた。「いらっしゃいませぇ~!」若い男性の店員さんが駆け寄ってくると……、
店員:…………。
ソウ:給油をお願いします♪ 満タンで♪
店員:…………。
ソウ:どうされました?
店員:…………いや、ちょっと……。トラックが似合わないなぁと……(←初対面です)。
よほど似合わないのでしょうね……(涙)。いいよ、面接でさんざん言われたから慣れたよ(涙)。
給油をしてから会社までは、人生で一番最高のドライブでした! 夢だったトラックを運転している! ドキドキワクワクの経験でした! すごく楽しくて、すごく嬉しかった!
今でもトラックを運転したいです。チャンスがあれば、ぜひお願いしたい! でも……、どうやらわたしとトラックの相性は合わないみたいなので、世界の平和のために運転しないほうがいいかもしれない。きっとわたしを落としたトラック会社の偉いさんたちは、先見の明があったのでしょう(苦笑)。ある意味、正解!!
今日も世界の平和を守るために、わたしはチャリンコで世界を闊歩します! それではバイトの面接へ行ってきます! 幸運を祈っていてください☆