表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅行記のクロニクル  作者: 冬月かおり
Arc 01:異世界経過時期と名はない島
8/22

狩りとグリモワールちゃんLEVEL UP!



グリムちゃんから遠く離れた場所で物資採集を続けながら、食料やその他の必需品のための資材をさらに確保することができました。ありがたいことに、テレポート後のアイテムの保管場所を指定できることも分かりました。今のところは、最下層デッキ、分遣隊室の向かい側の部屋を食料の保管場所として指定しています。しかし、一度船にテレポートしてしまったら、持ち出すことはできず、一方通行になっていました。


分遣隊室に食料を割り当てて、通常のインベントリのように取り出すことはいつでも可能です。ただし、現在は分遣隊室に様々な木製試作シリーズの武器用の15スロットを割り当てています。もしスロット数を増やすことができれば、食料用のスロットも割り当てて、一度に取り出せるようにしたいと思っています。


これは、ビーチで戦闘訓練をしていた時に発見したもう一つのことです。分遣室に置かれたものは、瞬時に私のいる場所にテレポートできます。集中してそこに割り当てられたオブジェクトを思い浮かべるだけで、それが私の空いている手に直接送られます。しかし、この場所は様々な武器を保管するために使われています。様々な種類のモンスターにどんな武器でも使えるようにしたいからです。


*****


ついに1週間が経ちました。これはグリムちゃんから離れていた最初の、そして最長のはずでした。


ビーチで訓練していた頃は、快適で無防備なので攻撃されないと確信していたので、いつも小屋の中で寝ていました。森に入った時は、グリムちゃんのメインデッキの中ではありましたが、外で寝ていました。


でも今回は、木の上で寝たり、墓を掘ったり、時には塚を作ったりしました。キャンプをしたり、モンスターを追い払うために火を焚いたりしました。


自炊している料理に関しては、キノコ系はまだ食べたことがありません。食べられるものと食べられないものの区別がつかないからです。昆虫系モンスターは毒持ちが多いので、果物か野菜スープだけにすることにしました…


ご飯が食べたくてたまらなかった… 南東の小さな国ではご飯が主食ですからね… でも今は、あまり好き嫌いをせずに、体に必要な栄養素をしっかり摂ることに集中するべきです。


でも、一週間もタンパク質抜きで過ごすのは体に負担がかかり始めたので、ついにグリモアアトリエに戻ることにしました。在庫の肉なら食べられるはずです。


まだ改装はしていませんが、一番下のデッキにある倉庫は、自分の物とみなしたアイテムを保管する場所として指定していました。


ありがたいことに、ここに保管されているアイテムはほぼそのままの状態で保管されているので、少なくとも私が見た限りでは、鮮度は落ちていないようです。海岸で訓練していた6ヶ月間、私が仕留め、皮を剥ぎ、血抜きしたグレイウルフたちがそこに保管されていたんです。6ヶ月後に検査してみましたが、腐ってはおらず、悪臭もしませんでした。


「RETURN TO SHIP」を使って、グリモアちゃんのメインデッキに上がっていました。


「ただいま、グリモアちゃん」と挨拶しました。


「おかえりなさい、艦長」グリモアちゃんの声が、艦長室のドアに掛けられたベルを鳴らしました。


グリモアちゃんのテレパシーの返信が、ようやくまともな文章になり始めていることに気づきました。本当に嬉しかったです。使わずに話せなくなるのは嫌だったからです。


「さて、肉を焼く時間ですね」グリモアちゃんに挨拶を済ませ、貯蔵室から配給された肉をいくつか持って、グレイウルフのシチューを作るために外へ出ました。調理が簡単なだけでなく、肉と野菜の両方を使用しているので栄養バランスも取れた良いレシピでした。

肉が柔らかくなるのを待っている間、グリムちゃんのARスクリーンをいじって自分の進捗状況をもっと知りたいと思ったら、調べてみる価値のあるものを見つけました。なぜかグリムちゃんのレベルが2に上がっていました。ビーチにいた時は明らかにレベル1だったのに、今はさらに1レベル上がっていました。


それから船のメモリーログを確認すると、彼女から心温まるメッセージが届きました。


.LOG {

グリムアトリエ レベルアップ 1 → 2

やった!船長、私もあなたと同じくらい強くなりました。:)

}


絵文字が少し場違いだったので、明らかにサプライズのつもりだったのでしょうが、それでも心温まりました。レベルアップの条件は分かりませんが、とりあえずグリムちゃんのステータスを確認して、どんな特典を獲得したか確認しておきましょう。


.次元船 『』{

これは異次元船であり、異次元世界へ移動することができます。

ただし、その機能のほとんどは封印されています。

船の隠された機能を解放するには、魔核が必要です。


レベル:02

耐久力:1008,640

換算ダメージ:85.10%

[情報:船長が受けるダメージは船にもダメージを与え、船長が受けるダメージも同様です。]


.魔核:287 {

これは、割り当て可能なすべての魔核のカウンターです。モンスターを倒すと、そのすべての魔核が自動的に転送され、属性に関係なくここに保管されます。

属性ごとの魔核を確認するには、「>>」ボタンを押してください。


・火属性:43

・水属性:34

・土属性:38

・風属性:34

・闇属性:24

・光属性:34

・聖属性:18

・不聖属性:16

・虚無属性:46

}

.Title {

・【次元船】?

情報:異次元へ移動できる船

}

}


このレベルアップの最大のメリットは、グリムちゃんの能力やスキルのレベルアップ、そして部屋の創造や改造に必要な魔核の量が5%に減ることです。また、私の【等価ダメージ】も95.20%からなんと85.10%に減少しました。これで、外出中にグリムちゃんにダメージを与えたり、戦闘中にモンスターにダメージを受けたりすることを心配する必要がなくなりました。


必要な魔核はまだ手が届きませんでしたが、グリモアちゃんのレベルを上げていけば、その過程で魔核はすぐに足りるようになるはずです。もちろん、レベルが上がる理由がわかればの話ですが。でも今のところは、探索しながら戦う必要があると考えて間違いないでしょう。


これもまた私の個人的な考えですが(今のところ間違った考えはしていないので、この考えに固執することにしました)、私が強くなればグリムちゃんも強くなるだろうと思っています。根気強く訓練を続ければ、彼女の能力のいくつかをレベルアップできるはずです。


個人的には、グリムちゃんの「モンスター撃退」スキルを上げたいと思っています。少なくともC以下の脅威のモンスターを撃退できれば、狩りに出かける際にグリムちゃんの安全が確保できるでしょう。


「隠蔽」スキルも防御力を高めるのに良い選択肢なので、できるようになったら試してみようと心に留めておきました。


まあ、これはもっと強くなってからの話だ。


…ということで、今は狩りに戻ろう。


*****


このファンタジー世界に来てから9ヶ月と2週間、大変な日々が続いています。グリモアちゃんとまた別の入り江を目指して航海に出ています。


前日《帰還》スキルを使う前に、グリムちゃんが停泊しているのと同じくらいの大きさの入り江の川を見つけました。


最初はためらいました。訓練中だし、外海を航行し続けると発見される危険があるし、かといってグリムちゃんを停泊させている場所から何度も往復するのも時間と労力の無駄ですからね。そこで色々考えた結果、入り江に着くたびにセーブポイントのようなものを作ることにしました。(この構造からすると4つあるはずです)


南側全体を網羅できたかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、答えはノーです。今は海岸に近いエリアだけを巡ることにしました。


理由は2つあります。


一つは、万が一、すぐに解決しなければならないような大きなトラブルに巻き込まれたとしても、グリモアちゃんをあの場所に召喚し、さらに海岸近くの外洋に再召喚して《帰還》スキルを使えばいいのです。その時間を使って休んだり、大砲で迫りくる脅威を粉々に吹き飛ばしたりできるからです。


もう一つは、これもまた私の勝手な推測ですが、この島の中心にある山に近づくほど、モンスターが強くなる気がします。証拠となるものは何もなく、あくまで私の推測に過ぎませんが…いつものように、ここは自分の直感を信じることに決めました。


南東の入り江に到着後、船を降りて島の東側へと旅立ちました。グリムちゃんと別れを告げて、今度は東の森の端を攻略します。


*****


昆虫型のモンスターが跋扈する南側とは異なり、東側には獣のようなモンスターが多く、私がこの島に初めて来た時のグレイウルフによく似ていました。


このタイプのモンスターとは、戦闘である程度対処できるようになる前から戦っていたので、その点も良かったです。これらのモンスターと戦う上でもう一つ幸運だったのは、スタンや麻痺、毒といった攻撃をしてくるモンスターがいないため、それほど心配する必要がなかったことです。


しかし、ここのモンスターは敏捷性に富んでおり、地形を巧みに利用して私を出し抜き、木を足場にして無防備な後方を攻撃してきます。グレイウルフはこうした戦術を使い、さらに数も有利に利用します。


しかし、グレイウルフの群れの数は、アンタレスのように群れほど多くはありませんでした。グレイウルフとの戦闘は、パーティーのような集団ではなく、軍隊のようなモンスターとの戦闘経験があったため、訓練してきた通り消耗戦となりました。ただ、今回は彼らの縄張りに入っていたのです。


私はソロで彼らと戦っているので、彼らの戦術に翻弄されやすいですが、最も動き回っているのはグレイウルフです。


ビーチでやったように、集中して戦闘の流れを観察することで、このタイプのモンスターと戦うことができました。最小限の動きで、彼らが近づきすぎて命中させられないのを待つことで、彼らのより機敏な戦闘スタイルに対抗する戦略を立てることができました。


ここ東側のモンスターは、南側の昆虫型モンスターのように群れで攻撃するのではなく、群れで攻撃します。実際、彼らは南側の君主制とは全く異なる独自の社会システムを持っています。南側には巨人のような存在がいて、より広い領土を絶対的に支配しているように見えますが。ここの群れは、ギャングのボスのように縄張りが狭い。


時々、縄張りの異なるモンスターたちとフリーフォーオールのバトルロイヤルを楽しめる。ハンターキャット、フォレストウルフ、タイガーファング、そしてもちろんグレイウルフたちが、誰が最初に私を食べられるか競い合いながら、互いに戦ってくれる。


おかげで、追い詰められそうになったら他のモンスターに戦ってもらえるので、負ける心配はあまりしなくて済む。


最終的には、10体以上のアジリティモンスターと戦えるようになった。まあ、まだ戦闘中のモンスターもいるので、完全に1対10の戦いというわけではないが。


それから2週間が経ち、また強くなったような気がする。なんだか自分の中に何かが成長していくような感覚があるが、確かなことは分からないし、差し迫った危害もないので、その感覚は脇に置いて、これまでやってきたことを続けることにした。


このままだと、グリムちゃんがレベル3まで上がり、スキルやアビリティが進化できる状態になるのもそう遠くないような気がした。少なくとも、そう感じていた。


そう思って北へ進みながら、獣のようなモンスターたちと戦い続けた。


全ては計画通りのはずだった。海岸近くの森で狩りをし、敵の過剰な動きを巧みに利用し、剣戟を封じた木製トライアルシリーズで敵を斬り倒す…問題はないはずだった…が、その時は…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ