巫女姫の信念・戦闘のあとパーティーと新なシュバリエ
「今、何を言った!」と、女らしくない叫び声が漏れた。だが、妖精の森からゴブリンが南門に向かって移動しているという報告を耳にしてしまった以上、仕方がない。
ゴブリンは亜人系のモンスターの一種だ。動物寓話集や亜人類書では、アブミネーションによって穢されたヒュマの子孫とされている。ヒュマを穢すことで繁殖を続ける。人間界から見れば弱い存在とされているにもかかわらず、その数は増え続けている。
そして、もしこのゴブリンが街を襲撃し、街を汚せば、ゴブリンの大群が湧き上がるだろう。その考えは、私を絶望の淵に突き落とした。
「騎士たちは今どこにいるんだ……? 現場に到着するまであとどれくらいかかるんだ……? 住民の様子はどうなっているんだ……?」 評議会室へと向かう途中、衝撃のニュースが飛び込んできた。
「今、何を言った!」デジャブ…最初の知らせを聞いた時、まさにその言葉を口にした。そして今、再びその言葉を口にした。次に届いた知らせはこうだった。「ガラハッド騎士学校の生徒たちが、魔物の大群を守り、撃退した。」
「巫女姫アルミナ、落ち着け。」最も身近で信頼できる側近パトリーナが、軽い口調で私を叱責した。
真の勇者ガルフォード・グランフォールと勇者リ・ジエ、そして16人の生徒たちは、魔物の脅威を排除し、市民を何の被害もなく救ったようだ。
彼らがなぜ妖精の森の近くにいたのかは分からなかったが、市民が城門内に避難する時間を稼ぎ、騎士、正規の民兵、そしてハンターたちが討伐隊を組織する時間をくれたことには、心から感謝した。
「なるほど…」このモンスターの襲撃で犠牲者が出なかったことに心から感謝しつつも、なぜか現状に納得できなかった。「きっと暗闇に何かが動いているに違いない」
「パトリーナ、妖精の森からゴブリンが襲来したのは何年ぶりだ?」
ガルバランドではゴブリンは珍しくなかった。実際、彼らは初代魔王(この国の王)と、当時多くの市民を強姦した者たちから生まれたアブミネーションの子孫なので、この地にいるのは珍しくなかった。しかし、ゴブリンの大規模な狩猟が行われ、人里から遠く離れた場所に追いやられてしまったのだ。もう一つの事実は、ハンターギルドから妖精の森にゴブリンの集落ができたという事前の連絡がなかったことだ。これらの事実から、私は何らかの陰謀を企む者がこの件に関わっているのではないかと考えた。確証はないが、ただの予感…そう、巫女姫の予感だ。
「ふむ?300年も前のことか……」パトリーナも私と同じ理由で心配していたのだろう。両手を肩に当てて握りしめた。「魔王がまた活動を始めたのね」
そうか、魔王シーズンが始まると亜人は攻撃的になるのが常で、森から出てきたモンスターの群れはゴブリンだった。ゴブリンはジャシンの信者だという噂もあるが、真偽はともかく……勇者召喚を選んだのは正しかったようだが……それでも何かが足りないような気がする。
「巫女姫アルミナ、考えすぎるのは良くないわよ」パトリーナの言う通りだ。この疑念の影も、やがて光明が差し込むだろう。
「ありがとう、パトリーナ」
その夜、騎士団の到着まで街を守り抜いた18名の生徒の英雄的行為を称える祝宴が開かれ、それぞれに褒賞も用意されると聞いていた。
しかし、今朝から口の中でこぼしていた淑女らしからぬ絶叫をかき消すほど衝撃的な褒賞が、私の父、エドバート・アーキレス・ガルヴァランド国王から告げられた。
「皆様、魔物の大群を食い止めた若き英雄たちに、永遠の感謝を捧げます」 音楽が止まり、国王は美酒のグラスを掲げ、我々臣民に見せながら大広間に響き渡った。「……かくして、この騎士団のリーダーに褒賞を与える」
担任教官から聞いた話では、生徒たちは二人の英雄を表向きのリーダーとして二手に分かれていた。リ・ジエが民間人を守り、ガルフォード・グランフォールが攻撃を率いる。そしてもう一人のハンターもそこにいた。褒賞を与えるなら、あのハンターにも褒賞を与えるべきだ。父上に皆の功績を認めてほしかった。だが、演説の最中だったので、声に出して伝えることはできなかった。
「王の前にひざまずけ」と王は剣を前に差し出した。「汝らをガルヴァランドの騎士と称する。」
ざわめきが起こり始め、大広間にはあちこちから拍手が響き渡った。
「ここにいる生徒全員が騎士団員となる。」王の声がさらに響き渡り、傍聴席にもさらなる騒ぎが起こった。「そして、汝らを率いるのは、真の英雄ガルフォード・グランフォールである。」
「しかし、父上、彼らはまだ生徒であり、それに…」私が言葉を言い終える前に、王は空いている手で私を止めた。
「心配しないで、お姫様。今夜は単なる儀式で、彼らはガラハド騎士学校で1年目を終えてから騎士団に入団するんです。」
1年目を終えるなんて、まだ早すぎる。それに…私が考えを終える前に、私の疑念を察した父が厳しい視線を向けた。
「すべては主君の御心のままです。」
そして皆はまた陽気になった。
「姫様、何かおありですか?」パトリーナが心配そうな顔で私に近づいてきた。
「何でもありません…」私は漠然と答えることしかできなかった。
その夜、私は眠れなかった。なぜ父は英雄たちを騎士団に入団させたのだろう?彼らは世界ではなく、この王国を守ることに執着してしまうのではないだろうか?
そう、二人に王国の施設を案内してほしいと頼まれた時、私は父の意向に反して、二人の英雄をハンターギルドに入団させたかったのだ。太古の昔から、召喚された英雄はハンターギルドに所属していました。
召喚された初代勇者、我らの祖先でさえ、初代魔王の脅威を一掃するためにハンターギルドに加入しました。初代魔王が倒された後、初代勇者は騎士団に加わりました。祖先がそうであったこと以外にも理由はありますが、ハンターは幅広い専門分野に特化している点が挙げられます。しかし、最大の理由は、ギルドは国家から独立しているため、二人は王国の支配から離れて活動し、一つの王国ではなく世界の英雄となるべきだったからです。
騎士の位を得た今、彼らはガルバランド王国を守る…王を守るという忠誠を誓ったように、この王国を守ることに全力を尽くすでしょう。私もガルバランドの民を守りたいですが、レスミア全体にふさわしい英雄を否定するほどのことはしたくありません。
「父上、一体何をお考えですか?」