増量学園
ボクの住んでいる圧山市は約150000人の人が住んでいる。ボクのオジイちゃんが子供の時代では60000人しかいなかったと言うからずいぶんと増えたんだと思う。
市内には山もあれば川もある。海は残念ながらないけど遊園地がある。ビルや大型デパートがたくさんあるけど田んぼや畑も同じくらいある。
つまり、都会とも言いがたいけど、田舎ともいえない、ごく普通の日本の市街地だ。
その圧山市の東側に行くとひとつの学校がある。
そこがボクの通っている増量学園だ。
この増量学園。どこにでもある普通の学校だと思ってくれていい。たぶん、君たちが知っている普通の規模の平凡な学校だ。
つまり、校舎があって、体育館があってプールがある。どこにでもあるような学校ってことだ。
“キーン、コーン、カーン、コーン”
チャイムがなり、やがて、クラス全員が自分達の席に着きはじめた。
普通、この時間帯はホームルームがあるんだけど、今は先生がいないからホームルームは何もしなかった。だから、いま教室内はシーーンと静まりかえっている。
これだけ静かだと、何も知らない人は「なんて退屈な時間なんだ」と思うかもしれない。
ところが、そうじゃなかったんだ。
ぜんぜん、退屈じゃなかったんだ。
そうおもっているのはボクだけじゃない。
ここにいる生徒のほぼ全員がある事を考えてオドル気持ちを押さえつつ胸をワクワクさせていたに違いなかったからだ。
なにを考えていたかってーーーー?
それはね……
"今日はどうやって先生をイジメてやろうかな"