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プロローグ
2036年、4月。
オースランド連合国はユーリア共和国からの宣戦布告により戦争状態へと突入した。
ユーリア共和国は国土こそ小さいが、化学力と工業によって近年最も発展した国である。10年前、まだ発展途上国だったものの、連合国へ宣戦布告。
しかし差は歴然で半年で終戦。完敗を喫したのだった。
共和国はその悔しさをバネに、ここ数年で先進国に引けを取らない程、飛躍的に経済成長を遂げたのだ。
その背景にあるのは独自の技術を用いて開発した兵器によるものであった。
連合国は何十年も先進国としてトップに立っており、各国との貿易も盛んで揃わぬ物は無いと言われる位である。
その連合国に共和国はまるで挑戦状を叩きつけるように再び宣戦布告をしたのだった。
これは連合国軍パイロットとして、敵は愚か味方からも恐れられている1人の女性パイロットの話。