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89話 ースフィア編終了ー ドトールの赤い髪


 4メートルある雷神が目立つために、夜に移動しながらドトールまで来た。

 目的は、クロス男爵に大量の(きん)を渡すため。

 上位の爵の者達と親しくなるには、とにかく金がいるらしい…

 前回は1年前に、大量の金を渡している。


 雷神を近くの山中に待機させ、クロスの屋敷に来た。

 隣の酒蔵に金の入った馬車を入れて、扉を閉め、

 ラドンと屋敷に入ると、

 小太りのだらしない恰好のモロスが来た…

 

「スフィアさん! 相談が! あ? 髪切ったんですね?」


「相談? なんだ?」


「今日…ブロディちゃんが…ブロディちゃんが…」


「ブロディ? 女か?」


「うん…すごい美人でスタイルの最高な20歳の金髪の女の子」


「で?」


「僕ちんを騙したんだ!! 結婚してくれるって約束してくれたから! うちの全財産を持って行ったら…怖いスキンヘッドが出てきて…グス… 今、たぶん「ソールドアウト」にいるはずだ! 二人で今晩、行くって言ってた!」


 ワタシは後ろのラドンに振り向いて、

「ラドン…後を聞いてやってくれ」


「は…」

 直後、ため息を吐いていた…



 奥に入る…


 座ってブドウ酒を飲んでいるクロスがいる。

 ワタシとクロスの二人の間に、シトリーという子がいる事は話してない…

 

 知り合って23年か…ワタシも40歳…

 もうクロスも50半ば…髪の毛は横以外は無い…

 去年より薄くなった髪を見て…

「クロス…」

 クロスは立ち上がり、顔を近づけ…

「スフィア…」

 口づけをしてきた…

 ブドウの…香り…


 しばらくして口を離し、ワタシは座り、

「ラドンが来ているんだぞ…場をわきまっ…」

 次に後ろから抱きついてきて、

「大丈夫だよ…モロスと玄関にいる」

 手を離させる。後ろから、

「つれないなあ…俺のバディは…」

「クロス、座れ」



 クロスは前に座る…

 グラスに『✖』ラベルのワインを注いでくれた。

 すぐに神妙な顔を向けてきて、

「金が…息子が質の悪い女に騙されて…もう無いんだ」


「安心しろ…十分持ってきた酒蔵に馬車ごと置いてある」


「ありがとう…スフィア」


 酒を飲む。飲み干し、グラスを出すと、

 クロスはおかわりを注いだ後に、


「スフィア…お前…狙われているぞ…」


「まあ…この数年、金を得るために雷神とラドンで無茶苦茶したからな…ところで、だれに?」


「聖騎士の…誰だと思う?」


 ワタシは腕を組んで「フッ」と笑った後に、

「アヤか?」


「ああ…お前を殺し「登龍門」の時の、汚名返上したいんだろうな…アヤが中心でスフィア討伐チームを組んでいる」


「アヤ一人なら、返り討ちにしてやるけど…どうせあの『Ⅹ』も一緒だろうね…」


「その通り最強聖騎士『Ⅹ』もいる…聖騎士スフィア討伐チーム…全部で4名…実力派の集まりだ」


「他の聖騎士のメンツは?」


「黒バラこと若き聖騎士フィーン」


「最近、噂の男だな?」


「進化合気というモノを極めたと聞く…」


「ほう…合気を極めた…?」


「黒バラは強い…侮るな…」


「フッ…おもしろい…もう一人は、もしかして孔雀兜のロレディ―ナ?」


「なんでわかった?」


「来るとき、帝都闘技場に寄ったら見た、なぜか噛ませ犬してた…修行の一環なんだろうね」


「帝都闘技場にいるのか?」


「名前と素性は隠していたが…アレは強い…ワタシより強くなる可能性がある」


「スフィアより? それは凄いな…まあ…最強聖騎士Ⅹを超えうる怪物と聞くからな…」


 ワタシは酒をグッと飲み…


「しかし…」


「しかし?」


 ワタシはボソッと…

「感じなかった…」


「なに?」


「なんでもない…」



 その後、

 色々と大事な話をして…


 立ち上がる…


「それじゃまた。 討伐チームがいるなら、長居はしたくないし、今夜のうちに雷神と合流してドトールから離れたい」


 クロスも立ち上がり、

「スフィア…」

 また口づけしてきた…

 前より長く…

 

 玄関に行く…


 ラドンとモロスがいない?

 ワタシは癖の「へ」の字口の後、

「どうやら…ラドンとモロスはソールドアウトって所に行ったみたいだな?」


「酒場ソールドアウトは、ここから南に200メートルだ」


「クロス、ではまたな…」


「またな…その短い髪も似合ってるよ」


「ありがとう」


 右足を引きずり移動する…


 ラドンとモロスいた。


 後ろに3人連れて、こっちに来てる。


 モロスとラドンがワタシの存在に気づいた。

 戦闘スイッチが入っていたラドンを制御して…

 モロスを屋敷に帰らせ、


 ラドンが連れて来ていた…


 赤い髪の女を見た…


 その両手には…

 忘れられないモノを装着されている…

 

 バルバトスの『ガントレット』…


 赤い髪の女に問う…


「ドトールの剣闘士?」


 赤い髪の女は構え、

「違う…」


 まだ未熟な…


 その構え…

 その身体… 

 その若さ… 

 しかし…

 その瞳から凄まじく伝わってくる…内なる葛藤… いや…闘争心…


 フフ…


 今の平和な世で… 何に闘争心を抱いた?



 今まで生きてきて一度も…

 

 戦いたいと思える人間に会ったことは無かった。



 半年前から、ワタシの体には病の傾向がある…



 ワタシの命の終着… 叶えられるのなら…


 この女がいい…


 


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