84話 ースフィア編ー 登龍門 6
聖騎士Ⅹは、ボロ雑巾になった聖騎士アヤを手に持ち去った…
右の拳は砕け、体中に裂傷、腹には剣が刺さったまま、白のワンピースは完全に真っ赤になったけど…まだまだ動く…
再び…登龍門広場の脇に行く…
武闘共は道を開ける。
さっきとは、また違うリアクションだ…腹に透明の剣が刺さっているからかな…
広場を一周する龍の石壁を背に座ると、すぐに鉄仮面グルギュラが来て、
「スフィア…もう止めろ…頼む」
そう言い残して、グルギュラは試合へ向かった…
その直後…
ワタシの前に… アナの女聖騎士ググが、男前の騎士数人を引き連れて来た。
ググはアナの聖剣を抜き、剣先を向けてきて、
「スフィアだな…? ハルゴ砦の奇跡の…?」
笑って応えた。
「だったら?」
ググはにやけて、
「もう虫の息ではないか~♪ お前たち! スフィアを捕らえろ!!」
しかし、周りの騎士は動かない…
それを見たググは…
「それでも、お前たちはアナの騎士団か!?」
ワタシは立ち上がり…ググを見て、口を開く…
「そこをどけ」
「なに?」
「試合だ…決勝だよ…」
「ちっ…まあよい…行け…試合で傷ついた方が、こっちとしても都合が良い」
前方を開けたググに、ワタシはすれ違いざまに足を止めて、
「決勝の後すぐ相手してやる…アヤよりも酷くな」
「うっ…」
進むと、後ろから声が聞こえた。
「ワタシは去るが! スフィア! 登龍門の外にはアナの兵が400! すぐに来るぞ! お前を再び捕えドトール闘技場に突き落とすためにな!! ははは!! ワタシ、昔、お前への断罪を見た事あるぞ! ゴミ犬スフィアをね!!」
カチン! と後ろを向くと、ググと騎士団は白馬に乗り去って行った…
あとでアナの兵が400? まあ…なんとかなるかな…?
周りの武闘から、
「スフィアって…だれ?」
「知らねえのか!? 20年くらい前に怒髪天を追い払った女だ!!」
「まさか…伝説のハルゴ砦の奇跡!?」
「ハルゴ砦の戦い、1人で敵兵1万以上殺したらしいじゃねえか!! 実話かしらねえが!」
「あの体で鉄仮面と戦えるのか!?」
立つ…
前にはワタシを見つめるグルギュラ…
木刀を持っている…
《 はじめい!! 》
こいグルギュラ!!
直後…
左目に信じられない光景が見えた…
グルギュラは木刀を捨てた…
両手をあげて…
「俺の負けだ!!」
龍の頭の老人から、
《 いいのか!? 負けで!!》
グルギュラは老人を見上げ、
「かまわん!!」
「だめだ!!!!」
グルギュラはコッチを見る…
「バカかお前! アナの兵が来るんだぞ!!」
「グルギュラ! 闘争を放棄するな!!」
「スフィア…お前…そんな体で何を言ってるんだ…これ以上、戦えば死んじゃうじゃねえか…」
「グルギュラ…嘘をつくな…ワタシに確実に負けると思っているんだろ? 逃げるな…ハルゴの時も、ラドンからも、ワタシからも」
「…」
「戦え…昨夜、言ってただろ? 強くなったって?」
「…」
「あれから…死ぬほど修行したんだろ…女も捨てて…まだ童貞だもんな」
周りの武闘から、
「童貞!?」
「マジで!? あの歳で!!」
ワタシは「マジで!? あの歳で!!」と言った武闘を睨み、
「だまってろ!」
「ひっ!」
静寂になった。
グルギュラは捨てた木刀を見つめながら、
「俺はお前を裏切り…シトリーと切り離して…お前を…そんな体にしてしまい…」
「ワタシは裏切られた時、お前をぶん殴ると決めた…こい…」
構え、
「殺す気でぶん殴る…」
覚悟を決めたグルギュラは、木刀を拾い。
「わかった…師匠…殺されないために戦うを決めた」
直後!
来た!
一刀目!
だけど! アヤに比べれば動きは遅い!
避ける! カウンターに左の拳で!!
「うおおおぉぉぉ!!」
鉄仮面をぉぉお…ぶん殴る!!!
「っっっどぅぅええ!!!」
グルギュラは舞った!
ワタシの左の拳も…砕けた…
落ちたグルギュラへ瞬で走る!!
足を振り上げて!!
腹へ落とす!!
当る!
その一瞬…
グルギュラはワタシの腹に刺さっている透明の剣を抜いた…
力が抜け…膝をつく…
血がとても出てる…
止血のために、腹の傷を強く右腕で押さえつけた…
背中の傷からも血が出てる…
グルギュラの右手が…その背中の傷を押さえた…
目の前には弟子のへこんだ鉄仮面がある…
ワタシは…祝福の笑顔で…目を見る
「強くなったな…グルギュラの勝ちだ…」
グルギュラの頭は下がった。
砕けた左手で鉄仮面の頭をポンポンと叩く、
「本当に強くなった…がんばったな…」
グルギュラは無言で、ウンウンと頷いた…
意識が・・ ぁ・ ・
《 勝者グルギュラ!! ならず者国家 初代聖騎士は鉄仮面グルギュラ!!!》
周りから「グルギュラ!! グルギュラ!!」の合唱が起きた!
その時!
ザザーっとアナの兵が現れる…
アナ兵の中から、白馬に乗ったググが現れ…
「新聖騎士グルギュラよ! スフィアを渡せ! 絶対に、この場では死なせない…フフ…アナに連行する…」
グルギュラは、近くで見てた弟子を呼んで、
「先生の所へ急げ…きっとまだ助かる…」
「はい!」
スフィアを連れて行かせた後に、タバコに火をつけた。
それを見た、ググは…
「おい…なんのマネだ? ならず者国家の聖騎士としての、その行為は貴様…アナ帝国に逆らうという事だぞ?」
ググはアナの16代聖剣「ホーリー・ググ」の剣先を誇らしげに高く掲げ!
「この聖剣の意味を知っておるのか!?世界最高位の聖騎士が持つ聖剣だぞ!」
グルギュラは、タバコを吸いながら剣を見て、
「初代は凄かったんだろうけど…もう16代目だもんな…お前が持ってても価値ねえよ。ヤリマンで有名だもんな」
「貴様…最高位聖騎士のワタシに…その言葉…取り消せ!!」
グルギュラはタバコを捨てた後に、周りに!
「登龍門の武闘共!! おっぱじめるか!!」
新聖騎士 鉄仮面グルギュラの言葉に、一部の武闘が武器を構えた。
それを見たググは…
「ちっ…グルギュラめ!! 覚えておけ!! 行くぞ!!」
兵を連れ、去った…




