81話 ースフィア編ー 登龍門 3
トーナメント参加権の金の玉を持つ、Zマスクは、竜の石像の頭を見上げた。
周りから、
「おい! 竜の頭に! 最強の聖騎士『Ⅹ』が来たぞ!!」
「あれが! エックス!? でかい!」
「東洋の神秘こと、アヤはいねえのか!?」
「エックスの隣にいる女の光輝いている胸当はアナ帝国の至宝『パラディン』? てことは世界聖騎士序列一位の『ググ』だ!」
「最強の聖騎士Ⅹと! 世界一位の聖騎士ググが来た!!」
アレが最強の聖騎士Ⅹ…
5メートルの怒髪天、4メートルの雷神ほどの巨体ではないが…でかい…身長は3メートルくらい…
背中に大剣をクロスにして背負う…
白色の髪がパーマがかっている…
顔は…なかなか端正な顔立ち…
隣は有名無実のググ。
・・・竜の頭の上・・・
老人は二つの椅子に手をかざし、
「新聖騎士後見人のググ様、エックス様…どうぞこちらに…」
ググはよっこらっしょと座って、腕と足を組み、
「おい、長老、エックスが座るには、この椅子は小さかろう?」
「もうしわけありません…まさかⅩ様が…そこまで大きいとは…」
「用意させろ…テーブルでも持ってくればいい、それと酒じゃ最高のヤツを持って来い」
「は!」
老人が下がり、
場には聖騎士二人になった、ググは腕を組むエックスを見上げ、
「エックス? アヤは?」
問いかけに横目で見下ろし、
「知らぬ」
「お前とアヤはいつも一緒にいるだろう?」
「隣国だからな」
50分後…
10分おきに銅鑼が鳴る。
ワタシはただ片隅で腕を組み様子を伺う。
金玉二つの奪い合いは流れが決まりつつあった。
Zマスクには誰も挑まなくなっていた。
もう一人の際立って強い武闘にも誰も挑まない…いや…
残った1000人近くの武闘は…同盟を結びだした。
ぞろぞろと何重にも、それぞれの金玉を持つ二人を囲む。
ワタシはただ見る。
あと5分くらい…その時、
「せーの!」の掛け声で、
金玉持ちに波状で襲い掛かる!
男の武闘の方は、数に潰され人間の山ができた!
Zマスクは必死に殲滅していたが…
誰かが! ブッチャーの持っていた袋の粉をばら撒く!
避けられないZマスクは! 粉を浴び!
「ごほごほ! くそが! うっ!」
金玉を奪ったモヒカンが居た!
「ひゃっほー!! これは俺のもんだ!!」
しかし! 誰かのこん棒でぶん殴られ!
「ぎゅえ!!」
金玉は飛ぶ! 落ちて、コロコロコロコロと…
その先に…ブッチャー…
「俺の金玉~戻って来た~~」
嬉しそうに、金玉を手に取り…
「ブヒヒ…奥の手~」
アングっと口を大きく開け…金玉を飲み込んだ…
周りから、
「くそ! あのブタめ!! 飲み込みやがった!!」
「殺しちゃいけないんだろ! もうアレは無理だ! 腹を裂いたら殺してしまう!!」
Zマスクも、
「ごほごほ…くそ…」
もう一つの金玉が下にあるであろう人の山を見て、
「ちっ…あそこに行くしかない!!」
走る。
他の武闘も人の山に走る。
後2分…
ワタシはゆっくりとブッチャーの前に行き、
見下ろす。
「お前…その足じゃトーナメント行っても負けるだけだろ?」
「お前? あほか? これだけの数の武闘の中で勝ち上がるだけでもハクが付くだろうが?」
いやらしい笑みをコッチに向け、
「それに酸欠粉の予備もいっぱいあるしな…何が起こるか分からんぞ~ブッヒッヒ」
ワタシは手をグ―パーグーパーしながら、
「それはない」
「ブヒヒ! 口から取ろうってか? 無理無理…やめとけ」
ブタは腹を触りながら、
「手はノドは通らない…ブヒヒ」
ワタシは親指をブタの目に入れた。
「ぎゃ!!!」
「吐け、もう一個行くか?」
「おえーー! 待てって! オエ――!! ポッッコ」
口から金玉が出てきた。
手に取る。
ブッチャーは這いつくばってワタシから遠のく、
「もう…やだぁぁてぇぇ…もう…やだぁぁて~」
ワタシが手に入れたのに気づいた何人もの武闘が走ってくる
「フフ、おもしろい」
1人目の武闘をすれ違いざまに蹴る、飛ぶ、
「まあまあの手練れ…20点」
2、3、4、5、6人合わせて来る武闘、蹴る、投げる、蹴る、叩く、叩く、
それぞれ戦闘不能、
「未熟…合わせて30点」
その時!
《 時間!! そこまで!! 》
まあ…こんなもんかな…
もう片方の金玉は?
すごいな…死んでないのか? あれで誰一人?
無数の血だらけの倒れた武闘の中…
片膝をつく、Zマスク…
手には金の玉…
「はあ…はあ…ぎりぎりセーフ…あの粉…最悪ね…ゴホゴホ…」
フラフラと鉄の棒を地に引きずりながら近づいてきて、
「ワタシはZ…お前の名前は? ゴホゴホ」
「ドッグ」
「匿名ね?」
「お前もだろ? 聖騎士アヤ」
「フッ…ゴホ」
すれ違いざま、聞いてみた、
「なぜ聖騎士を決める試合に出てる? 聖騎士である事を隠して?」
「さあ、なんのことやら」
咳をしながら去った。




