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67話 ースフィア編ー ハルゴ砦の奇跡

 


 失敗は死、ハルゴ砦の陥落、レナが滅ぶ。


 アナの雑兵から奪った剣を持ちながら飛ぶ!


 狙うは左の足先を! 「怒髪天」の左の石壁の隙間!




 いける!!  ぜったいにだ!!




 パン       トン




 体を反転させ、雑兵から奪った剣を!


 両手で槍を投げるように! 肩の上に持ち振り上げる!


 狙いは怒髪天の首!! 狙いを定め! 体を反り返し!



「しね!! 化け物!!」



 手ごたえがあった!


 しかし…


 怒髪天の右手が邪魔した、

 命の危機を感じ、鎖を離し、頭部を両手で押さえた。

 怒髪天の右の手首に、雑兵の剣は貫通した。


 殺せなかったけど、悪くない場所…

 剣をグっと抜くと、高さ5メートル怒髪天キングレオの動脈を貫いたのか、血が滝の様にこぼれ落ちる。


「チガ!? チ・・チガ!!」


 やば!


 直後! まだ空中のワタシに、貫いた手の裏拳が飛んでくる、速い!


 ガシャン!!


 飛び散る大粒の石、ハルゴ砦の城壁が壊れる。

 逸れて助かった、当たっていたら…




「イッテー―…アツイ・・・コブシクダケタ? チガ!チモ!トマラナイ!」



 怒髪天は離れた所にいる、ビジャ国のライオンの旗を掲げるターバンの兵達に、


「スフィアコロセ!! アトデオレガ、カミクダイテタベル!!」


 なんだ? アイツら? 上司の怒髪天が怖いのか?

 剣を抜き、凄い形相で向かってくる。


 もうコイツに同じ手(三角飛び)は通じないだろうから、

 怒髪天が部下兵頼みしている間に砦の中に入る。



 中の演習場は、まさに修羅場。 無数の矢が地に刺さる地の上の骸の中には、見覚えのある若い男女が眠っているように倒れている。


 ハルゴ砦の内部への扉の所に、盾を上に向けた敵兵の集団、それを守るようにアナの兵達がハルゴ砦の兵達と戦っている。


 そこから、ガン!グワーーーン!!ドーン!


 と、銅鑼を鳴らすような音が?

 砦内に突入するために扉を壊している!?


「予備で借りるぞ、仇を討ってやるからな」


 足元で死んでいた仲間の剣を取り、扉の前の集団に走る。


 集団を、バッサバッサと切り殺す。


 くっ、切れが悪くなる。

 聖剣『ステラジアン』では、ここまで人間って堅いと感じなかった。


 1つ目の剣を捨て、2つ目の剣で、バッサバッサ切り捨てる。


 ワタシが殺戮を始めると、逃げる敵兵が大半になる。 アナの兵らしい行動…


 たどり着く。


 耳栓をした上半身裸のデブ二人が、それ専用のハンマーで扉へ振りかぶっている。


 鉄扉はもう壊れそうだ。


 デブ一人を、後ろから刺した。


「ぶっ」


 回転して、もう一人にデブにも刺す、


「ぶっ」


 力なく前方にハンマーを落として、崩れ落ちる。


  《 スフィア!!》


 上からミスティの大きい声


 顔を出してコッチを見ていた、


「どこ行ってたの!!」


 かなり怒ってる…


 ワタシは敵兵に剣を構えながら、

「指揮官!! 南!! 敵軍の状況は!? 」


「アナの兵の流れはもう途絶えた! あとはビジャの援軍のみ!!」


 戦上手と聞く、ビジャ国の兵か…

 ザザザーーっと、ビジャのターバン兵が城門から来た。


 では演習場の隅では、ハルゴ砦の兵達と剣をかさね合うアナの兵が二人いる。


 命大事のアナ兵に中にも、まだ戦う気概のあるヤツもいるのか?


 さっそく、ビジャの兵達は弓を構え!

 ふさふさのターバンひげ面が、


「撃て!!」


 ヒュヒュヒュヒュヒュ!!


 ミスティのいる屋上へ矢が放たれる。


 ミスティ…ぜったいに死ぬなよ…


 ビジャの5人の長槍兵がワタシに向かってくる。 だけど、槍は軌道が明白…ワタシは冷静にフゥっと避け、スパスパと首を斬る。 こいつら…アナの兵と違う、命がけだ…必死だ…引いたら怒髪天に殺されるんだろうね? 確実に…


 屋上からの援護もあり、戦況は決しだした。

 ビジャの兵の厚みが薄くなる。 だけど奴らは逃げない。


 敵から「来た!」


 来るか、アレが…




「スフィア・・・1000マンキン・・コロス・・・」




 止血のために、右手全体に、

 頭部を隠していた大きな黒い布をぐるぐる巻きにした怒髪天。


 怒髪天の頭…怒ったり本気出すと髪の毛が逆立つ?

 ハゲてるじゃないか? あ? 後ろと横…確かに…

 顏は、体が小さかった子供の頃の火事? それとも、親から虐待でも受けたのか?酷い火傷の後が顔全体にある。


 安心したのは、右手が使えないから巨大鎖を持っていない。


 え?


 何かを握っている左手の指の隙間に、剣の刃先が出ていた…

 怒髪天は、こっちに振りかぶる…


 まさか…おまえ…人が釘を投げるように?


 すぐに下のデブの体を盾にした!

 無数の剣がワタシの上を通過した!




 ガシャシャシャ!!


 100くらいの剣が、後ろの壁にすごい勢いで当たり落ちる。


「ツギ!」


「は!」


 見えないけど、ガシュガシュっと聞こえる、次は角度を変え投げてくるぞ。


 とんだ聖騎士…いや殺人兵器だ…怒髪天キングレオ…


 上から!

「撃て――!!」

 ミスティの声!


 ヒュヒュヒュヒュヒュヒューー



 デブの背中から顔を出して見た、矢が怒髪天に集中して放たれた!

 怒髪天は背中を向ける、矢が背中に刺さりまくる。

 しかし、5メートルを超す怒髪天、無数の矢が背中に刺さってはいるが…




 もう走っていた



 背中を見せ、右手はグルグル巻きで使えない、左手は無数の剣を握っている。

 今しかないと感じ取った。




 「ミスティ!! その聖剣を投げろ――!!」




 飛んでくる


 絶対に掴む


 兵士の剣より鋭い剣


 聖剣 『ハルゴ3443』



 飛びながら、聖剣の鞘を掴み、怒髪天の腰に乗り、鞘を捨て!  首の真ん中!!



「死ね―――!!!」


 刺す!! こじる!!



「ギュレエェェ!! ェェンバア!!!」



 うぐっ背中くそ…

 矢… ビジャの… 何本刺さったんだ…?



「弓兵を撃て――!!」


 屋上からの援護射撃で矢が放たれなくなった…



 ハア…ハア…


 まだ‥まだ‥まだまだ――――!


 死ねねえんだよ――――!!



 こじる!! こじる!! せめてこいつを!!



 うっ力が抜けた… 手が聖剣から離れた…



 怒髪天は口から血をボコボコ吐きながら、




「グハ グフェ チリョウ・・・マジシンデシマウ・・スフィァモウイィ」


  聖剣『ハルゴ3443』を抜き捨て、

 首の後ろを両手で押さえながら、

 ドン!ドン!っと壁に当たりながら、城門を越えて去る。


 ビジャ国の生き残った兵達も、怒髪天に従うように去って行った。





 いしきが…


 だけど…


 ミスティやみんなに言いたいことがある…


 ハルゴ砦屋上のミスティを見上げ


「お前のハルゴ砦が! みんなのハルゴ砦が! アナの主力に勝った!!」


 力が完全に抜け、うつ伏せに倒れた…


「小さなレナが、大きなアナに勝ったんだ…あのミスティが皇太子アーネストに勝ったんだ…‥グルギュラ……今度あったらぶん殴る…」



  《  師匠スフィア! すぐ治療に行く!! 》


 ミスティの声が聞こえる…



 はやっ


 すぐにワタシの両肩を二人の兵が抱え上げてくれた…


 知った顔かな?

 え?

 アナの鎧?


 この顏は…ドトールの剣闘…士……?


「レナ奇跡の勝利おめでとう…でもお前はね…? バルバトスさん覚えてる?」


「他にも、お前に酷い目にあった剣闘士達が待っている…」



 この二人の剣闘士…動きが速い


 ミスティ


 もう動けない…


 レナの王都で乾杯しようよ…


 馬に乗せられた、布をかけられた。



 ゆれる…




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