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インターミッション 『真』聖騎士伝説を聞く女
コト
「少し休んだら?」
盲目の妻は、俺の横のテーブルに、いつもの常温の薄い色の紅茶を置いた後に、 いつもの笑顔を向けてくれた。
二人の子の姿がなかった。
「子供は?」
「外に遊びに行きました」
盲目の妻は手探りで、自分の陶器を持ったまま向かいに座り、一口飲んで、
妻は悪い右ヒザをさする。
俺は膝の上で両手で持つ、自分の書いた『真』聖騎士伝説をグッと握りしめ、妻を見つめた。
「子が遊びに行って良かった…これから先は…」
下唇を噛んでいた俺に、妻は首をかしげ、
「ん? どうしたの? 続きを読んで聞かせて、あなたの書いた聖騎士伝説を」
俺は覚悟を決めて、紅茶を飲み、
「分かった、最後まで聞いてくれ」
呼応してくれるように、妻も紅茶を飲み、
「うん…あなたの本を最後まで聞くわ…」
「つたない文だけど」
「そんなことありません」
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