47話 ドトール女子刑務所のボス 4
ココはメロディに、
「何しに来た?」
「酒のオカワリを貰いに来たんだよ」
ココはチラッと棚の酒のストックを確認する。
「一日でおまえら何本飲む気だ? ふざけるな…そんなペースで飲んだら3日くらいで全部無くなるわ」
メロデイは膝を付く、エリの頭を優しくナデナデして、
「全て聞いてたぞ、もう我慢しなくていいからな」
笑顔の目を見せた。
エリはグスッと涙を、
「メロディさん…」
メロデイはぐっとココの前に立ち、
「お前? レデイーナさんレデイーナさんて? レデイーナさんのせいにしてばかりじゃないか?」
ココの形相はギーーーっと狂暴そうに変化していき…
「お前に何が分かる?」
メロディは睨んでココを指さし、
「弱い者イジメは許さない…」
狂暴な形相に変化したココは、
「強い者勝った者は何してもいいんだよ…顔を潰されたカスが…表に出ろ」
メロディは戦闘の眼差しになり、
「ワタシと一対一で戦うか?」
「ああ、サシで殺ってやる! 私を弱いと思ってるみたいだからな! かみ殺す! ついて来い!!」
ココは先導で、メロデイを決闘の地へ誘う。
その道中、二つ隣の部屋の開いたドアの向こうに、「ぐが~ぐが~」っと大イビキをかいて深く眠るブロディの姿があった。
それを見たココは心の中で、
(ラッキー、この赤毛を殺した後、寝首を搔いてやろ…イヒヒ)
決闘の場は、満月の光に照らされたドトール刑務所の広場。
南側一面は全て奈落への崖である。
ココはメロデイに 広場の目印のある地面を指さし、
「お前はここ」
「うん……なんで?」
「この刑務所特有の決闘のしきたりがあるんだよ」
「わかった、ここな」
指定された地に立つ。
ココは回り込むように、6メートルほど離れた所に立った。
その時、ドトール刑務所の囚人達全員26人が、ぞろぞろと集まりだした。
ココは大声で!
「さあ決闘開始だ! かかってこい!!」
と構えた。
メロデイも臨戦態勢になり、
「こい!」
しばらく、静寂の間の後…
しびれを切らしたメロディが、
「どうした? 来ないのか? なら! こっちから行くぞ!」
ココに向かって猛スピードでダッシュ!
その時!
「え!?」
メロディの足元周辺の土はスーーーと崩落!
ココの視界からメロディは消えた…
ココは構えを解き、くせ毛の髪をかき上げ、
「勝負ってさあ…知恵もあるのよね。 バカは死ぬそれだけだ」
タバコに火をつけ、一口吸った後
「まっ、私は殺し合いで負けたこと無いしな」
と言い放った後、エリの方を見て、
「エリ! いつもの良く燃えるオイル持ってこいや!」
と怒鳴った!
「ははっはい!」
慌ててエリは瓶に入ったオイルを持って来た。
「どっどうぞ…」
パッとオイルを手に取った咥え煙草のココはエリに向けニタ~っと笑いながら…
「エリ~残念だったな~、ほら、お前も夜のお勤めの時間だ、ぶっさい看守共が待っとるわ。はよ~いけ。 赤毛のバーベキューは帰って来たら見せてやるわ」
直後!
エリの平手打ちが!ココの頬を!
咥えていたタバコが飛んだココは…
「え? まじ?」
キョトンとエリを見て、
「キレたら、私、損得関係ないんだよ?」
エリは右の拳を胸に当て、
「まだ戦いは終わってない…もうアンタの時代は終わるし、続くなら死んだ方がまし」
と言い、落とし穴にヒュンと落ちた。
ココは呆れた顔で、
「しまったな、追い込みすぎて壊れちゃった? 深さ3.7メートルなうえに壁は板だから出れないわよ…まあ残念だけど仕方ないわね」
その時!
「ワタシも!」
「ワタシも!」
「ワタシも!」
「ワッワタシも!」
エリと親しい女囚達も落とし穴に降りた。
ココは呆れた顔で、
「いったいなんなのよ? ちょっと~? まじか…まあ仕方ない、はよ焼き殺そ」
無表情でタバコに火をつけ、オイルを持って落とし穴に近づく…
落とし穴の中では…
自ら落ちたエリを始め女囚5人は3・2の組立で足場を作っていた。
「メロデイさん! 届きますか!」
「ありがとうなみんな!」
下段をサッ、上段のエリの肩をバン!っと蹴り飛び上がる!
メロデイの身体は地上に浮かんだ!
突如、目の前にメロディが現れ!
「どしゅて!?」
と、おどろいたココに!
メロデイは回し蹴りを放つが!
「はやい!」
闘技場でのデスマッチ無敗ココ本来の動き!
野生の如く素早いココに避けられた!
直後!
カウンターの目潰しが来ると予想したメロデイの思いに反し…
ココは落とし穴の横へクルクルと回転しながら到着。
すぐさま、オイルを落とし穴の中へドバドバっと散らした。
ココは
メロディが地上に見えた一瞬で感じ、己のライフラインだと確信し絶対に離さなかった、火のついたタバコ持つ手を落とし穴の上に出す。
ココはかなり焦った表情で…
「本当の殺し合い…まだ続けるか? 赤毛?」




