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46話 ドトール女子刑務所のボス 3


 ウフフっと


 ココは自分語りを終えテーブルの高級な酒瓶を取ろうとすると、酒瓶は消えていた。

「ないぃ??」

 えっ?とメロデイを見ると、その手にはカラになった高級な酒瓶が、


「話が長いから、酒を貰ったぞ。ごちそうさま」

 っとポンっと空瓶をテーブルに置いた。


「私の酒が!? まだたんまりあった!」


「ゲップ、じゃあな」


 メロディが帰ろとすると、

「赤毛…殺す…」

 ココは素早い噛み付きタックルをメロディに!


 しかし、

「よっと」

 っと払う様にあっさり避けられた…


 四つん這いのココは凄い形相でメロディを睨み付け、

「その動き…剣闘士か?」


「違う」


 メロディは外でタバコを吸うブロディの元へ…

 すぐさま、

「天然パーマチビ、空いてる部屋を使わせてもらうぞ」

 ブロディの声が部屋の外から聞こえた。




 部屋に一人残った四つん這いのままのココは、ギーっと凄い形相でカラになった空き瓶を睨みつけた後、すっと立ち上がり、ルンバを静かに踊りだす。

「あ~~うっ! ふう~落ち着け落ち着け…まあワタシがあの新入り二人に負ける訳は無いが…」


 ココの頭の中のランプがピカッと光り、

「そうだ崖際トイレだ。トイレ中に奈落に突き落とそう…赤毛はさっき酒を大量に飲んでいる」


 すると、

「なにを踊っている?」

 とメロディがまた来た。


 ココはピタッと踊りを止め、

「なんかようか?」


 メロデイーは棚にあるたくさんの酒を指さし、

「ブロディが今から酒盛りするから酒2~3本分けてくれって」


 ココはキレそうになったが、一息してニコっと、

「仕方ないわね」

 棚から2本の安酒を取り、笑顔で…

「はいどうぞ」


「ありがとう」


 メロデイが部屋から去ると、ココはタバコに火をつけ一口吹かした後、


「ブタどもが末期の酒を味わうがよい」






 2時間後…


「くそが! 連れションかよ!!」







 その夜…

 ココの部屋にエリが来た。

「ボス…どうしても夜のお勤めに行かないとダメですか? 最近、どんどん人数が増えてきてるし」


 ココは右手の鋭利な目潰し爪をヤスリで磨きながら、

「どうした? 今夜の人数を知りたいのか? 今日の相手は8人位で終わるんじゃない?」


「私…」


「なに?ハッキリ言え、うざいわ」


「あっでっ…もうやめ」

 ココはエリの話を遮るように、

「私がドトール刑務所に来て何人を奈落に落としているか知ってるよね?」


「きゅっ、98人です…」


「おかげでよっっわい、お前らの食い扶持も増えたろう? 看守達も色々と食費をピンハネできるから喜んどるわ。」


 アブラックにつけられた背中の傷を触った後、エリは勇気を振り絞るように、


「でもワタシには婚約者が居て…あと1年で出所です。 4年待ってくれる婚約者のためにも…もうこれ以上は汚れたくない…」


ココはピタリと爪を研ぐのをやめ、面白そうにエリを見て、

「お前さあ、稼ぎ頭なのに後1年で出れると思ってたの?」


「え?」


「お前がさあ、事故で死んだことになってればぁ…ずっと出れないわけ」


 エリはショックのあまり膝をガクッと落とし、

「そんなばかな…」


 ショックで放心状態のエリをココはニヤケながら見つめ、グッと酒を飲んだ後…優しい顔で、

「エリ、私も事故死となり、天寿を全うするまでドトール刑務所で生きさせてもらうわね。 私はまだ20歳、エリさん、これからもよろしくね」


 エリは力なく…

「ボスがずっといる…」


 ココは今度はお菓子をポリっと食べ、

「エリ…強さこそが全てなんだよね。 ワタシは最悪な両親も、殺し合いで剣闘士も、刑務所では敵を駆逐してきた…今度はソコソコ強い新入り二人も駆逐するでしょうね。」


 ココは棚からグラスを一つ取り酒を注ぎ、それを、膝を落としたエリの前のテーブルに置き、


「すべてはレディーナさんのせいなのよ…」


「レデイーナさん?」


「そう…あれは四年前の帝都闘技場近くの」



 その時、


「また長い自分語りか?」


 メロディの声が…



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