36話 ブロディさまのムチ
深夜…
ネズミ顔の公安は、メロディの手枷を公安支部で外した後、ブロディの部屋に拉致されていた。 目隠し+手足を縛れら正座をさせられているネズミ顔の公安の前には、椅子に座るブロディがいる。 部屋は二人きり。
「下っ端公安、お前さあ、名前なんだったっけ? 住所も?」
「名は『ハムスタ』です。 住所は南地区459です」
「今さあ、革命隊20人ほどがさあ、一生懸命探してくれているよお」
怯え疲れ果てたネズミ顔の公安は頭を床まで下げて、
「誠に申し訳ありませんでしたブロディ様」
「革命隊のリーダーもとても悲しんでいるのよね。 今もきっと自分の部屋で悲しみに暮れているでしょうね」
ネズミ顔の公安は頭を床まで下げて、
「誠に申し訳ありませんでしたブロディ様」
「ハムスタ、革命隊って知ってる?」
ハムスタは頭を床につけたまま、
「自分は何も知りませんですし、知る必要の無いほどの下っ端ですので」
ブロディはムチでビシッ!と背中を叩いた。
「っうぎっっ! …ありがとうございますブロディ様」
ブロディはラッパで酒を飲みながら、
「まあ、そう言わずに教えてやる。革命隊はその名の如く、この帝国に革命を起こそうとしている集まり、あんたがコレを報告すれば我々同志兵隊4000人が危険にさらされるでしょうね。 死刑もいるかもしれないわね…あ? 言ってしまった? これはやばい」
頭を下げたままハムスタは、
「命だけはご勘弁をブロディ様…」
「まあ、あれよ…今夜中に見つからなければ、明日から帝都中の革命隊を使い「ガントレット」を探し出すわ」
頭を下げたままハムスタは、
「命だけはご勘弁をブロディ様」
ブロディは前回よりも強くムチでバチ~ン!背中を叩いた。
「っぇちぇ! ちぼっって!!ぃぃ…ありがとうございますブロディ様」
「お前、人の話をちゃんと聞いているか?」
また頭を下げて、
「誠に申し訳ありませんでしたブロディ様…」
ブロディは目隠しを外した
頭を下げたままのハムスタは、笑顔で、
「ありがとうございます! ブロディ様!!」
ブロディは手を縛っていた縄を解きながら、
「ミカジメの黙認料? 月2金、あれもう無しでいい?」
ハムスタは頭を上げ真顔で後ろにいるブロディに、
「もちろんです!!」
縄を解いた後、ブロディはテーブルの上の紙と筆を指さし、
「革命隊に入りたいなら名前と住所を書け、それと拇印な。書かないとお前を消すけど」
「入ります!」
ハムスタは革命隊に入隊した。
その後、ブロディは足で、ハムスタの頭を床に伏させて、
「残念ながら、お前は妻子持ちだし、これからはお前の小遣い全部、革命隊に寄付な?」
「……はい」
ハムスタの頭を踏んだままブロディはう~んと…
「まあ…とりあえず、落とし前はこんなもんか」
その言葉で…
ハムスタは心の中で生きてやっと家に帰れる。 家族のもとに帰れる。 命の大事さを痛感した。 革命隊の集会は面倒くさそうだし、小遣いは無くなるが、死ぬよりマシ! ベスト・ザ・ライフ!
とか思っていた時、
「お前を生かす条件がある」
「はっ、え?」
「メロディのガントレットもし帝都の革命隊が探して見つからなかっても…ガントレットがどう流れようと、帝都の住人の誰かが必ず持っている。 あの時間、あの場所で置き引きするようなヤツは街を出ない」
「はい」
「お前は泥棒を探したり、無くした物を探す公安だよな?」
「はい」
「必ず見つけ出せ…いいな? 今から限界1年以内だ、どう待てても」
「限界1年?」
「限界1年経っても見つからなかったら、革命隊の誰かがお前を処刑するだろうな。 いいな?逃げられると思うなよ…革命隊は帝国中にいるぞ」
ハムスタは涙目で
「ぜっ、全力で探します! この道30年の全てをかけて!!」
ブロディは タバコに火をつけ、一口吸い、
「言っておくが、ハムスタ」
「はい、ブロディ様、はい」
ムチをハムスタの前に出し、睨みつけ
「ハムスタ…楽に死ねると思うなよ」
ハムスタはまるでネコに詰め寄れられたネズミの様な目でムチを見て、
「あっありがとうございます…ブロディさま…」




