29話 メロディ21歳
3年後…
メロディ 21歳
メロディの幼少期からの修行の地ドトールの滝には、メロディとロメロの姿があった。
丸腰のメロディは構えながら、
「ロメロ、今日は本気で来いよ」
ロメロは長い木刀を構え、メロディを見て、
「リーダー、いつも本気ですって…だけど、今日はとっておきの技を見せますわ…シャ!」
直後! ロメロは背を傾け低姿勢でスッッッと素早くメロディに迫った!
「タックル? 違う? カチあげ切りか!?」
メロディは木刀の動きに目を光らすと!
木刀にはたくさんのナメクジが!
「うっえぇぇぇ~?」
その一瞬の怯むスキを突き!
ロメロはナメクジ木刀を捨て、メロディに抱きかかりダウンを奪った!
人生初!
メロディからダウンを奪った直後、ロメロは! 両手でガッツポーズを決め! 雄たけびを!
「奇跡じゃー!! ダー!」
さらに快挙に己の頭を両手で摑み!
「暗黒の3年間は無駄じゃなかったわ!! このダウンはドトール闘技場の100連勝より価値がある!」
涙目で、仰向けに寝るメロディを見ながら一句…
「 闇くぐり ロメロはさらに 光りけり …グス 」
感銘に浸っていると、寝ていたメロディが立ち上がって、嬉しそうにロメロに近づき、
「ロメロ、本当にこの3年で強くなったな?」
「リーダーのおかげです。ドトール闘技場最強の自分が強くなった事でドトール闘技場のレベルも3年前より格段にアップしてますわ。自分以外のドトール闘技場四天王も自分に勝とうと切磋琢磨しとりますからね」
メロディはニコニコでロメロの肩を嬉しそうにモミモミしながら、
「本当に強くなった。だけどワタシもロメロと対人練習出来るようになって強くなれた。ありがとうなロメロ」
ロメロは肩もみを嬉しそうに気持ちよさそうに照れ臭そうに、
「いやいや~でもリーダーとの試合で1000連敗くらいしとりますからね。奇跡ですよ、何か起こるんじゃないですかね? ところでメロディさんドトール闘技場の剣闘士にはならないんですか? すぐ王座になれますよ?」
メロディは嬉しそうにモミモミしながら、
「ロメロが最強なんだろ? 興味ない」
ロメロは苦笑いで、
「そうですよね~」
肩を気持ち良さそうに揉まれるロメロは思い出すように・・・
「でもリーダー。今は俺が最強ですけど、30年くらい前までドトール闘技場は無茶苦茶ヤバかったんですよ。 でも28年前、ドトールの剣闘士達は隣国レナとの戦争に駆り出され『ハルゴ砦の奇跡』でトップレベルは死んだか不具になったんですよ。 俺の父も当時はトップクラスの剣闘士だったんですけど、俺が5歳の時に『ハルゴ砦の奇跡』で死んだんです」
しおらしくなったロメロに…メロディは肩もみを止め、
「今日はロメロの気持ち良い状態で修行を止めるか?」
「いいんですか?」
「一緒に昼飲みしよう。『ソールドアウト』でお肉にブドウ酒だ。売り上げに協力してやろう」
「へい!」
酒場『ソールドアウト』へ歩んだ直後、ロメロは顔を赤くしてメロディの後ろ姿に…
「あのリーダー…いやメロディさん」
メロディは振り返り、
「なんだ?」
ロメロは恥ずかしそうに、
「いえ! なんでもありません! 先に行ってください、木刀のナメクジを外さんといかんのです、すぐに行きますから!」
「すぐ来いよ」
メロディは先にソールドアウトへ走って行った…
一人残ったロメロは…
近くの落ち葉を拾い、気持ち悪そうに、たくさんのナメクジを外した後、滝の方を向き、はあ~~~~っと、大きなため息を吐きアグラで座った。
「釣り合わんよな、すごくデカくなった革命隊の一応、リーダーだし年も12違うし…」
切ない顔で滝の下で泳ぐ魚を見つめながら、タバコを出し火をマッチでつけ、一口吹かしてた後、
「たぶん…最初から惹かれていたんだですよ、生涯初の完敗を貰い、そして命を救ってくれた、あの夜から。あなたは革命隊の実質ボスのブロディさんに、いつもイジメられる俺をいつも助けてくれたし、きっと3年の二人きりの修行の日々がオレの想いを育んだんだ…」
近くに飛んできたツガイの小鳥を…嬉しそうな顔で見つめながら…
「今日、抱きしめてこの想いが本物なんだと確信した、もっと強くなってメロディに求婚を申し込むんじゃ…さて行くかのぉ!」
気持ちを切り替えたロメロは立ち上がった時、足元に来ていたナメクジが見えた、ロメロは気持ち悪そうにソレを見ながら、
「あのリーダーからダウンを奪えたのは事実、もっと改造を加えれば化けるかもなしれんな」
ロメロは「ハッ!!」口を開け思いつき!
「毒ヒルじゃ…毒ヒルがべったりとついた『黒いロングソード』じゃ…! 闘技場や練習では使えんが、もしもの時に用意するのもアリだな。街の乞食に金を渡して集めさせよう」
と、ロングソードカスタムの案が思いついて、いざソールドアウトに行こうと木刀を手に取った時…
木刀に蟻が付いてるのに気づき、ニヤリと‥
「そうじゃ…毒蟻も追加してみるか…」




