15話 孤児 ブロディ
帝都の大広場での市民バザーは活気にあふれていた。興味深そうに歩くバルムート達に使者は、
「安心してください。 帝都は公安が厳しいがゆえにぼったくりはございません。 ぼったくりなんてあれば女子供であろうが…ん?」
バルムート達の前に…軽蔑の視線を浴びる少女が座っていた。
金色のドロっとした髪をしたその少女は、ボロをまとい不潔な女であった、両サイドの店はチラチラと迷惑な眼差しを、その少女に向けていた。
ずっとうつむき座った少女の前に置いてあるカタナを見た使者はバルムートに、
「闘技場で死んだ、剣闘士の孤児でしょうか? 隅っこに居ればこんなに目立たないのに、きっと昨夜から、この真ん中の良い場所を取っていたのでしょう。 それにしても、あのカタナが30金?…高すぎる」
「バルムート様?なんとかなりませんか?」
とタイガが言うと使者が、
「だめです。 同情でもあのカタナを30金で買ってしまうと」
近くで、その女をニヤニヤ見てる性悪そうなネズミの様な男をチラッと見て、
「そこで手柄欲しさで待ち構えている、下っ端の公安にあの子は連行されてしまいますよ」
その時、メロディは少女へ歩みだした。
「あっメロディ!?」
タイガはメロディを止めようとしたが…
バルムートが肩を抑え…
「メロディの好きにさせてみよう」
「バルムート様…」
タイガはバルムートの言う事は絶対なので仕方なく少し遠くから見守る事に…
メロディは少女の前に座った…ずっと座りうつむいたままだった少女は初めて少し顔を上げた…
「買ってくれるのかい?」
「アンタの父さんのカタナなの?」
「さあな…買わない奴に言う必要は無い」
少女はジロッとメロデイを見て、
「お前…子供だけど金持ってるのか?」
メロディは悲しい顔で…
「ない」
「はあ~時間の無駄だ、消えてくれ」
「使者のオジサンが言ってたけど、このカタナを30金で売ると捕まっちゃうよ」
「刑務所がなんだって言うんだ? いいんだよそれで、ゴハンを食べれて寝床があるんなら」
少女はメロディの赤い髪を見て、思い出したように…
「…お前の赤い髪? もしかして? 明日オリバーと戦う、バルムートのペットの不死鳥か?」
「うん」
少女はメロディに興味を示しだし、
「ワタシの金色の髪も珍しいが…赤色って初めて見る」
少女は少し遠くでメロディを見ている 剣闘士のオーラある男がバルムートであろうと感じ、前に置いたカタナを、涙を浮かべながら見つめた…
「ドトールの大英雄『不殺のバルムート』ワタシの父もあの方と戦い敗れていればな…」
メロディは立ち上がり胸を張り、
「おまえ、可哀そうだからワタシのペットにならないか? なんか汚いからネズミでいいだろ?」
「お前? 子供だから知らないんだろうけど、ペットがペット飼うのはダメなんだよ。」
「じゃあ、アンタをペットにしてもらうようにバルムート様に頼んでみる」
「バルムート様はすでに二人のペットがいるんじゃないのか?」
「うん」
「人間は人ペットは二人までと、この星の絶対法律で決まっているんだよ」
メロディは残念そうに、
「そうなんだ…」
「お前バカだけど良いやつだな? まあ気持ちはありがたいけど、すまないな色々と」
その時…腕を組んだバルムートが、
「弟子になるか?」
少女は驚くように見上げ、
「ええ~?」
バルムートはカッコつけたように、
「オレはバルムート、ドトールでは名の知れた剣闘士だ」
少女は尊敬の眼差しでバルムートを見上げ、
「あなた様が! あにバルムート様!?」
「武術は?」
バルムートの問いに、売り物だった、カタナをさっと手に取り立ち上がり!
「まだワタシは子供だが自信はある! あります! バルムート様!!」
「名前は?」
「ブロディです!」
バルムートはメロデイの頭をポンっと触り、
「この子はメロディだ、『メロディ・ブロディ』今から二人は姉妹弟子だ」
ブロディは大粒の涙を流し、
「バルムート様~ありがとうございます~ありがとうございます~」
何度もバルムートに頭を下げた。
あまりの豹変ぶりに メロディはキョトンとブロディを見て、
「何こいつ…」




