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13話 不殺のバルムート



 タイガとメロディの親子を得てから、バルムートは破竹の勢いで『ドトール闘技場』で名を上げていく。 桁外れのセンスと瞬発力ゆえに、獣のような戦いっぷり、バルムート専用武器『ガントレット』での極め打撃。 デビューしてから一度も負けなし。 どの武器を使用して相手を殺めていい、剣闘の中で一度も相手を殺さない彼は…



『不殺のバルムート』



 と称えられ 長い間ドトール闘技場の王座に君臨した。


 時には、したたかな敵に苦戦する時もあったが辛くも勝利した後には、メロディを肩に抱え上げ、共に右手でⅤサインを決めた。


『不死鳥』


 として、メロディもドトールの人気者になった。





 アナ帝国には二つの闘技場があり、もう一つの闘技場はアナの帝都にある。

 その闘技場にも長い間、王座に君臨する男がいた。

 皇太子アーネストのお気に入りの、クマの様な剣闘士オリバーである。

 超新星だったオリバーは デビュー時から、皇太子が寄与した大剣『パトリオット』を駆使し無敗の道を歩んでいた。


バルムートとタイガが出会って10年が過ぎたある日…


 皇太子は38歳の誕生日を迎えた翌日、城にオリバーを呼ぶ。 帝王学を学び過ぎたせいか…喜怒哀楽の薄い無機質な皇太子は、


「お前とバルムートどっちが強い?」


 皇太子の問いに、オリバーは頭を下げたまま、

「皇太子様から授かった、パトリオットがある限りワタシです」


「ならば、お前のために特別な試合を用意してやろう、オリバー対バルムート」


 オリバーは少し顔を上げ、

「ありがとうございます」



 皇太子は片手にグラスを持ちながら上座から下り、オリバーの目前に立ち、

「お前は愛国心と忠誠心の塊で、人間性も素晴らしいと帝国でも評判」


 オリバーは嬉しそうに、

「ありがたきお言葉」


 皇太子の口から…



 《 お前が勝てば『アナの聖騎士』をやるつもりだ 》



 その言葉『アナの聖騎士』はオリバーの心に強い衝撃を走らせた。



「こっ! このワタシが『アナの聖騎士』!?」



 聖騎士は世界32の国にそれぞれ一人だけ存在が許された聖なる強き役職であり、アナ帝国以外はその国を代表する力を持つ者が就任していた。 聖騎士が誕生した経緯からアナ帝国の聖騎士は永久的に聖騎士序列は世界一位。


 皇太子は屈み驚くオリバーの肩に優しく触れ、

「余は実力主義。 この帝国だけ世襲で愚か者が聖騎士になっている。 恥ずべき事だ、余が皇帝になればソコから変える。 父上もそう長くない、だから、いつまでも闘技場で遊んでいる訳にはいかんのだ」



 皇太子はグラスをオリバーに差し出し、

「無敗でアナ帝国最強を示し…アナの第17代聖剣『ホーリー・オリバー』を持つ、アナ帝国の聖騎士になってくれ」



 オリバーは震えを抑えるように皇太子のグラスを取り、


「命に代えても…」


 ブドウ酒を飲み干した。


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