113話 観客席の戦い決着
赤い日輪の下
顔の全貌を露わにした
世界の聖騎士序列1位次期候補…
アナの赤い髪…
黒い銅線のワイヤーの口隠しを引く…
それを両手首に巻かれたフィーン(序列4位)は、その顏を見上げながら…
「美しくはないぞ! 何も感じない!! その醜い顏はスフィアとは違う!! 俺が執着せず足首を離していたら勝ってっぐっ…」
メロディの右のガントレットが…
胸部に顔をつけれらたフィーンの後頭部を締めつけ始める。
「うっうっ!!」
もはや為す術は無いが…縛られた両手首と両足をバタつかせるが、
「うっ…でぃぃやっめ‥」
すぐに後頭部の骨が砕け…
フィーンは力なく…
正座に崩れた
メロディは足元に落ちていた親衛隊の剣を拾って、その刃で、己の黒いマントを切り…その黒い布を口に巻きながら…両手首を縛られて座るフィーンの骸を、ジッと見下ろし…
「バルムート様…初めて人を殺してしまいました…」
口を隠し直すと、一息ついて、後ろのアナの皇帝を振り向き、
「陛下! 治療します!」
無人の観客席の上段で、孔雀兜のロレディ―ナ(序列7位)と交戦していた『蛙』のクーニャ(序列27位)は、距離を取った後に、赤い髪のメロディを見て、
「バカな…あのフィーンを? いえ…さすがスフィア様を倒した女か…」
聖剣『イワタイゲキ』を構えるロレディーナは、クーニャを見つめ、
「次はお前よ…裏切者…」
クーニャ…交戦中に接近戦をしかけたいが、全く寄せ付けなかったロレディーナとの圧倒的な実力差を悟っていた…最後に選んだ手段は…
「フフ♪ ロレディーナさん♪ ワタシお先に死にます♪ 最期に言います。 大国モントリオの聖騎士のあなたの事大嫌いでした♪」
「自決する度胸なんてあるの? 裏切者のあなたに?」
正座になったクーニャは聖剣『モノリス』の剣先を己の腹につけ…
闘技場内で戦闘中の雷神を見つめながら…
「雷神勝て!! 永い間、アナ帝国にかすめ取られてきた美しき母国ミールのために!!! ミスティ様のために!!! 雷神!! お願いです!! この星の腐った聖域を!!!」
聖剣で腹を貫いた…
「うぐっ~へへ…くっ…クーニャンならあぁ…やれるうぅ」
横に切りながら…
「絶てーーーー!!!」
正座の姿勢で腹を切り抜き、石畳に黒のツインテールの頭が崩れた…
願掛けの切腹…
その壮絶な最期に…
そよ風を感じたロレディ―ナは…
「春風のクーニャ…風に願いを…」
クーニャの骸から背を向けて、メロディに止血の治療をされているアナの皇帝を見て、
「アレが…聖騎士達の命を懸けてまで守るモノなのかは…ワタシには分からない…だけど」
次に雷神を睨みながら、
「アレを倒さなきゃ…聖戦で散った…聖騎士達の命が無駄になる…いまはそれだけ」
雷神の下へ向かう…
クーニャの最期を、
皇帝の向かいの観客席最上段の、飛竜の横で見届けたアモンは…
「700年以上生きてきて、初めて願掛けの切腹を見たわい…」
風にたなびいた被る白いフードを右手で上げながら…
「新しい時代を後押しする風か…」
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聖戦 ドトール闘技場内の生存者
聖騎士側 (死者22名 聖騎士18名 親衛隊4名)
メロディ、オリバー、怒髪天(巨体)、ゲッペル(巨体)、ロレディーナ、
ココ(重症)、アヤ(戦闘不能)、アナの皇帝(重症)、ブロディ(行方不明)
左大臣フレデリクス(頭蓋骨陥没 非常に深刻な状態)
スフィア側 (死者2名)
雷神(巨体)、『鷹』のシトリー、マスターアモン、老将ドリアス




