107話 聖騎士たる者達
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はるかむかし… 小国オーガス国の聖騎士ソールは…
己が編み出した『ドラゴンキラー』を操り…
オーガス国の地竜危機の際、数多くの地竜を滅した
地竜たちはドラゴンキラーを恐れ、ドラゴニアに消えた…
ドラゴン相手に無双?
アナの初代聖騎士より強いのでは?
世界中の人々は、そう口にしていた。
否…
ドラゴンキラーが力を発揮するのは背丈の大きいモノだけ…
それに…
ドラゴンキラーをマスターするには…
長い年月がかかる
マスターした頃には…もう武人としてのピークを過ぎるころであり…
秘術を用いることから… 戦い終えると死ぬさだめ…
まさに、世紀の植物と呼ばれる…
竜舌蘭
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茶色のボブヘアーのオーガス国の女聖騎士ルナ(42)は…
「次はワタシが行きます…メロディさん! いったん下がって!」
メロディ 「はい!」
右肩にサラのマサカリが刺さったままの高さ4メートルの雷神は、低い声でボソっと…
「逃げるか赤い髪?」
ヒビの入った右膝と鼻の痛みを感じながら…
「凄まじい打撃だった…」
ルナ…腰を下ろし…闘技場の砂に手を突っ込み…
「ちょっとゲッペルさん…そこどいてください…」
「アア…スマン」
高さ5メートルの頭部全身が鎧兜のゲッぺルが動くと…
「よっこらしょっと」
ルナは砂の中に埋めてあった聖大剣ドラゴンキラーを持ち上げる…
大きな傘の様な、ルナの身を隠す粒粒の穴の開いた鋼鉄のツバ…
刃の長さ…5メートル…
それを見たココは! 驚いて!
ココ 「なんじゃい! ありゃ!? デカすぎにゃん!!」
ルナは振り返り、
後ろの昨夜、ドトールシティホテルで同宿だった、若い女聖騎士のフォックスとシャーロットを見つめ、
「ワタシもサラの様に死ぬでしょう…しかし、若く優秀なあなたたちは…その眼で雷神の動きを掴みなさい…ワタシの死を少しでも活かしなさい…」
フォックスとシャーロットは真っすぐにルナを見つめた…
直後!
ドラゴンキラーの剣先を前に!
突っ込む!
雷神はハルバードを構え…
「くだらん…」
撃ち込む!!
カー―――――――ン
カー―――――――ン
「なに!? なぜ弾けぬ!?」
「どっっせええい!!」
「一撃が強大!? そして速い!」
ガン!! ガガガン!
ガン!!
ガン!!
雷神のハルバードと体が押される!!
雷神が剣武で押される、まさかの状況に!
クーニャ 「雷神様が押されるなんて? 雷神様! 本気だして!!」
シトリー 「バカな? ありえないよ? 雷神だぞ? 正直…俺より1000倍くらい強い…」
観客席後方の白いフードを被ったアモン…
「ドラゴンキラー」の動きを嫌な顏で見ている飛竜をチラッと見た後に…
「まずいな…」
押されている雷神を見つめ…
「ドラゴンキラーのツバで身を隠すルナ相手には不利…ただでさえ雷神は肩とスネと腿を負傷しておるしな…」
ドラゴンキラーを見て、
「ハルバードの衝撃を全て地に伝えている…神技の領域…それにアレを操作する筋力…とても酷い薬を使っておるわ…」
クーニャの方を向き手鏡を出す… 日光を反射させクーニャの目に当てる…
光でコッチを向いた時、右の親指で、
《 行け 》
のサインを出した。
小さく頷いた『蛙』のクーニャは! ミール国の聖剣『モノリス』を抜き、
ピョー―――――ン!
黒いツインテールをたなびかせ、
次の1飛びでルナへ届く距離に達し、
「ルナさん…後ろから失礼… (クーニャンなら楽勝っしょ)」
その時、
《 くるな!!! 》
戦いながら発した雷神の声!!
「雷神様!?」
《 これほどの馳走を邪魔するな!! 》
「はっ!(意味不明だけど…怖いからね…てか…あの汚い顏のジジイが行けって言ったんですけど…)」
ピュー――――ン
と元の場所に戻る…
巨大なドラゴンキラーとハルバードの交錯は続く…
大きなツバの中のルナは、「ハア…ハア」と息が切れていく…
「うう…やばい…薬が… (守りが凄くて決められない…雷神無傷の善戦じゃダメなのよ…)」
ゴー――ン!!
強い衝撃を地に流した直後…
勝負に出る…
足元に落ちていた、雷神竜巻斬りで死んだ聖騎士の武器を拾い…
次の一撃で、ドラゴンキラーを捨てた!
弾かれる巨大なドラゴンキラー!
手に持った! 初代聖剣『ホーリー・アナ』を!
雷神の腹部へ!!
しかし…
避けられる…
合気の技…
体90度避けで… スーと、
すぐにハルバードの一撃が来るでしょうね…
死を覚悟したルナ…
「無念…」
大きく振りかぶったハルバードが来る…
ガ――――――――――ン!!
ズルル~~~~
ルナの横に… 鋼鉄の大きな大楯が…ハルバードの強烈な一撃を押さえた…
大楯マスターのサンタナの後ろには…
盾を支える…
アヤとロックとゴドラと、一番後ろに大きな体の怪力ジョンソン
聖騎士5人の力を合わせ、雷神のハルバードを制した!
聖騎士5人が同時に叫ぶ!!
《 行け!! ルナ!! 》
「うおおお!!!」
最期のチカラで聖剣を刺す!!
雷神の左脇腹へ!!
「ぐっ!! クソが!!」
ルナを見下ろす雷神!
見上げ微笑んでウインクするルナが見えた…
その表情のまま両目を閉じて、バタっと力尽き仰向きに倒れる…
雷神!
すかさず! ドスーン! とルナの上部を踏み!!
「ザコが!!」
最大のチカラでハルバードを!!
踏んだルナの上部を捻りながら!!
5人が支える大楯へ!!
これ以上は、この星に存在しない、速さと強さ…
それが!
大楯に当たる!!
パーーーーン!!
高速に垂直に飛ぶ、大楯と5人の聖騎士!!
大楯ごと闘技場の壁に当たる!!
グシャ!!!
一直線にへこんだ大楯の下から…血が流れる…
バスン…
前に倒れた大楯の向こうから…
力なく倒れる… 5名の聖騎士達…
プルプルと…
アヤとロックとゴドラが立ち上がる…
ダメージの大きいゴドラは虚ろな目で…倒れたサンタナとジョンソンを見て…
「前のサンタナは、あの一撃が当たった瞬間に死んじまった…後ろのジョンソンが両手を広げ…俺たちを庇ってくれた…」
胸部を両手で押さえて息が荒いアヤは、
右肩にマサカリ、左の脇腹に聖剣の刺さった息の荒い雷神を見つめ…
「アイツにも焦りが出てきている…体もかなりのダメージ…絶対に勝つ…」
アナの大神官は不安な顏で戦況を書き綴る…
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聖戦 ドトール闘技場
雷神
対
世界の聖騎士24名及び、序列1位アナの次期聖騎士候補2名とその他2名
序列2位 南の強国マックス連邦 最強の聖騎士『Ⅹ』 34歳 巨体
★雷神の右腿に渾身の一撃喰らわすも雷神のⅩ斬りにて 死亡
序列3位 ビジャ国 怒髪天こと 聖騎士キングレオ 56歳 巨体
序列4位 シーサファイア国 黒バラこと 聖騎士フィーン 27歳
★雷神の放った聖大剣Ⅹソードで右腕損失
序列5位 エッス国 破邪の日輪こと 女聖騎士 メルル 29歳
★裏切者クーニャの手により神器『シャイニング・トライデント』損失後、雷神竜巻斬りで 死亡
序列6位 ルグル国 閃光騎士 聖騎士グラディウス 37歳
★雷神竜巻斬りで 死亡
序列7位 モントリオ国 孔雀兜こと 女聖騎士 ロレディーナ 27歳
序列8位 ミリガン国 至高の聖者こと 女聖騎士 サラ 33歳
★マサカリで雷神の右肩に渾身の一撃を喰らわすも投げられ 死亡
序列9位 ブルファン国 烈士こと 聖騎士クーフォリア 39歳
★雷神竜巻斬りで 死亡
序列10位 ポレマリーナ国 機転殺法こと 聖騎士ゼルフィン 29歳
★雷神竜巻斬りで 死亡
序列12位 メフィスト国 空前絶後の逸材こと 女聖騎士フォックス 25歳
序列13位 フェリアス国 老将こと 聖騎士ドリアス 65歳
★雷神竜巻斬りで 死亡
序列14位 ペルジョル国 黒き牙城こと 黒人聖騎士 ジョンソン 31歳
★最大の一撃でアヤ・ゴドラ・ロックを庇い 死亡
序列15位 南クぺル国 毒クラゲこと 聖騎士オースト 30歳
★雷神の放った聖大剣Ⅹソードで 死亡
序列17位 クエス・アテネ国 最高奥義伝承者こと 聖騎士カルロス 24歳
★雷神竜巻斬りで 死亡
序列18位 北クぺル国 大楯マスターこと 聖騎士サンタナ 27歳
★最大の一撃を最前列で喰らい 死亡
序列20位 オーガス国 大器晩成こと 女聖騎士 ルナ 42歳
★アナの聖剣で雷神の脇腹に渾身の一撃を喰らわすも踏み捻じられ 死亡
序列21位 プレルートネクス国ネクス家最高傑作 女聖騎士シャーロット23歳
序列23位 ジェスパ国 泥サソリこと 聖騎士ゴドラ 34歳
★最大の一撃で負傷
序列24位 マダン国 無敗道こと 聖騎士バイゲリット 29歳
序列25位 カンナム国 難攻不落こと 聖騎士グラナダ 41歳
序列27位 ミール国 春風こと 女聖騎士 クーニャ 27歳
★雷神側に寝返り
序列28位 日の国 東洋の神秘こと 女聖騎士 アヤ 30歳
★最大の一撃で負傷
序列29位 アリアス諸島 聖シャチこと 聖騎士ロック 27歳
★最大の一撃で負傷
序列30位 クエス・トロン国 堅獣電撃復帰 聖騎士ゲッペル 46歳 巨体
アナ次期聖騎士候補
尽忠報国こと オリバー
ドトールの赤い髪こと メロディ
その他
狂猫こと ココ
メロディの懐刀こと ブロディ
★戦闘中に行方不明
殉職者 12名
生存者 14名
裏切者 1名
行方不明 1名




