98話 聖戦前夜 1
聖戦の前夜…
対 雷神
聖戦関係者、聖騎士、宿泊施設リスト『S』
ドトールエクストラホテルの前では…
豪華な馬車が数台止まる…
ホテルの入り口の周りには、物凄い数の人だかり…
向かいの建物の二階と三階から
【 聖戦で! 最強聖騎士Ⅹを継ぐ者! 黒バラ 大好きフィーン様! 】
【 我らの太陽! 日輪クイーン メルル様! 聖戦上等! 最強聖騎士へ! 】
横断幕が掛けられていた。
並びの真ん中の馬車の籠から、皇帝アーネストとフレデリクスが降り、ホテルの入り口に向かう。
皇帝の前後に2・2で、いつもの4人の親衛隊がいる。
ホテルに入って行く皇帝一同に…
周りの人だかりは…
シーーーンっとしていた。
ホテルに入った皇帝は左大臣に、
「兵は、しかとドトールの街の外に用意しておるな?」
「はっ、10万を野営させております」
「万が一に備え、すぐに動かせるように手はずをしておけ」
「はっ」
その後に、一番前の馬車の籠から…
序列4位 シーサファイア国 黒バラこと 聖騎士フィーン 27歳
序列14位 ペルジョル国 黒き牙城こと 黒人聖騎士 ジョンソン 31歳
二人の聖騎士が降りると…
女子「きゃああ~~!!」
女子「フィーーーンさま~~!!」
女子「フィーーーーーン!!」
女子「進化合気を極めた最強フィーン様には! もはや武器など不用!!」
マダム「フィーーーン! コッチ向いてーー!!」
マダム「んっもう~! フィーンの鎧のあの黒光り…はあ…はあ…たまらないわ!!」
ホテルの入り口へ、一直線に二つ並んだアナの兵達が壁を作り女達を押さえつける。
兵の上から、バラの花がホテルへの道へ無数投げれる
キラキラオーラを纏うフィーンに、横のジョンソンは、
「すごい人気だな? フィーン」
「民衆は強く美しい者に夢と色を抱くのさ…」
「あっそ」
ホテルへ歩む、その道中…フィーンはファン達に小さく右手を上げウインク。
マダム 「!! 今! ワタシに!? はあ…あっ…」
あるマダムは気絶…
マダム 「フィーン…グス…ぜったいに!! 死なないで!! うええ~~」
あるマダムは号泣…
ファンの中から、タンクトップの男が、
「ジョンソン! お前のスキンヘッドと鋼の体に惚れてる!! 応援してるぜ!!」
ジョンソンは少し嬉しそうに、
「俺にもファンがいたんだ…」
下を向いた…
一番後ろの馬車の籠から、太陽を模ったモニュメントが頂部についたエッス国の至宝『太陽の仮面』を被り顔を隠す…
序列5位 エッス国 破邪の日輪こと 女聖騎士 メルル 29歳
が降りると…
男 「きゃあ!! メルルちゃ~ん!!」
男 「日輪仮面! 脱いで!! 顔を見せて!!」
爺 「メルル様~~冥途の土産に! ご尊顔を!」
メルルの横にいた背の高い従者が…
背のかなり低いメルルを見下ろしながら…
「無視してホテルに参りましょう」
「いえ、人に夢と希望と幸せを与えるのも上位聖騎士の務め…」
両手で仮面をカパっと持ち上げた、
男 「うお!! かわいい!」
男 「あれで29歳!!」
眼鏡でガリのメルルマニア 「メルル様の背中にかけた…あの神器『シャイニング・トライデント』…あの大きなボウガンが唸る時…雷神の体に風穴が開くだろう…メルル様~!」
プルプル震える爺 「奇跡じゃ~~これで……いける!」
メルルは仮面をカパっと被り直し、ホテルへ…
その後… ドトールの民衆はざわざわしだす…
「オリバーはまだか?」
「なんで出てこねえ…」
「もしかして私達が去るのを待ってるのかも?」
「本当に卑怯者ね…」
前から二番目の馬車の籠の扉がゆっくり開き…
クマの様なオリバーが降りた…
すぐに…
「ごっらああああ!! オリバー!!」
「聖戦で死ね!!」
「よくドトールの地に足を運べたな!!」
「俺アイツの時だけ雷神応援するわ! ドトールの英雄バルムートを後ろから殺しやがって!」
オリバーに石や空き瓶が投げられる…
オデコに石が当たったオリバーは…
「ちっ…(カスムシ共が…)」
無言で、石や生卵やゴミを浴びながらホテルに入った。
聖騎士宿泊施設リスト『A』
明日の聖戦の地 『ドトール闘技場』 では…
闘技場の中央で大きな火が焚かれ、周りには、大きな鉄串に刺さった6頭の牛の丸焼きがある…
向かい合わせで座る、全長5メートルの二体の巨体…
序列3位 ビジャ国 怒髪天こと 聖騎士キングレオ 56歳
序列30位 クエス・トロン国 堅獣電撃復帰 聖騎士ゲッペル 46歳
黒い布を頭部にグルグル巻きの怒髪天は一本を手に取り、
巨体の頭と全身を、鉄の鎧兜で隠すゲッペルに差し出し、
「ヤケテル…クエ…」
「マダヤケテナイ」
怒髪天は牛を口に咥え…鉄串を抜き…
バキボキグチャグチャ
ゴックンと食べ終えて、
「ヤケテイタ」
ゲッペルも顔を隠す鉄兜を外して一本取って食べる…
「ウンマ」
全ての牛を食べ尽くした後…
ゲッペルは怒髪天の両ひざに巻いたサポーターを見て…
「ヒザハ?」
「マアマア…オマエハ?」
ゲッペルは右膝をドンっと叩いて、
「5ネンノ、リハビリデヨクナッタ」
巨体の二人を、闘技場の観客席の一番上で立ち見つめる…
序列7位 モントリオ国 孔雀兜こと 女聖騎士 ロレディーナ 27歳
風にたなびく孔雀の無数の羽の兜…その下の金色の長い髪…
透き通った眼差し… 胸と下腹部以外に装着していない露出の多い鎧…
腰には、花の形のツバの聖剣『イワタイゲキ』
ボソっと…
「スフィアの指定した日は明日だけど、時間までは指定してないから…夜、雷神が来るかもしれないから、主力をドトール闘技場に置いたのか?…それに、巨体の『Ⅹ』『怒髪天』『ゲッペル』が泊まれる場所など野外以外に無いもんね…」
後ろに、スッと、
3メートルの巨体…
容姿端麗で白のパーマ髪…
交差して二つの聖大剣『Ⅹソード』を背負う…
序列2位 南の強国マックス連邦 最強の聖騎士『Ⅹ』 34歳
が飛んできた…
ロレディーナは前を向いたまま、
「ちゃんと入り口から入ったら? エックス?」
「壁から上がった方が早い…」
腕を組んで、ロレディ―ナを見下ろす『Ⅹ』は、
「明日の聖戦…『オマエ』と『怒髪天』と『ゲッペル』は聖騎士側の最後の切り札とする…」
「総大将のエックスは?」
「オレは最初に出る…雷神とサシでやる…」
ロレディーナは初めて振り向いて、見上げ『Ⅹ』の顏を見て、
「聖騎士達を無駄に死なせたくないから?」
「ああ」
「果たして…フィアンセの『アヤ』が…あなた一人で行かせてくれるかな?」
エックスは力強い眼差しを、ロレディーナに送りながら、
「アイツは女の前に聖騎士である以上…納得してくれるはず…」
ロレディーナは、下の二人の巨体に顔の向きを戻し、
「さあ…あの二人に挨拶しなくちゃね…」
ロレディ―ナ、消える…
ヒラヒラ舞う… 羽毛一つ残して…
エックスは…
その羽毛を見ながら・・・
「素晴らしい身のこなし…さすが…オレの後に序列2位になる聖騎士…」




