レベル3のダンジョン
今日はナビが東京の奥多摩の山奥にレベル3のダンジョンが出現したと言うので攻略に来たが、凄い山奥だ。レベルアップしてなかったらダンジョンに着く前にへばっていたはず。やっとダンジョン発見。今回のダンジョンの入り口はただの穴だ。アイテムボックスにロープがあって助かった。でも、これならモンスターが溢れても出れないんじゃないかと思ったらナビが言うには余裕で出てくるらしい。木にロープを縛りダンジョンに降りていくと、壁はボコボコしているが通路も広く3mぐらいありそうだ。それにしてもアイテムボックス最高。あんだけ荷物を持ってダンジョン攻略してたのが嘘のようだ。ダンジョン前でプロテクター着けてヘッドライト付け大型LEDライトを肩掛けして弓だけ持って進めるし、矢も簡単に出せる。ダンジョンを進んでいくと第一モンスターを発見。今回のモンスターはウサギだ。ちょっと大きなウサギで可愛いな、撫でたいな。射るのを忘れて見ていたら、近づいてきたウサギが口を開けると凄い牙が。全然可愛くない。口が開いた時には矢を放ち殺していたけどね、ウサギはスライムと違って死体が残る。魔核は心臓の下にあるらしいが解体なんてやったこと無いよ、グロい。
「あ、シルバ食べていいよ」
食べるのも時間掛かるし、次からはアイテムボックスにしまうしか無いか。
また進むとウサギを発見、今度はシルバに戦わせてみるとウサギがシルバに噛み付いたところを体の一部を刺のようにしてウサギの頭を串刺しにした。シルバはピョンピョン跳ね褒めてと寄ってくるので撫でるとぷるぷる喜んだ。
シルバ強いな、聖剣無かったら勝てないな。
無事に階段を見つけると、ウサギ発見。でも今度のウサギは小さな角があるけど、小さ過ぎて攻撃されても大丈夫そうだ。弓で一撃だからこのダンジョンは楽かもと思ったら下に行くに連れて角が長くなり凶暴になっていく。
6階でまさかの出来事が。なんとウサギが角を飛ばしてきたのだ。俺は弾丸のような角に対応できずにいると、シルバがジャンプして円盤のような形になり角を受け止めた。俺は矢で殺してシルバを見ると無傷で嬉しそうに角を差し出した。
「シルバ大丈夫か? 怪我は無いか」
シルバはまるで俺を助けたことが嬉しいように俺の身体にすり寄ると俺の頭と胸を覆いつくした。まるでメタルスライムの鎧兜のようだ。スライムだけに動きのじゃまにならないし、重さも気にならない。
「シルバこれ最高だよ、防御もバッチリだよ、ありがとうシルバ」
弓だけで10階まで来ると扉があった。最後のボスかと思ったらダンジョンは10階毎に階層主が居るらしい。俺は弓をしまい聖剣と新たに買ったラウンドシールドを装備した。
扉を開けて中に入ると、ちょっと大きく立派な角を持つウサギと4匹の角ウサギが居た。
しかし、聖剣の前では余裕だった。ただ切り裂かれたウサギはグロテスクで、休憩がてらシルバに食べてもらった。たった1日道場に行っただけで、剣の動きの違いが解る。道場に行って正解だったな。毎週ちゃんと通います。
俺も遅めのお昼を食べ終え、シルバの食事が終わったので探索を再開した。
階層が下がるに連れてウサギの動きが速く変則的になり、苦労していると
《マスター、聖剣の能力を使わないのですか?》
「聖剣の能力?」
《稲妻を操る能力です》
「あ、そんな能力があるの忘れてた、でもどうやるんだ? 雷雲も無いダンジョンで」
《マスター、聖剣の剣先を相手に向け、稲妻をイメージしてください》
俺は言われた通りウサギに向け稲妻をイメージした、すると閃光と共にウサギに雷が直撃した。
ウサギを見ると頭に落雷を受けて絶命していた。
「ナビこれは凄いな、これがあればどんどん狩れるよ」
《マスター、稲妻を操る能力は体力を使います。無闇矢鱈に使わないでここぞと思う時に使ってください》
「ナビ、ありがとう、考えて使うよ」
そのまま、シルバの防御力と聖剣を使い、15階のダンジョンボスの部屋まで来た。
「ナビ、ボスはどんなモンスターか解る?」
《すみません解りません。お役に立てずすみません、マスター》
「大丈夫だよ、じゃいっちょ殺りますか」
扉の前に立つと扉が自動で開き中に入ると、中には青白い毛並みに青いクリスタルの長い角を持つウサギが居た。
俺は先制攻撃と稲妻を放つとウサギがそれを避けた。
「嘘だろ」
ウサギの動きは目で追うのがやっとな速さで角を剣のように使い攻撃してくる。
聖剣で斬ろうとするも避けられ逆に攻撃されてしまう、しかもシルバの体にいくつもの傷ができてる。
「シルバ大丈夫か」
シルバを気遣い下がろうとするもウサギは追い撃ちを掛ける。
不味いと思った時、身体からシルバの重みが消え、まん丸になったシルバの体にウサギの角が刺さったことで一瞬ウサギの動きが止まり、俺は無我夢中でウサギを切り付けた。
《レベルが上がりました》
声が聞こえ、倒した声を確認するとシルバに駆け寄りシルバを抱えるとウサギに受けた傷が消え、嬉しそうに俺にスリスリして俺の傷を治してくれた。
「シルバ、ビックリしたよ。良かった無事で。ご褒美にボス食べていいよ」
俺はナビの指示で直ぐにダンジョンコアに触れ、ダンジョンコアを吸収した。
《俊足のスキルを獲得しました、反射神経上昇のスキルを覚えた》
俺はそのまま、地面に座り込み
「マジでダンジョンボスは嫌いだ。疲れた、ナビ、どこか裏口とか無いのか」
《出るにはまた上らないと出られません》
「マジかもう新たなモンスターは発生しないなら、この部屋は安全?」
《はい、マスター、この部屋は安全です》
俺は疲れて体力を使い切り、アイテムボックスから寝袋を取りだしその場で眠りに就いた。
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