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気まぐれ短編集

九ミリ銃

作者: 之雪

 ネットで面白い物を見付けた。

 『九ミリ銃売ります』そう記されていた。

 値段は一〇万。気軽に出せる額ではないが、本物の銃の値段だとすると安いのかも。

 九ミリ銃とは、使用する弾丸の口径が九ミリの銃という意味だ。あの有名なワルサーP38がそうだし、ベレッタなどの軍用銃も大概はこれだ。

 銃の種類が書いていないのが気になるが、九ミリならほぼ間違いなく自動式拳銃だろう。P38はアンティーク扱いで高価だし、ベレッタの払い下げ品か、トカレフあたりか。

 ボロい銃だとしたら高い気もするが、何しろ非合法な品だ。このぐらいの値段で手に入るのなら安い買い物かもしれない。試しに注文してみる事にする。


 数日後、宅配便が届いた。箱はかなり小さいやつで、銃が一丁入っているだけなら丁度いいサイズだが、やたらと軽いのが気になった。

 まさか、騙されたのか? 不安に思いつつ箱を開封し、中身を確認する。新聞紙が詰めてあり、それらを取り出していくと……封筒が一通、入っていた。

 もしかすると銃を直接送るのは危険なので、この封筒に受け渡しの手順か何かを記した紙が入っているのかもしれない。

 封筒を開けてみると、中にはエアクッションに包まれた何かが入っていた。不安に駆られつつ、エアクッションを広げてみると、そこには。


 全長九ミリの、小さな小さな銃があった。俺はそれを握り締め、パソコンのモニターを殴った。

 モニターが割れた。しかもモニター一体式PCだったのでパソコンが壊れた。二〇万もしたのに。

 全部で三〇万の損失。痛い勉強代だった……。


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