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忍と刀と戻らぬ簪  作者: 秋田友
弐の章-追想の明星-
20/20

弐の五

 千秋学園の正門前で、美月は待っていた。

「どうしてここに?」

「待っているだけというのは落ち着かないですから。私の方から会いに来ました。今日は日直か何かですか?」

 違う。授業はとっくに終わっていて、弥勒は日直も委員会もやっていない。

(オレは、臆病なだけだよ)

 美月と決別する決心がつかなくて、弥勒はこの時間まで教室にいた。

「まあ、そんなところだよ」

 美月はそうですか、と微笑んだ。

「少しだけ、私の用事に付き合っていただけますか?」

(ダメだ。言え。いい加減見切りをつけろ)

 弥勒は自身にそう言い聞かせる。

 目の前では美月が楽しげに、そして期待に満ちた表情で立っている。

「いいよ。どこに行くの」

「駅前です。こんな時間ですし、夕食に付き合ってください」

 時刻は午後六時半を回っていた。

「何か食べたいものはある? こんな時間まで待たせちゃったから、出来る範囲でご馳走するよ」

「前から入ってみたいお店があったんです。そこに連れていってください」

 美月が告げた店の名前は、誰もがよく知るファストフード店だった。

 駅前は弥勒の家と反対方向で、高等部の校舎からは歩いて十五分ほどの距離だ。部活終わりの学生たちが通りを賑わせていた。

聖園(みその)は下校中の寄り道禁止ですから、こういうところに入る友達もいなくて。普段入らないお店は作法が色々と違うのではないかと思うとひとりではなかなか入れなくて」

「普段はどんなところに入ってるの?」

 美月が挙げた店の名前は、弥勒ですら知っている高価な料亭やレストランだった。

(確かに、そういうところとは色々違うよね)

 弥勒は思わず苦笑いした。

「でもいいの? 見つかったら大事(おおごと)になるんじゃないの?」

「平気です、きっと。聖園(みその)の方々はここに立ち寄りませんから」

「確かにそうかもね」

 ハンバーガーを食べ、フライドポテトを摘まみ、頬張ったそれらを炭酸飲料で流し込む。たったそれだけの粗野な食事に美月はいちいち喜んだ。その時の表情は、葉月のものとは異なる、美月だけが持つ表情だった。

「弥勒にはご兄弟がいますか?」

「いるけど、どうして?」

「前に私に同じことを訊いたでしょう?」

「なるほどね、確かに。オレだけ話さないのは不公平だ」

「弥勒のご家族の話を、聞かせてください」

 美月はニコニコと楽しそうにしている。

「オレの親族はもうほとんどいない。色々なことがあってね、みんな亡くなったよ。生き残ってるのは、母方のばーちゃんと妹だけ」

 しかしその楽しげな表情も、弥勒の話を聞くにつれて強張る。

「妹は十歳以上歳が離れてて、今はばーちゃんのところで暮らしてる。(ほたる)っていうんだ。可愛いよ」

 家族が亡くなった話は、どの国でも避けられる話題だ。きっとその話題は克服した本人よりも、初めて聞かされた他人の方が強い苦痛を伴う。

「そんな顔しないでよ。もう終わったことだし、どうしようもないことだったんだから。遅かれ早かれ、オレの家はそうして崩れる運命にあったんだから」

 美月は今にも泣きそうな表情をしていた。

(感受性が強いというか、他人の気持ちを置き換えるのが上手いというか)

 共感というのは、他人の体験談を自分に置き換えてしまった時に涌き上がる暴力的な感情の波だ。美月はそれに対して敏感なようだと弥勒は知った。


「ご馳走さまでした、弥勒。とても美味しかったです」

 店の外で美月は小さく頭を下げた。

「こんなので喜んでくれるならいくらでも連れてきてあげるけど」

「次を楽しみにしています」

(ゴメンね、美月。次はないよ)

 純粋な美月の笑顔を裏切ることに弥勒は罪悪感を覚えた。

「もう遅いし、家まで送るよ」

「ありがとうございます」

 時刻は午後八時を回っていた。

(封和、ちゃんとご飯食べたかな)

 道中で弥勒はふと封和のことが気になった。

「美月はさ、学校に友達はいる?」

 今は邪念とすら思える封和のことを頭の隅に追いやって、弥勒は美月にそんな問いを投げかけた。

「友達ですか? 難しいですね。もしかしたらいないのかもしれません」

「もしかしたら?」

「はい。私は彼女たちを友達だと思っていますが、彼女たちが私をそう思ってくれているとは限りませんから。私は基本的に一人で過ごしていますよ。都合が合えば彼女たちと行動を共にします」

「そうなんだ」

「ええ。弥勒は? いつも封和さんと一緒ですか?」

「そういうわけじゃないよ。ひとりになることもあるし、学校では同級生と話すことも多いかな」

「弥勒は友達が多くいそうですね」

「そうとも限らないよ。オレも美月と同じでさ、気が向いたら一緒にいるだけだし」

 橋を渡ると聖園(みその)女学院が見える。

「多分そういうのは友達って言わない。だからオレには友達なんてひとりもいないんだよ」

「封和さんは? 友達ではないのですか?」

「封和は友達とは違うかな。幼馴染みっていうか、腐れ縁? ずっと一緒にいるし」

「そうなんですか。封和さんが羨ましいですね」

「どこが?」

「弥勒とずっと一緒にいられることが、羨ましい」

 弥勒は言葉に詰まった。それは美月の言葉に、初めて彼女の本音を見た気がしたからだ。

「オ……オレなんかと一緒にいても、途中からうんざりすると思うよ。封和なんて最近、オレに怒ってばっかりだし」

「そんなことありませんよ。弥勒は素敵です」

 弥勒は思わず足を止めた。

「どうかしましたか?」

「オレは、美月がうらやましいよ」

 禁じられたことを簡単に破れる勇気が美月にはある。下校中の寄り道なんて弥勒にとっては小さなものだけど、聖園女学院では処罰ものだ。停学になってもおかしくはない。他校の校則の詳細なんて弥勒は知らないけれど、なんとなく弥勒はそうだと思っていた。

(学生にとって、停学って物凄い汚名なのに。どうしてそんな簡単に危険の中に飛び込めるの)

「私なんかを、羨まないでください」

「どうして?」

「知らない方がいいことだって、たくさんあるんですよ」

 美月は変わらない笑顔でそう言った。


 バイバイ、と。弥勒は美月を送り届けるとそれだけ告げた。

(オレ、ズルいな。はっきり言えないなんてさ)

 美月と話していると、別れを告げる決心が鈍った。もしかしたらまた会えるかも知れない、そんな期待が膨れ上がった。けれども封和にはそんなこと言えない。だからわざと曖昧に濁した。

「別れは済んだか」

 リビングで待っていた封和が言う。

「うん。ちゃんと言ってきた」

「なら、もうこれまで通りだ。美月のことは忘れよう」

「うん、そうだね……」

(これまで通りって……どうやって過ごしてたっけ)

 たった数日、美月が弥勒の生活にいた。

(それだけ、なのに……)

「なんて顔してるんだ」

 封和に言われて弥勒は我に返る。

「……オレ、どんな顔してた?」

「情けない顔だ。お前、表情を隠すのが下手になったんじゃないか? 忍たるもの、思考を相手に読ませていては命を落とすぞ。忘れたわけじゃないよな?」

「そりゃ……もちろん、覚えてるよ」

(弥勒……お前、いつもの減らず口はどうしたんだ? 今のお前は、どこかおかしいぞ)

 封和には弥勒が何かを失った状態に見えた。それは日常生活から習慣の一部を切り取って、取り上げてしまったような、そんな感じだった。

(失ったって、人はそれを忘れて新たな生活に慣れていく……そういうものだろう)

 些細なボタンの掛け違いが起こっただけだ。ここ数日はその状態が続いただけだ。掛け違ったボタンの直し方を自分たちは少しばかり思い出せずにいただけで、今はもう大丈夫だ。

(その、はずなのに……)

 封和は未だに漠然とした不安に襲われている。取り去ることの出来ない気持ち悪さは胸の内側で(うごめ)いている。

(これは、なんだ? どうして私はまだ、こんなに……?)

 その理由は分からなかった。美月と決別したと弥勒は言っているがそれを封和は少しばかり信じられていない。そんな風に弥勒を疑ってしまっている自分がまだいた。

「弥勒。お前、明日は諏訪に戻れ。しばらく帰っていないだろう。妹がそろそろ寂しがる頃じゃないのか」

「え? ああ……そういえば、そうだね。夏休みの間も帰ってないし……でも、ちょっと急すぎない?」

「急も何も、実家に帰るのに用意もいらないだろう」

「まあそうだけどさ」

「杏の傷もまだ治っていないし、今しか帰る機会はないんじゃないか。丁度いいだろう。行って、たまには羽を伸ばせばいい」

 弥勒はじっと封和の顔を見た。

「封和がそんなこと言うの珍しいよね。オレを遠ざけて何かするつもり?」

「何も企んではいない」

「ホントに?」

「疑り深いな。本当だよ」

「じゃあ、行ってくるけど……封和、倒れるほど無理しないでよ。ひとりじゃ気づいてくれる人もいないんだからね」

「分かってる」



 弥勒は早朝に諏訪に帰った。

 まだ日も昇らない時間だ。町が寝静まっているのは諏訪も日本も変わらない。

「ピィ」

 小さな鳴き声がして、弥勒の肩に鳥が止まった。

「おはよう、暁。起こしちゃった?」

 日本では出てくることのない弥勒の相棒、暁だった。暁は弥勒の頬にじゃれるように体を擦り付ける。それが喜びの表現なのは昔から知っている。

「そっかそっか、暁も出てくるの久し振りだもんね。諏訪だと嬉しいよね」

 ピィ、と暁は小さく鳴いた。どこまで言葉を理解しているのか分からないけれど、少なくとも感情は理解しているのだと弥勒は思う。

(ほたる)もばーちゃんも、きっとまだ寝てるだろうね。久し振りに森に行こうか」

 暁は嬉しそうに羽ばたいた。

 弥勒が足を向けた森は、三人の思い出の場所だった。封和が鍛練に励み、葉月が基礎の習得を目指し、弥勒がサボって封和によく殴られた――そんな場所。暁はひどくこの森が気に入っているらしく、弥勒は諏訪に帰る度にここに立ち寄る。

 弥勒はいつも三人で過ごしていた森の中心にある開けた場所に自然と足を運ぶと、そのまま暁を自由に放して昼寝をしていた木の枝に登った。

(なんでかなぁ、ここにいる時が一番落ち着く)

 幼い頃からなぜかその木の枝だけ、弥勒が寝た時に収まりがよかった。それは手足が長くなった今でも変わらず、その木を弥勒は家のように拠り所にしている。

 暗い空に浮かぶ明けの明星を眺めながら、弥勒は過去を回想した。


 ◆


 恋人の姿は、恐ろしい程の変貌を遂げていた。

「は――――づ――き――?」

 それは幼い弥勒には衝撃的すぎるもので、目の前にあるものが現実ではないと決めつけたくなる程だった。

 高炎寺家の屋敷に居たはずの葉月は、庭にあった大樹に身体の半分以上を呑まれ、虚ろな目をしていた。そしてその樹の根は異常な速度で成長し、高炎寺家に攻め入った忍に次々と巻き付いていく。根に触れた忍は、悲鳴をあげると皆一様に干からびていく。それはまさしく地獄絵図だった。

「葉月――やめ、ろよ――そんなこと、しなくていいんだよ……。オレが葉月を、守る、から……」

 遠巻きに弥勒は葉月に話し掛けるも、葉月から返ってくる言葉はない。

「ハハハハハ、良いぞ葉月! その調子で他国の忍を掃討しろ!!」

 大樹の隣に立ち、葉月に向かって声を掛けるのは、高炎寺の現当主にして弥勒の父である高炎寺永熾だった。

「何やってんだクソ親父ッ! 今すぐ葉月を解放しろッ!!」

「解放? 何を言っている、弥勒。御樹みきに呑まれた者は、一生を人柱として過ごす運命にある。葉月はもう、今までのようには生きられぬよ」

「――ッ。親父が葉月を諏訪に連れてきたのはこの為だったのかよ」

「無論だ。もう何年も前にこの樹を使う事は決まっていた」

「今すぐ葉月を止めるつもりは?」

「あるわけなかろう。今、葉月を止めれば高炎寺の血が絶える。我々は子孫を、血を残さねばならぬ」

「そう――」

 弥勒は父にそれだけ告げると、軽蔑の眼差しを一瞬だけ向けて、葉月に向き直った。

「ねえ、葉月。まだオレの声が届くなら、聞いて。オレ、葉月をこんな目に遭わせた高炎寺を許さない。オレ、前に言ったよね。葉月に酷いことをするやつは、誰ひとり容赦しないって。だから、さ――もうやめてよ。葉月がそこから動けないって言うんなら、オレもずっとここにいる。死ぬまで葉月を守るから」

 弥勒が想いを告げると、大樹の枝が細かく震えた。それはまるで、葉月が頷いた様に弥勒には見えた。

「弥勒、言葉を掛けても無駄だ。『コレ』は完全な失敗作だ。言葉など届かんよ」

「黙ってやがれ、クソ親父。テメェと話すことなんか何ひとつねえ」

 葉月を物として扱う永熾の物言いは、弥勒の神経を更に逆撫でた。

「殺してやる――お前なんか、父親じゃない! 殺してやるッッッッ!!」

 弥勒は凄まじい剣幕で永熾を睨み付け、禍々しい程の殺意を向ける。永熾はそんな拙い息子の殺意をものともせずに、悠然としている。

 弥勒は高炎寺家の一級家宝である不死鳥を声も出さずに呼び出すと、その炎を身に纏い永熾に向かって走り出す。殺意の所在は明確で、それ故に弥勒に迷いなんてなかった。肉親だろうと、血縁者だろうと関係ない。弥勒は自分の世界を壊した永熾をひどく憎んだ。

「不死鳥の炎を纏ったからといって、私を殺せるとでも思っているのか? 実力差も解らず感情に任せて向かって来るとは、我が息子ながらなんと愚かっ、なっ――!?」

 永熾の声は不自然に途切れた。弥勒がそう思ったと同時に、永熾の胸からは樹の根が生えていた。

 否、根が永熾の心臓を穿っていた。

「う――あ――アアアアァァァァッッッッ!!!!」

 数瞬の間が空いたかと思うと、永熾は断末魔の叫びを上げた。苦しそうにのたうちまわり、もがき、心臓を穿ったはずの根を握り締めて、苦しみを紛らわそうとしている。

 しかしそれは抵抗にすらならなかった。みるみる内に永熾の身体は干からび、庭に転がる死体の姿に近付いていく。

 やがて叫びは聞こえなくなり、そこには人からはかけ離れた姿の永熾の身体が転がった。

「――葉月?」

『弥勒――』

 心に直接響いてくるような声だった。それでも弥勒にはその声が葉月のものだとはっきりとわかる。

「葉月!? オレの声が届くの!?」

『あの人が、弥勒を傷付けようとしたから――』

「もういいよ、葉月。そんな酷いこと、しなくていいんだ。オレ、もう葉月を誰にも渡さないよ。だから、一緒に――」

『ごめん、なさい。それは、出来ないの――』

「どうして!?」

『私の意識は、この樹に吸い取られている――今、こうして話すのも、難しいくらい――この樹の生命力は凄まじい――。ねえ、弥勒――お願いが、あるの――』

「何? 葉月のお願いなら、オレ――」

『私を、殺して――。私の意識が残っている内に、私が人である内に、弥勒の手で――』

「それは――」

『酷なことを言っていると思う。でも弥勒、このままだと、私は。あなたを誰かも解らずに殺してしまう。それは、嫌なの。――弥勒だけじゃない。このままでは、封和も――殺してしまうかも知れない』

「嫌だよ――そんなの、絶対に嫌だ――葉月はオレに独りで生きろって言うの!?」

『弥勒は、独りではない――封和が、いるもの』

「出来ない――出来ないよッ!! オレには葉月を殺すなんて――ッ!」

『お願い、弥勒――。私が、大切な人を、殺してしまう前に――お願い、弥勒――』

 弥勒は躊躇(ためら)う。

 弥勒に葉月を殺すなんて出来ない。けれども、葉月の願いを叶えないというのもまた、弥勒には出来ない。

 矛盾を抱えた弥勒は苦しむ。

(アカツキ)

 弥勒は静かに不死鳥の名を呼ぶ。主人の心情を察した不死鳥は、物静かに弥勒の肩に止まった。

「お願い、この根を焼き払って――焼き尽くして」

 不死鳥は静かに一声鳴くと、大きく翼を広げて羽ばたいた。すると辺りはたちまち火の海になった。

「ゴメン、葉月――――ゴメンッッッ!!!!」

 弥勒は炎の色を反射する鈴を掲げ、不死鳥に負けないだけの炎を生み出した。それは葉月を呑んだ樹の幹を覆い、灰に変えていく。

 その様子を、弥勒は目を背けずに、涙を流しながら見詰め続けた。

『弥勒――私ね、あなたのことが本当に好きだった。いつも無邪気に笑っているところも、私を最優先に考えてくれる優しさも、大好きだった。不思議ね――普段は恥ずかしくて言えないのに、今はすらすら言葉が出てくるわ』

「葉月――オレも、葉月のことが大好きだよ――」

『フフ、ありがとう。でも私の弥勒への想いは、そんなものじゃない、たった今、そう気づいてしまったの』

「?」

『愛してる。私、弥勒を愛しているわ』

「フ――フフフ――ハハハハハ――オレ、バカだな。こんな簡単なことにも気づかないなんて、さ……」

 弥勒は涙を拭う事もなく、笑い出す。

「オレも――葉月のこと、愛してるよ」

『フフ――私、今、最高に幸せよ、弥勒』

 涙を浮かべながらも幸せそうに微笑む葉月が嘘をついていると弥勒は思わなかった。

 (つか)の間の幸せな一時――命が散り逝くまでの儚い時間を、炎はすぐに奪い去った。

「葉月ィィィィィッッッ!!!!」

 炎の舌が葉月を魂ごと絡め取った時、弥勒は本心を(あらわ)にしてしまった。葉月にその姿が知れないのが、唯一の救いかもしれない。

 幹が灰に変わると、根はすぐに燃え尽きた。幹から何かしらの力を得ていたのだろう、葉月の命が絶えたらすぐに御樹は白い灰になった。

「葉月……葉月……はづ…………き……」

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