《閑話》 破滅の足音は、媚薬のようにこの身を侵す(ブラッド)
今回、変態鬼畜眼鏡視点です。ガッツリR指定です。
気分が悪くなる事請負なので、苦手な方は必ず回避して下さい。
この閑話を飛ばしても、話は繋がる筈?
ジャッキーの閑話まで飛ばして頂くと、不快感はかなりマシだと思われます
今年の入学式は、何時ものソレとは何処か違っていた。
何が違うのか、最初は解らなかった。強いて言うなら、学園に漂う空気が変質したとでもいうか……?
何時もとは違うソレに、ボクは気分が高揚していくのを感じていたーーー
初めて彼女を見た時の気持ちは、驚きと興奮。
彼女の容姿は、ボクが求めて止まないあの娼婦に、とてもよく似たものだった。一度もボクを受け入れてくれる事のなかった、伝説の高級娼婦と呼ばれた彼女。
何とか彼女を手に入れるため、巧妙に、そして慎重に、蜘蛛が巣を貼るように罠を張り巡らせた。後はこの腕に堕ちてくるのを待つだけ……の筈だった。しかし彼女は、ボクをあざ笑うかの様にスルリと罠を躱し、手の届かない様な遠くへ飛んで行ってしまった。
妊娠を理由に娼婦を退き、貴族に身請けなどされて、まんまとボクから逃げ出したんだ。その貴族は、彼女が人の視線にさらされる事すら厭って、自分が所有する地の別荘に、彼女を囲い込んでしまった。
そんな事をされてしまえば、その貴族が誰かも知らず、繋がりも持たないボクには、彼女のいる場所さえも解らなくなる。彼女に逢う事は二度とないのだと、そう諦めていたのだ。
もう二度と手に入れる事はかなわないと思っていたボクの獲物。それが今、目の前に現れたのだ。彼女の娘という姿で現れた、ボクだけの獲物……。
ミシェルと名乗ったボクの獲物は、彼女を彷彿とさせる巧みさで次々と男を陥落していった。その行動には、彼女のような聡明さを感じる事は無かったが、演技の可能性もある。彼女の娘なら、何か裏があってもおかしくないのだから。
捕まえるには慎重さが重要だ。あの時のように逃がすつもりは、さらさら無い。彼女の時よりもっと綿密に、時間をかけて罠を張らなくては……。
ミシェルの取り巻きに加わり、日々を共に過ごす。彼女はボクの目の前で、娼婦のように次々と男を誑かしていく。流石は彼女の娘だけあり、最後の一線を超えずに男を手玉に取るその才能。
側にいればいるほど独占欲が刺激され、凶暴な欲望が育っていく。必死に抑え込んでいても、次々と湧き上がる嗜虐心と征服欲。
日々強くなるその昂りを鎮めるため、彼女と同じ瞳を持つ生徒を罠に嵌めた。貴族の子女といっても、所詮は只の子供。与えられる悦楽に陥落するのはあっという間だ。身代わりを責め苛みながら、頭の中で彼女を汚す。
本当は彼女に施す予定の調教を、身代わりに与える。その倒錯的な行為で、彼女に抱く嗜虐心を慰めながら、どうやって彼女を蜘蛛の巣に絡め取るのかを妄想する。
自分が壊れていく音が聞こえるが、それすらも媚薬のようにこの身の興奮を高めていた……。
彼らの存在に気付きたのは、偶然だったのか? いや、運命であったに違いない。
筋肉しか取り柄の無いロバートが、カフェテリアで起こしたあの茶番。
彼女ーーーアンジェリカは友人を守るよう、強い意志を秘めた瞳でロバートに対峙していた。さげずむような瞳でロバートを見つめ、辛辣な言葉を投げつける。まるで、気高い女王のようなアンジェリカ。
汚された事などない、想像すらもした事がないであろうその瞳に、ゾクゾクするものを感じる。
気の強いあの瞳は、好きでも無い男に組み敷かれた時、どの様に変化するのだろうか……?
想像するだけで、下半身に熱が集まった。この修羅場とも言える状況で、1人欲望を高まらせる自分が酷く滑稽で、更に興奮してしまう。
直ぐにでも達してしまいそうな興奮の中で、彼らはさっそうと現れた。
まるで大事な宝石を守る様に、その背にアンジェリカを隠し、絶対的な強さを込めた瞳で周囲を圧倒し、事態を収束させた。
この国の皇子であるカイル殿下とルイスには、“顔の綺麗な人形”という様な認識しか持っていなかったのだが……。
何物にも汚されることのない、絶対王者の風格。そこに見え隠れする、まだまだ子供の域を抜け出ることのないアンバランスな色気。自分たちに足りないものを情熱で補うかのような、愛しい宝石に向ける真摯な瞳。
彼らの大切な女性に対する態度や、言葉にはボクの神経を掻き毟る様な何かがあった。同時に、抑えようの無い嗜虐心が芽生える。
彼らは、もし自分の目の前で愛しい少女が陵辱されたとき、あの強い瞳にどんな色をつけるのだろう……。また、愛しい少女の目の前で陵辱されれば、どんな声で啼くのか……。
それは、とても耽美な誘惑で、その日から彼らを見かけるたび遠慮なく視姦した。欲望を隠す事なく彼らを見つめると、怯えた様にボクから視線をそらす。その姿にまた昏い欲望が高まり、新たな生贄の子羊を手に入れる事になっってしまったのだが、これは必要な犠牲だろう。
子羊達に調教を施しながら、満たしきれ無い欲望を彼らの写真にぶち撒ける。それでも、まだ足りない。
この欲望は、本人にぶち撒けるまでは決して満たされる事など無いのだ。
あの男の存在が気になったのは、彼があの男を頼りにしているのに気付いたから。
あの男は、執事という立場を最大限に活用して、カイル殿下の一番近い場所を手に入れていた。ルイスに向けているものとは少し違う、だが意味あいは同じカイル皇子の視線を、当然の様に受け止めている執事。
まるでカイル皇子を甘やかすように、彼の意のままに動き、信頼の瞳を向けられるあの男。ルイスまでもが、同じ瞳であの男を見ていた。
その瞳は、本当はボクに向けられるべきものなんだよ? そして、信頼を裏切られ絶望に変わっていく様を、一番近い場所で見るのがボクなんだ……。
なのに何故、君たちはそんな男にその瞳を向けているんだい……?
あぁ! 彼らをボクで汚したい。
その身が、ボク自身でドロドロになるまで、何度でも……。
なんて素敵なんだろう……。想像するだけで……、何度でも、イケてしまう。
アンジェリカ、ミシェル。君たちには素敵な首輪を用意してあげよう。上下の口を塞いで、ベッドの上で飼われる、ボクの可愛いペットにしてあげる。
カイル皇子とルイスには、暴れる事が出来ない様に手足の拘束が必要だね。
彼らの辛辣な言葉が、哀願に変わる瞬間を見逃さ無い様に、口を塞ぐのは止めておこう。
上手にお願いできたら、愛しい少女に触れさせてあげても良い。
それは想像するだけで、達することが出来るくらいの楽園だった。
その光景を目にしたのは、全くの偶然だった。隣国のヘンリー王子が協力を求めてきた、カイル皇子捕獲計画。
かの王子はミシェルに病んだ好意を寄せており、カイル皇子に一方的な敵意を向けていた。協力してやる義理など無いが、ボクにとっても、それでカイル皇子が手に入るのであれば損な話でも無いので、適当に合わせてやっていた。
その計画の一端として、ミシェルに協力するという建前で、ジャッキーが彼らに近づき罠に嵌める予定になっていた。
だから、カイル皇子の部屋から2人が出てきた時には、特に驚きも感じなかったのだが……。
その際に見せた、いつも通りのジャッキーのミシェルへの求愛の仕草に、彼女が確かに反応したのだ。
その表情には、幼い欲情が見えていた。……ボクは、愕然とした。
彼女には、今まで“女としての欲”は全く見られなかった筈。彼女の恋愛は、ゲームを楽しむかのように、いかに身体を使わずに籠絡するかが重点だった筈なのだ。
なのに、ジャッキーに見せた恋情を秘めたあの顔……。
……許さないよ……?
絶対に!!
もう、ヘンリーの考えた作戦なんてどうでも良い。
ミシェル、君を今から捕らえてあげよう。そして芽生えたばかりの恋情を、粉々にしてあげる。
ジャッキーの見ている前で、淫らに喘がせてあげるからね?
好きな人の目の前で汚されて、君はどんな鳴き声をあげるのかな? あの純粋そうに見える瞳が壊れる所が、見たい。汚される瞬間、君は目の前にいる大好きな相手に助けを求めるのかな? それとも『見ないで欲しい』と泣き叫ぶのか……。
よがり狂いながら、君はどんな風に絶望していくの?
昏い喜びに身を浸しながら、ミシェルとジャッキーの2人を多少強引に罠にかけ、絡め取った。
誤算だったのは、オマケが付いてきたことだ。
それも、嬉しいオマケが……。
今、ボクの部屋には4人の生贄がいる。捕えた4人を見つめ、唇の端を釣り上げたような笑みを浮かべてみせる。その笑みに4人が怯えているのが、また……。
その瞳が堪らない……。もっと、怯えて? 直ぐに絶望も味あわせてあげる。
先ずは、どの子から可愛がってあげようか……?
これから始まる楽しい時間を想像しながら、ミシェルとジェシカに媚薬を嗅がせた。
薬が効いて来るのを待ちながら、両手を拘束したジャッキーの服を切り裂いて剥ぎとり、そのすぐ側にジェシカを放置する。
媚薬が効いてくれば、自分から服を脱ぎ、側にいる相手に縋りつくだろう。ミシェルは自分が好きな相手の目の前で汚されながら、好きな人が自分以外と交わる所が見れるんだ。
それは、どんな絶望を彼女にもたらすのだろうか……?
ああ、考えただけで……、ボクは!!
恍惚とした笑みが浮かぶのが、自分でも解るよ? 最高に楽しい時間になりそうだ……。
アンジェリカは、どうやって壊してあげるのがベストかな……?
そうだ、アンジェリカには特等席を用意してあげよう。手足を拘束して、全ての行為が一番見やすい場所へ。
彼女には、親友が自分から汚れて壊れていく様をじっくり見せてあげる。あの茶番の席で、精一杯ジェシカを守ろうとしていたアンジェリカ。
助ける事も出来ずに、目の前で親友が壊れるさまを見る事が、彼女にどんな変化を与えるんだろう……。
そしてミシェル。今から君は可愛い姿を、ジャッキーに良く見てもらおうね。
4人とも、うんと優しく壊してあげる。
さあ、狂宴の始まりだーーー
この話が、「萎えそうな気持ち」の原因でした。
書いてて、自分の目が死んでくるのが解った……
続きは、出来るだけ早めにアップしますね。




