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10 ビッチの生い立ちがやっぱりアレな感じだった

説明回です

ルイスとはいつも通り執務室で落ち合った。そして、執務も手伝ってもらう!

一人で出来ない量じゃないが、ルイスってばスゲー優秀なので、手伝ってもらうとかなり仕事が捗るんだよ。その分、俺の自由な時間も増えるしさ!


「悪いな、ルイス。……お前が手伝ってくれるおかげで、かなり助かってる」


計画会議の為に呼び出したくせに、その前に執務を手伝わせているなんて……。ホント、悪いと思ってる。

……べ、別に、狙って執務を残してた訳じゃないぞ? 今日新しく来たものなんだからな!?

マジで悪いと思ってるんだからねっ!


「これ位かまわないよ。て言うかむしろ、今までこの量を一人でほぼ毎日片付けていた事に驚きだよ……」


でも、優しい優しいお義兄様は、余裕のある男に相応しい余裕のある言葉で、俺の謝罪を受け止めてくれた。

なので、俺は調子に乗ってしまう。


「そう思うなら、ちょくちょく手伝いに来てくれても、良いんだぞ?」

「ふふ……。今回の件が上手く行ったら、毎日手伝ってあげるよ」


冗談のつもりで言ったら、快諾されてしまった。

腹黒くも優しい未来の義兄は、これからも手伝ってくれるつもりでいるらしい。

ならば今回の計画、是が非でも成功させないとな!



あっと言う間に執務を片付けた後、今日の最終打ち合わせをする前に、2人で現状を整理しておく事にする。

まず、奴らの動向だが……。


案の定、ビッチを中心に、見事な逆ハーレムが形成されているらしい。

人目も気にせずに中庭で「キャッキャ、うふふ」と戯れている姿が何度も目撃されている。更には、6人がビッチの気をひく為に、人前であろうと御構い無しに、ビッチの前に跪いて、贈り物をしている姿も度々見かけられるそうだ。

何でも、6人がビッチを巡って争いが起こりそうになった時には、「やめて!!私の為に争ったりしないで!!」と言う、あの伝説の台詞が聞けたらしい……。その話を聞いた時には、流石に目眩がした……。


6人の内、隣国のヘンリーやジャッキーは俺には関係ない人間なので、好きにして貰えば良いと思っている。しかし、後の4人は問題ありだろう?


まず、教師!

生徒に堂々と手を出すんじゃない! 王族も通う“学園の品位”ってものが解らないのか?

大きな問題を起こされる前に、態度を改めさせるか、学園から出て行ってもらうか……。

しかし、ここは一応(・・)治外法権となっている“学園”だ。俺が、皇子の権力で安易に手を出して良い場所じゃない。

それに、ここは現代日本とは違う。『教師と生徒』というタブーは存在しないのだ。家柄の釣り合いが一番重要視される、貴族社会なのだから。

一定のルールさえ守っていれば、ある程度の自由恋愛が許される。

……こいつは様子を見て、”学園”側で対処して貰う必要があるな。

学園長には、早めに報告しておこう。


次にヒューイ!

俺は言った筈だよな? ビッチに構いたいのであれば、婚約者の問題をどうにかしろと。それが出来ないなら、人目のある所でビッチとイチャつくんじゃないと!

奴の婚約者は、ここの所毎日泣いているそうだ。それはそうだろう。あいつがあんな様子では、婚約者である彼女が「格下の女に婚約者を奪われた、年上女」などと嘲笑されるのだから、な。

まだ学園に入学して2週間程度。あまりの急展開に、気持ちも考えも追いつかないのだろう。

あいつは、1回〆ておく必要があるな。それで変化が無いようなら、彼女には別の幸せを見つけてあげよう。


そして、ダグラス……。

何、傷心に付け込まれてるんだよ……。ビッチなんかに群がってるお前、カッコ悪いし惨めに見えるぞ? あの頃のお前は、大勢の中の1人で満足する奴じゃなかっただろ?

周りから、自分がどんな目で見られているのか、解っているのか……?

それとも、周りすらも見れなくなっているのか?


最後にロバート。

………うん、まあ…、お前はしょうがないな。馬鹿だし……。

やっぱりお前にジェシカは勿体なさすぎる。ロバートの両親としては、ジェシカに脳筋馬鹿な息子を支えて欲しかったんだろう。でも、どんな才女でも16の少女が割り切って付き合える馬鹿のレベルじゃ無いだろう。

あそこ迄疎かに扱われて、平気な女の子がいるわけが無い。

それに……。ジェシカはすでに、ルイスのジワジワと逃げ場を無くすような囲い込みに、追い込まれている。婚約を解消したら、あっという間に捕まってしまう事だろう。


今の状況をまとめていて俺が不思議に思うのは、ゲームよりかなり早く攻略が進み、逆ハーレムが形成されているってことだ。

ダグラスなんかは結構、攻略が難しいキャラだった筈なのに。その分攻略した後のデレっぷりが凄くて、人気ランキングBest3に入るぐらい人気だったがな。

ヒューイやヘンリーもゲームではもう少し時間がかかっていた筈……。


……これってさ、もしかして俺が原因だったり、する……のかな?

俺がビッチに冷たく接することで「ビッチ可哀想」ってなり、更に苦言を呈した事で「反対されればされる程燃え上がる」ってなったとか?


……………うん、気のせいだな!

俺には関係無い!!


「彼らの事も気になるけどさあ、彼女の方の調べはどうなってるの?」


俺がウッカリ思考を飛ばしていると、ルイスにビッチの事を尋ねられた。

そうだ。その事も、しっかりルイスには報告しておかないとな。未来の参謀として意見を貰っておかねば。

俺は、早速ダニエルから聞いたビッチの情報を、ルイスにも伝える事にした。



ビッチは、男爵が側女に産ませた子供だ。そんな子供なので、正妻が受け入れる筈もなく、王都からかなり離れた田舎の別荘に側女共々囲っていたそうだ。

ビッチはなぜか昔から男受けが良く、10才を過ぎる頃にはビッチを巡っての問題が増えてきた。それは年々酷くなっていくが、しかしビッチにはどうやら悪意はない様子(ここは怪しいと俺は思う!)。ビッチが言うには「好きになってしまったんだもの! 何度も気持ちを捨てようと思ったのに、出来なかったの!」という事らしい。

しかし、ビッチが15才になった時に大きな問題が起こった。

男爵の次男(12才)が病気療養の為、別荘にやって来たのだ。

勿論、想像通りビッチに恋をした。更に、長男(14才)が弟の見舞いに別荘を訪れ、こちらも予想に違わずビッチに恋をする。

……つまり、兄弟が腹違いの姉を巡って争い始めた訳だ。


流石にマズイと思った男爵は、ビッチに他の男を当てがおうと考え、この学園で婿探しをさせる事にしたようだ。

急いで手元に呼び寄せ(兄弟は、ビッチが学園に入学する迄、別荘で過ごす事になった)、最低限の教育(全く足りていないが)だけをして学園に放り込んだわけだ。

そうすれば、男どもが勝手に群がってきて、あっという間に相手が決まるだろうと思っていた。しかし、まさか貴族の子息達が婚約者を蔑ろにしてまで、ビッチに入れ込むとは、想像していなかったようだった。


「そんな爆弾、自分で処理して欲しかったよね……。まあ、僕にとっては良かったかも知れないけど、ね」

「全くだな……。隣国の奴等、国に持って帰ってくれないだろうか?」

「……そうだね。お願いしたくなっちゃうよね……」


俺たちは互いに目を見合わせ、大きなため息を吐いた。

ビッチの裏設定はまだまだ濃いめで作っているのですが、それはまた追い追い。そして、一応、ギリギリ、まだ純潔です。

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