猫が空飛ぶ朝。俺は……。
朝です。昨日は大変でした。炎を背負ったパシュティさんを何とか落ち着かせ、ベッドに直行。睡眠時間て大事だよね?
ニャー!(さあ、起きて! すぐ起きて! 猫爪術を覚えるのよ!)
朝っぱらからテンション高いパシュティさんが顔に乗って来る。ニクキューはご褒美ですが、正直言って息苦しいんですけど。
引き剥がそうとすると……痛い! 痛い! 爪引っ掻けるな!
「あのね。今は猫じゃないんだから、無理っ!」
ニャァ、ニャァ!(なら、すぐになりなさいよ! なりなさいよ!)
なれるわけ無いだろ! アルさんにばれたらどうすんの? パシュティさんがなんかウザい。俺は前足と後ろ足をそれぞれ重ねて持ち、玄関を目指す。
ニャ?(何するの? ねえ、何するの?)
抜け出そうとして暴れるが逆さにして持っている為にそうまではない。
そして玄関を抜け、庭先に出る。
「第74回。ハンマー投げならぬ猫投げ。第1選手ペケりん、準備に入ります!」
ゆっくりと体をひねり、反動をつけて回転する。当然、パシュティは回転のエネルギーをその身に受け引っ張られる。
柵の向こうを狙い、大声を上げながら放り投げる。
ニャー!(落ちるー!)
見事な放物線を描きパシュティ木々の間に消えた。
「お土産よろしく~!」
消えた辺りに手を振っておこう。
「よいこのみんなは、動物虐待になるからやっちゃダメだよ!」
えっ? 俺? 一応猫ですが? 何か?
「ペケ君、朝から元気いいね」
振り向くとアルさんが立っていた。服装は、ローブにマフラー(今日は水色)の標準装備。
「お早うございます。御飯ですか?」
「御飯はパシュティが帰って来てからだね」
アルさんはパシュティが飛んでいった方を見ながら言った。
くっ、パシュティを放り投げたのがここで響いてくるとは。
「パシュティは後、1時間位帰って来ないだろうし、その間に魔法習ってみる?」
……魔法?
「せっ、先生! 魔法教えてもらえるんですか?」
今の俺なら喜びのあまり空を飛べる!
そして……。
ーーコネコネコネコネ……。
あれ? 俺って魔法教えて貰うんですよね? なのに何で粘土みたいなの捏ねてるの?




