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  モデルのオーディーションに落ちたすっかり、やる気を

なくした真衣は(大学で)授業を受けていてもバイトをして

いても楽しくはなかった。

 そんなある時…… 真衣の脳裏に秀平のことが過ぎった。

 『アイツ、どうしているんだろう?」』

 その時、真衣が働いているバイト先のコンビニに

秀平がフラフラと入ってきた。

 「ああぁ……」

 真衣は突然、目の前に現れた秀平に驚いた。

 秀平はまるで真衣のことなど、覚えていないかのように

真衣のいるレジの前に冷たいコーラを2本、置くと

 「いくら?……」

 真衣にコーラの値段を訊いた。

 「え、えっと…… コーラ、2本で240円です!」

 真衣はハッと我に返り、秀平にコーラ、2本の値段を

告げた。

 「240円ね!……はいっ。」

 秀平はポケットから240円を取り出すと真衣のいる

レジの前にそれを置き、コーラを1本、取って、

真衣の前から立ち去った。

 真衣はレジに残されたコーラを取ると

 「お客様、お忘れ物です!」

 秀平に言ったが秀平は真衣の振り返ることなく、

 「俺からのプレゼント!」

 というと真衣のバイト先のコンビニから立ち去った。

 『また、アイツに会えた!』

 バイトが終った真衣は帰り道に秀平がくれた

コーラを飲み干した。

 真衣は秀平がくれたコーラで少し元気になった。

 『アイツの名前、なんて言うのだろう?

何をしている人なんだろう?』

 真衣は帰り道、ずっと秀平のことを考えていた。

 いつしか、真衣はモデルのオーディションに

落ちたことなど忘れ、いつもの真衣に戻っていた。

 いつもの元気な真衣に戻り、同じ大学に通う、真衣の

親友達も喜んで、何事もなかったように真衣に接した。

 「どうしたの?真衣。 最近、綺麗になったんじゃないの?

彼氏でも出来た?」

 真衣の親友【未久】は真衣を揶揄った。

 「何を言っているのよ!違うわよ!……

彼氏なんか、いないわよ!」

 揶揄った未久にそう言い返したが真衣の頭の中は

秀平のことが浮かんでいた。

 真衣が大学の帰り道に親友達と共にバイトをしている

コンビニの前に通りかかるとそのコンビニの前に

秀平が立っていた。

 「あっ! アイツだ!……」

 真衣は思いがけないところで秀平に会ったことに

びっくりして、その場に立ち止まってしまった。

 「どうしたの?真衣。」

 真衣の親友【亜耶】は急に立ち止まった真衣に

声をかけた。

 「うん……」

 真衣は秀平に声を掛けたかったが自分が秀平と反対側の

歩道にいたので容易には秀平に声を掛けられなかった。

 だが、真衣が秀平に声を掛けられなかった本当の理由は

親友らがいたからだった。

 「行こう!……」

 真衣はそう言うと他の親友らと共に再び、歩き出した。

 親友らの楽しげな話とは反対に真衣の脳裏から

自分のバイト先のコンビニの前に佇んでいた秀平の姿が

離れなかった。

 『アイツ…… あそこで何をしていたんだろう?』

 そんなことを考えたら、真衣は居ても経ってもいられなくなり、

 「ごめん。用事を思い出したから……」

 親友らに言うと自分のバイト先のコンビニに舞い戻った。

 だが、そこにはすでに秀平の姿はいなかった。

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