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聖剣ですけど、あれぎみです?

なんでこんな田舎町に皇帝陛下なんぞ来るのさ。


突然の皇帝陛下のキノウエシのオーラダー神殿視察にてんやわんやです。


そういや、なんで平のギダシア神官に連絡が……考えちゃ負けの気もする。

只今絶賛お籠り中のそのギダシア神官を引っ張り出すのに大忙しだったんだ。


「ウエニアさん、オーダウエ様の子孫が現皇帝陛下なんですよ」

カスリダ神官が私にオーダウエ様思い出しましたと小首をかしげた。


本当にきもすわってるよね。

厨房の椅子に偉そうに座ってるエロエロ神官は無視のようだ。

「皇帝陛下なぞ会いたくない、たかだか勇者の子孫だ」

「不敬ですよ、勇者様はどうしているのでしょうね」

カスリダ神官が意味ありげにギダシア神官を見た。

さあなとギダシア神官が首をそむけた。

「勇者は生きてるかもって言ったよね」

私は不機嫌そうに正装を纏うギダシア神官に言った。

「まあ、帝都の神聖皇帝と言うことになってるらしい。」

ギダシア神官がそういいながら私を抱き上げた。

「逃げられると困ります」

「俺は会いたくない」

カスリダ神官とギダシア神官が見つめあった。


近くに行幸されたので信心深い皇帝陛下がキノウエシのオーラダー神殿に立ち寄りたい

と今朝早く連絡が来て神殿は大慌てだ。


そして、どういうわけかギダシア神官が案内係に指名されて超不機嫌だ。


朝からエロい…えらい迷惑なんですが?


「カスリダ神官がやっぱり、案内してやってくれ」

ギダシア神官が私を抱えて逃げようとした。

その裾をカスリダ神官が踏みつける。


正装だから、裾が長いんだよね。

しかし、カスリダ神官も正装なのによく踏みつけられるな。


「ギダシア神官ご指名です、無駄出費は置いていってください」

カスリダ神官が満面の笑みで私の腕を掴んだ。

「カスリダさん、死にたいの? 」

ギダシア神官があやしい笑いを浮かべた。

「不敬罪で死にたくありません」

カスリダ神官は私をおろさせるとギダシア神官を押し出した。


廊下には先触れが来ていてギダシア神官にお辞儀をした。


「陛下がお待ちでございます」

綺麗な侍従がまじめなかおをした。

「そうか」

ギダシア神官が尊大に言うとその侍従についていった。


「覗きばれてますよ」

カスリダ神官が扉の影から覗く私にニヤリとした。

「ん? カスリダ神官は行かないの? 」

この神殿の責任者だよね。


カスリダ神官も謎の人だよね。

まず、性別不詳、声聞いてもわかんない。

ギダシア神官が妖しいこといっても流すし。


ある意味最強だよね。


「行きますよ、ウエニアさんは庭で草むしりでもしててください、昼食の籠はそこです、くれぐれも、皇帝陛下のお目にとまらないようにお願いします」

カスリダ神官も出ていった。


はいはい、一般人は近づくなってね。

ん?私、聖剣だよね?


「本当に困った坊ちゃんだよね」

ティウソアさんが籠を渡してくれた。


うん、皇帝陛下含めてそう思う。


一通り草むしりして地面に座った


「御飯でも食べようかな? 」


まあ、昔、勇者と一緒に旅をしてた時よく、聖槍(セイソウ)アミリアーナさんに勇者様邪魔するな!

やくたたずのごくつぶしって言われてよく、置き去りにされかけて勇者に回収されたな。


最初は…超嫌そうに…ああ、勇者に駄剣呼ばわりされたな…聖鋼鉄製じゃないから。


それが溺愛されるようになったのは…。

思い出せない。


ただ、途中からほとんど動けなくなった私は刀身で過ごすことが多かった。


刀身の時は……本当なら覚えてるんだろうけど。

覚えてない……


目覚めるといつも勇者の腕の中で……最終的によく、逃げられたな?私。


今は寂しくないからいいや、カスリダ神官もいい人だし、エロエロ神官、ギダシア神官はスキンシップとりすぎだけど。


少なくとも自由に動けるもん。


「やくたたず、こんなところにいたのですね?」

なんか空耳聞こえた。


このディルのはいったサーモンパテ、ハード食パンにあう。


「無視ですか?ウエニア?」

もう一度聞こえた。


仕方なく声の方振り返ると

聖槍(セイソウ)アミリアーナさんがいた。


「なんで、邪魔するのさ、もう、関係ないじゃん」

もう、ごくつぶしじゃない。

無駄出費にクラスチャンジだよね。


……マイナーチェンジ?


「まだ、勇者オーダウエ様にご寵愛されてるくせに! 私はあの方と何百年も共にあったのに! あの方は私を見てくださらない! 」

聖槍(セイソウ)アミリアーナさんが怒鳴った。


相変わらず、元気だな?


「生きてるんだ、やっぱり」

本当にどんな化物に勇者はなったんだろう?


……まさか近くに来てる?


「オーダウエ様のご厚情で生き延びた癖に」

アミリアーナさんが私を睨みつけた。


なんか静かだけど怖い。


「お前なんて、あのときには破壊しつくせば良かった」

アミリアーナさんが冷たく言い放つ。


ふるえが止まらない。


アミリアーナさんが近づいて来る。


「と言う感じでどうですか?ごくつぶし」

アミリアーナさんが笑った。


嫌な感じは消えたけど冷たい口調だな……


「はあ、そんなに目の上のたんこぶでしたか? 」

たんなる足手まといだったけど。

アミリアーナさんに何したか覚えてないなぁ。

「ごくつぶし、もうすぐ陛下が来ます、お退きなさい」

アミリアーナさんが何故か笑った。


へ、陛下かい! そんなんにあったらカスリダ神官に絞められるよ!


大体なんで庭なんぞ来るのさ!

単なるハーブという名の雑草畑ですよ。


確かに人が沢山いる気配がする。


「アミリアーナさん、ありがとう! 」

逃げなきゃ、ごはんぬきは嫌だもん。


私は茂みから頭を低くして出た。


「遅かったみたいですね」

アミリアーナさんが笑った。


目の前にシンプルだけど、質の良さそう服をきた男性がビックリした顔でたっていた。

ひっ皇帝陛下ですか?

「何者だ! 」

護衛らしい男性がなんか構えた。

魔道銃だっけ? わーん死にたくないよ〜。


陛下が護衛に囲まれる。


時代は変わったね。

昔はあんなん護衛は持ってなかったよ。


「陛下、ごくつぶしを紹介いたします、オーラダー神様の聖剣ウエニアです」

アミリアーナさんが私を指差した。

人? を指さしちゃいけないんだよアミリアーナさん。

「そうか、お前があの方のお姫様か」

人の壁のむこうで皇帝陛下が呟いた。

あの方の……姫君……ひっ、ゆ、勇者生きてる〜?

「帝都に連れて帰れば、かの方がお戻りになるのではありませんか?」

アミリアーナさんがぞんざいに私の腕を持った。


人垣のむこうの皇帝陛下は考えてるようだ。


ギダシア神官いないかな? 案内係のはずだよね……なんでいないの?


「あの方はどちらに? 」

アミリアーナが熱に浮かされたような目をした。

「ああ、早々に逃げられた」

皇帝陛下が顔を上げた。


オーダウエの子孫か……確かにいい男だけどにてるのかな?

どっかで……見たような……最近?


「では、ごくつぶしを使えばお帰りになるかも知れません」

アミリアーナさんが私を冷たい目で見た。

「いや、今はやめておこう、勇者の聖剣のお姫様、また会おう」

皇帝陛下が微笑んできびすをかえした。


わー、しぬかとおもったよ。


「運のよいこと、魔道銃の餌食になってしまえば良かったのに。」

アミリアーナさんが私の耳元でささやいて皇帝陛下を追った。


わーん、なんでこんなに恨まれにゃならないのさ。

悲しくなってしばらくアミリアーナさんの後ろ姿を見送った。


「ウエニアさん、迎えにきたよ」

しばらくして普段の神官服に着替えてやってきた。

ギダシア神官にむしょうに当たりたくなった。

「ギダシア神官、なんで皇帝陛下にあったときいなかったのさ!アミリアーナさんなん怖いし!」

私はギダシア神官に叫んだ。


この人のせいじゃないけどさ!

勇者のせいだよ! どこにいるのさ?


「ウエニアさんを苦しめるものは全部消すよ。」

ギダシア神官が私を抱き締めてささやいた。

「いい、皇帝陛下と聖槍(セイソウ)だもん、ギダシア神官の方が殺されちゃうよ」

うん、権力者何てそんなものだよね。

ギダシア神官に死んでもらいたくないもん。

「ウエニアさんは可愛いね」

ギダシア神官はそういいながら私にキスした。


なんか、落ち着く。

不味い、なれてきたよ!

私はご隠居で無駄出費でごくつぶしなんだから。

こんなことしてるまないんだよ。


……今日はなぐさめてほしい。

でも、エロはぬきでお願いします。

アミリアーナさん怖いよー。


でも……いつかアミリアーナさんとも話さないとだよね……

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