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聖剣ですけど、疲れました。

もう寒いですね。

久しぶりの聖剣です。

微妙に他の作品の事情が出てます。

皇宮なんて豪華なんだろう?

地母神オーラダー様の大神殿も皇宮の敷地内にあってあまりの豪華さにビックリしたけどさ、それ以上だよ。


「ギダシア神官、歩けるよ。」

私は今日もお姫様抱っこだった。


ドレスだから余計に重いと思うけど。


「オレからはなれるなんて許さない。」

ギダシア神官がそういってキスした。

神官の正装をきた姿が様になってる。


「…動けないから、大丈夫だよ。」

キノウエシに居るより動きづらい。


「ウエニア、もう帰ろうか?」

ギダシア神官が踵を帰そうとした。


「それは困ります、皇帝陛下がお待ちですので。」

アミリアーナさん、戦神エウリールの聖槍が廊下の影から現れた、なんか怖い。


「アミリアーナ、邪魔するな。」

ギダシア神官が言った。


「現在、エウリール様に溺愛された再生面の巫女がいます、聖剣に効くかは知りませんが、皇帝陛下の用はその事も含まれます。」

アミリアーナさんが不本意そうに言った。


この世界の神様は相対する二つの属性を持っている。

戦神エウリール様は戦いと再生。

地母神オーラダー様は生と死。

名前を忘れられた最高神ははじまりと終り。

そんな感じなんだよね。


まあ、信仰対象はメジャーな方のひとが多いんだけどさ。


「エウリール神溺愛の再生巫女…そうか、ウエニアもう少し我慢してくれ。」

ギダシア神官が長々と大人のキスをした。


「では、いきましょう。」

アミリアーナさんが言った。


謁見室じゃなくて、客間に通された。

なら、ドレスアップしなくてもいいんじゃないかな?


「ギダシア神官、聖剣の姫君よくきた。」

いつかの皇帝陛下が言った。


そばのソファーで疲れた顔でアミリアーナさんに寄りかかったふっくらした可愛い女性がいる。


「再生巫女ファリシアまで、引っ張り出したのか、ご苦労なことだ。」

ギダシア神官が挨拶もせずソファーに座った。


私は当然のように、膝の上です。

ああ、ハーブ馨る神殿の地面が恋しい。


「まあ、そのくらいの特権はないと来ないでしょう?」

皇帝陛下がニヤリとした。


特権か…再生巫女ファリシアさんお疲れみたいですよ。


「皇帝陛下、セリカは昼間無理したようです、やれるのは一回くらいですよ。」

アミリアーナさんが優しくセリカさんの肩を撫でながら言った。


「オダーウエ聖騎士団で怪我人がでたのだったな、ファリシア看護師、すまないな。」

皇帝陛下が言った。


オダーウエ聖騎士団?看護師?


「いえ、大丈夫です、二回くらいなら…。」

そういいながらもぐったりしてるんですが?


「無理してはいけない、シュースル神官長を呼んでおこう。」

皇帝陛下が通信機をとった。


「それより先に、ウエニアの様子を見てくれ。」

ギダシア神官が冷たく言った。


ええ?疲れてるのなら良いよ。


ふらつきながらファリシアさんが私に近づいた。


「………脈に不整があります…人と同じかわかりませんが…たぶん、弱っているのではないでしょうか?」

ファリシアさんが私の身体に触った。


「それはわかってる、なんとか出来るか?」

ギダシア神官が偉そうに言った。


何様のつもりなのさ。

一般神官ってせんは捨てたけどさ。


「生命力の活性術を使いたいのですが、看護師としてやる場合は医師の許可がいりますので。」

ファリシアさんが通信機を出した。


「巫女としては、私の許可がいることはわかっているか?セリカ。」

皇帝陛下によくにた若い男が入ってきた。


高位の神官らしい。


「シュースル、遅いぞ。」

皇帝陛下が言った。


「兄上、うちの肥巫女(コエみこ)を勝手に連れ出さないでください。」

シュースル神官長が冷たくいい放った。


こ、肥巫女?


「シュースル皇子お兄ちゃん、それ、新作かい?」

ファリシアさんが、がくっと顎を落とした。


「帰るぞ、デブ巫女、お前が倒れると運び屋どもを呼ばんと運べんからな。」

シュースル神官長が言った。


「えらい、言われようだね、私は置物かい。」

ますます、がっくりしてファリシアさんが言った。


「置物の方が軽い、兄上、では。」

シュースル神官長がそういってファリシアさんを立たせた。


「まて、術をかけてからにしろ、オレが許可する。」

ギダシア神官が私の背中を撫でながら言った。


そして、ファリシアさんとシュースル神官長をじっと見つめた。


ギダシア神官が許可してもやってくれないんじゃないの?


「……丸もち巫女、屍は拾ってやる、さっさとやって帰るぞ。」

シュースル神官長がため息をついていった。


「お兄ちゃんたち呼んどいてね、死ぬ自信あるから。」

ファリシアさんがそういって再びしゃがみこんで私に触れた。


細胞一つ一つ…組織一つ一つに力が入ってくる。


…どこかいつもと違う。


私は自然に目を閉じた。


なんて気持ちがいいんだろう。

神殿の保管庫で寝ている時すら

どこか苦しかったのに。



ドサッと言う音で目が覚めた。


目の前の床にファリシアさんが倒れてる。


「まったく、このぶた巫女。」

そういいながらもあきらかに昏睡してる

ファリシアさんを愛しそうにシュースル神官長が抱き上げた。


案外力あるな。

よく見りゃ筋肉ついてるよ。

そうか、エウリール神の神官戦士だもんね。


「兄上、セリカはもう使い物にならないので帰ります。」

シュースル神官長が言った。


「ご苦労だった、ファリシア巫女にはあとで褒美をつかわそう、婚約者をしっかり、送り届けるがよい。」

皇帝陛下が言った。


あー、ファリシアさんって、シュースル神官長の婚約者なんだ。


「国が決めた婚約者ですけどね。」

そういいながらも嬉しそうにシュースル神官長はファリシアさんをつれて去っていった。


「あっちもラブラブ、しょせん私はロンリーハートですよ。」

アミリアーナさんがどこからか小魚を取り出して食べながら言った。


「ウエニア、調子はどう?」

ギダシア神官が私の顔をのぞきこんだ。


「うん、いつもよりは身体が軽い。」

まだ、重いけどね。


「もっと、あの治療を受けさせられるか?」

ギダシア神官が皇帝陛下に言った。


「セリカを殺す気ですか?たかだか壊れかけの聖剣の為に。」

アミリアーナさんが今度はミルク瓶を出してあおった。


竜乳牧場と書いてある。

どこから出したんだろう?


「アミリアーナ、お前。」

ギダシア神官が怖い目をした。


「ファリシア巫女ができるかどうかは聞いておきます、無理だとは思いますが。」

皇帝陛下が言った。


「……で、本当の用件はなんだ。」

ギダシア神官が言った。


「チエアイス武王国とアイルパーン竜騎国がきな臭いのでお戻りいただきたいのです。」

皇帝陛下が真剣な眼差しで言った。


チエアイス武王国って昔の武器商人の集落だよね。


「もどる戻らないは、ウエニアの体調次第だ。」

ギダシア神官が私の首もとをなめながら言った。


「……ファリシア巫女ほどではありませんが、エウリール神の再生面の巫女がまだ神殿に何人かいるので、準備しておきます。」

皇帝陛下が言った。


「……みんな男だろうが、ウエニアに触れさせたくない、ファリシアにさせろ。」

ギダシア神官が言った。


「ファリシア巫女と相談してみます。」

皇帝陛下がため息をついた。


「案外早く、セリカはエウリール神の神宮に召されるかもしれませんね、可愛そうに。」

アミリアーナさんがそういって、キューブチーズを食べた。


いったい、どこから出てくるんだろう?


神宮にめされるって、まさか?


「ギダシア神官、私、大丈夫だよ。」

隠居中なのに人様に迷惑かけちゃいけない。


「ウエニア、遠慮は許さない。」

ギダシア神官がそういいながら、

お茶菓子に出ていた高級チョコレートを口移しした。


わーん、ついにやられたよー。

もう、私、逃げられないのかな?


「結婚式の準備もしておきますね。」

皇帝陛下が言った。


「あまり、重くない衣装を頼む。」

ギダシア神官が言った。


ええ?それ、決定ですか?

アミリアーナさんが怖いんですが?

ギダシア神官と結婚?

…まあ、この腕の中から

出られない身としてはいいけどさ。


アミリアーナさんにまた刺されそうで怖いな。

読んでいただきありがとうございます。

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