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少女の歌
*****と呼ばれた少女には
叶えたい願いがあった。
*****と呼ばれるずっと前
野良猫一匹 大事な家族
ある日 猫がけがをした。
村の誰かがいじめたらしい
少女は恨む
同じ目に遭えと
少女は恨む
石を投げられ血を吐けと
少女は恨む
足を怪我して引きずれと
少女は泣いた
恨んでも猫の痛みはなくならない
涙がこぼれて見上げた猫と目があった。
平和な村は色をかえ、
街のだれかは石を投げ
*****だと罵った。
その先の、
少女の願いはどうなった。
その後の、
少女の今はどうなった。
*****と罵る声はもう聞こえない。