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過去より・・・

作者: 3匹の猫




僕は、今日学校の友人とゲーセンに行った。


ゾンビを銃で倒していくゲームは本当に楽しい、本当にスッキリする。


けど、最近はどうしても落ち着かない。


落ち着かないと言うよりも楽しいこともすぐに消えてしまうと言った、とにかくモヤモヤするんだ。


これはきっと、彼と再開したのが、原因だろう。


彼は結局どんな人間なのだったのか?


答えは出そうで、出ない。


彼は僕の中でそれほど影が薄い人間だったのだろうか?


いやそんなはずはない、僕にとって彼は正に太陽と言うべき存在なのだ。


だったらどうして、と僕の考えは振り出しに戻ってしまう。


友人と別れ、家へ帰る道の途中で僕は彼との思い出をもう一度振り返ってみた・・・










彼と始めてあったのは中学の入学式。


当時の僕は学校が嫌いで、先生の話を聞くのが嫌で早く帰りたかった。


けれど、クラスの一人は空気の読めない奴がいる。


それが彼だった。


とにかく、目立とうと先生に質問をしまくった。


歳はいくつか、結婚はしているのか、と本当にくだらない質問だった。


だが、彼には人望があった。


恐らく、さっき僕が言った空気の読めない奴は人気者になるのだろう。


逆に僕はいわゆる『陰キャラ』であったために孤立していった。


いじめが起きるのも時間の問題だったのだろう。


そして、気がついたら僕は何の接点もないいじめっ子たちにマークされた。


いじめはいじめられる側にも問題があるとよく言われるが、僕にはそうは思えない。


むしろ、彼らは弱者の上に立つ強者になりたかったのだろう。


あの日々は本当に嫌だった。


死にたい、それを何回も思ったことか。


だが、彼は僕を助けてくれた。


これも気がついたら、だった。


いつの間にか彼が隣にいる。


彼が僕を守ってくれる。


そして、彼と僕は親友になっていた。


僕は彼と話す内に明るさを手に入れ始めた。


僕は陰キャラではなくなり、正に何処にでもいる普通の中学生になったんだ。


こうして2年半、共に過ごした日々は本当に楽しく、もう人生のピークは今なんじゃないかと思うほどだ。


が、高校に進学する時は別々の学校であったため、高校に入学した後の最初の一ヶ月はそれなりに会っていたが、その後は皆無に等しい。


僕自身にも変化があった。


放送部に入ってすぐにあるスピーチコンテストに出たら、準優勝をしたんだ。


クラスの真ん中には僕がいるようになった。


あの『陰キャラ』であった中学生の僕とは大きな違いだ、本当に同一人物とは思えない。


それから、3ヶ月後には僕に恋人が出来た。


彼女は僕と同じ中学(同中とも書くね)で、前から僕は好きだった。


駄目で元元と告白をしてみたら、簡単にOKが出てビックリ仰天だ。


そんなこともあり、本当に高校生活は充実していったんだ。









彼と再開したのは夏休みの帰り道、放送部はラジオドラマの制作時期に入り、居残りで残されて学校から出たのは午後8時くらいだろうか?


僕はお腹が空いていたから、走って帰路についていた。


その途中で彼を見かけた。


だけど、一瞬彼だと分からなかった。


その理由は髪を金髪に染めていたからだ。


あれを見たら、誰だって彼だと思わないだろう。


でも僕なら分かるのだ、彼は僕にとって一番の親友だから・・・


僕は彼に近付いて、やあ、と声をかけた。


彼はびっくりした様子で、突然僕を殴り始めた。


一瞬何が起こったか理解できず、僕は倒れてしまう。


彼は何も言わずにその場から立ち去った。


僕はただ横になったままであった。


どうしてこうなったか、それだけを頭の中で考える。


30分くらい経ってもそこに居続けた・・・










結局答えなんか出ないで、今に至るわけだ。


彼に何があったのか?


僕に出来ることは無いのだろうか?


家の扉を開けると、最後にそしてもう一度こう思いながら。





彼はどんな人物だったのだろう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文。短いながらに主人公の像が浮かんでクル。 [気になる点] 今の彼がどんな人物なのかが分からナイ。ただ、そこから物語を広げていく事もできるノデ、意味深な終わり方でもアル。 [一言…
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