わたしの話2
隣の家に住んでいる美麻と美麻ママの洋子さんは小さい頃からよくしてくれている。
春ちゃんとも仲良しだ。
美麻は家に来すぎて「ただいまー!」と入ってくる。
春ちゃんはよく洋子さんに私のことを相談しているようだった。
休みの日にあまり友達と出かけない私のことを春ちゃんは心配していたことを偶然聞いてしまった。
わりかし教室ではみんなと仲良くやってる方じゃないかと思う。
…けど休みの日まで遊びたいほどの友達がいないだけだ。美麻は誘わなくても家に来るし。
それに休みの日はなるべく春ちゃんと一緒に過ごしたいと思っていた。
「僕達のせいで友達が出来ないんじゃないかって心配で。」
「そんな事気にしてたの?心配しなくても大丈夫。うちの美麻もいるし。もしかしたら一人で過ごすのが好きな子かもしれないし。」
「僕がいることで直美に迷惑がかかったら…」
「春ちゃんがいるから直美は幸せに暮らせてるのよ。小さい時から見てる私が保証するわ!」
「…直美こんなとこで何してんの?部屋の中に入りなよ。」
廊下で立ち聞きしていた私に美麻が言った。
―美麻…タイミング悪すぎるなぁ。
「直美…今の聞いて…」
「春ちゃん…私学校に友達いるし、何も困ってることなんてないよ。ただ休みの日は春ちゃんと一緒にいたいだけなの。悩ませてごめんね。」
「僕が勝手に悩んでただけだから…」
「なんかわからんが解決したようだしご飯にしようか。」
「美麻あんたって子は…」
「カレーでも良ければすぐ用意出来ますから洋子さんも食べて行って下さい。」
「春ちゃんいつもごめんなさいね。」
「とか言ってママも食べんじゃん。直美も一緒にたべよー」
私はテーブルに腰掛けた。
春ちゃんがカレーを持ってきたとき小声で、
「これからはもっと学校であったこと聞かせてくれると嬉しいな。」
と言って笑った。