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四人の日常  作者: 曽良紫堂
エンジとお仕事
53/62

「わかった。きっと帰してあげる」

前から話しが飛んでるように見えるかもしれませんが、間違いではないです


「ナタリーは今日も綺麗だね~」


 そう言って髪を優しく梳かしてくれるアメリ。私の大切な、とっても大切な人。


 私は、その大切な人に綺麗にしてもらえるのが嬉しくて、いつものようにニッコリと微笑むの。

 そうして二人で微笑みあって、私が綺麗になったらアメリは私を連れてベットに入る。そうして二人で一緒に眠るの。

 それが私の何よりの喜びで、何物にも代えがたい幸せ。




………………

…………





「おはよう~ナタリー」


 日が昇って少し経つとアメリはのそのそと起き出して私に挨拶をする。少し寝ぼけたアメリはとっても可愛くて、私もニッコリと微笑むの。

 アメリに連れられて朝の支度をすると、二人でパパとママにご挨拶。


「あら、アメリは今日もナタリーと仲良しね」

「そうよママ! ナタリーは私のと~っても大切なお友達なんだから!」

「はははっ! パパ妬けちゃうな~」

「大丈夫よパパ! 私、パパのことも大好きだから!」

「あら、ママのことは?」

「ママも大好き!」

「なら安心だ! さあ、皆で一緒にご飯を食べよう」


 アメリはパパとママとも仲が良くて私は安心する。でも、そのぶん私に構ってくれる時間が減るのは寂しい……。

 だけど、アメリの幸せの為に寂しさを見せないよう我慢して、いつもと同じようにニッコリと微笑むの。




………………

…………





「ナタリー、今日はおままごとをしよう?」


 アメリと私はお家のお庭で遊ぶ。何をするかはいつもアメリの気分次第。

 今日はおままごとだけど、一昨日はお庭の探検、昨日は探検で見つけたお花畑で花冠を作ったの。

 アメリは一生懸命に作った花冠を私の頭に乗せて、可愛いって言ってくれた。私はそれが嬉しくて嬉しくてニッコリと微笑んだの。





………………

…………





「今日も一緒に寝ましょう?」


 私の髪を梳かしながら、アメリは今日もそう言う。もちろん私がそれを断るなんてことは、決してない。

 昨日と同じの優しい手付きが気持ち良くて、私はニッコリ微笑むの。

 そうして一緒にベットに入って、今日も二人で眠る。




……………………

………………

…………





「行ってくるね、ナタリー!」


 アメリは元気良く私にそう言うと、私を置いて出ていこうとする。アメリがお出かけの間、私はお家でお留守番をするの。

 アメリが側に居ないのは寂しくて寂しくて、泣いてしまいそうになるけど、私はそれを堪えてニッコリと微笑んでお見送りをする。

 ああ、もう既に夕方に帰ってくるアメリが待ち遠しいの。




…………………………

……………………

………………

…………



「ねえねえ、聞いてナタリー! 私ね好きな人が出来たんだ~! どうしたらいいかな~?」


 ある日、帰って来たアメリが私にそう相談してきた。何でも、とっても格好いい先輩に優しくされて好きになってしまったらしい。

 話している内に恥ずかしくなって、きゃーって言いながら顔を赤くするアメリがとっても可愛くて、私はとっても優しい気持ちでニッコリと微笑むの。

 でも、その先輩がアメリの害になるなら、絶対に許さない。





…………………………………………

……………………………………

…………………………

………………

…………






「ナタリー、私この人と結婚するの!」

「初めましてナタリーちゃん。僕はダニエルっていうんだ。ヨロシクね」


 アメリが連れてきた男の人が私に挨拶する。優しそうな人で、アメリもとっても幸せそうなの。

 でも、この人のせいでアメリが私に構ってくれる時間が少なくなったのはとっても不満。

 だけどね、私はアメリが幸せそうだから寂しいのは我慢してニッコリと微笑むの。

 そうやって挨拶をする二人はとっても仲良く手をつないでた。アメリを悲しませたら、絶対に許さないんだからね。





……………………………………

………………………………

…………………………

……………………

………………

…………





「ねえ、ナタリー……。何であの人は帰って来ないんだろうね……。何でかなぁ……! 何でッ……! なんだろうね……!」


 そう言って泣きながら私を抱き締めるアメリ。

 大きな戦いがあって、兵隊さんになったダニエルはアメリの元へ帰って来なかったの。

 悲しんで泣きじゃくるアメリを慰めたくて、でも私にはできなくて……。

 とっても悔しい思いをしながら私はニッコリ微笑むの。


 ああ、アメリ。私の大切な大切なお友達。どうか泣かないで……。

 私はアメリと一緒にいるから……。あなたが望んでくれれば、いつまででも……。






……………………………………………………

………………………………………………

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…………………………

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………………

…………





「ありがとう……ナタリー……ずっと一緒にいてくれて……。やっぱり……貴女は……可愛いわね」


 随分としわくちゃになった手で、アメリは私の髪をゆっくりと梳かしてくれる。




 あの戦いの後、アメリは塞ぎ込んでいたけど、ある日突然ふらっと出かけていった。

 何も言わないで出ていったから、私はそれはもう心配したの。

 でも、その日の夜に一人の子どもを連れて帰って来た。その子はボロボロのガリガリで身なりも汚くて、すっごくアメリを警戒してた。

 だけどアメリはそんなのお構いなしに体を拭いてあげて、服を着替えさせてあげて、ご飯を食べさせてあげた。

 ご飯を食べながらボロボロ泣いているその子をぎゅっと抱き締めたアメリを、私はハラハラしながらずっと見てたの。


 しばらくすると子ども達の人数も増えていって、アメリは忙しくするようになった。

 私に構ってくれる時間も少なくなったけど、塞ぎ込んでいた時より元気なアメリに安心した私はニッコリと微笑んだの。


 多くの子ども達を立派に育てて送り出したアメリは、いつしかとっても有名になったみたいで、そのせいで何か嫌なことがあると私に弱音を吐いていた。

 私はその度にアメリを元気づけようと優しくニッコリと微笑むの。

 そして私を撫でて元気になったアメリは、また子ども達の為に一生懸命働いて……。




 長い年月が経って……。




 今、アメリは多くの人に見守られながらベットの上にいる。

 周りで泣いているあの人は最初の子のマルク。アメリの後を継いでくれる優しい子。アメリはとっても感謝してるって。

 そのとなりは泣き虫だったセドリック。今は偉い人になったんだって。アメリが嬉しそうに話してた。

 アメリの手を取って介助してくれているのはエマ。自分と同じような境遇の子を助ける為に未だに色んな所を飛び回ってる子。アメリがもういい歳なんだから引退しても良いのにって溢してた。


 他にもいっぱいの子達がアメリの為に集まってくれた。

 こんなに多くの子達に慕ってもらえるアメリが、私は誇らしくて……。



「マルク……。……ナタリーの……こと……お願い……ね……」

「ああ、義母さん。安心して任せてくれ!」

「ナタリー……も……みんなの……こと……みま……もっ……て……ね……」

「ナタリーもうんって言って笑ってるよ、お義母さん」

「そ……う……それ……よか…………」

「義母さん? 義母さんッ……グスッ……」


 私の大切な、とっても大切なお友達のアメリ。

 出会ってからずっと、嬉しいときも悲しいときもずっと一緒にいたアメリ。

 私を大切に大切にしてくれた、大好きなアメリ。


 私はアメリが私を置いて遠くに行ってしまったのが、とっても、とっても悲しくて、涙を流しながらニッコリと微笑んだの。







…………………………

……………………

………………

…………





 それから私はアメリが使っていた部屋を貰って、そこに一人。

 でも、アメリの子ども達や新しく来た子達がよくお世話をしに来てくれるから、子ども達を見守るっていうアメリとの約束は一応果たせてると思うの。


 ある日の夜中、私の部屋から物音がして知らない男達が入ってきた。


「これが慈母アメリの……ってヤツか?」

「こんなに厳重なんだからそうだろ」

「じゃあ、ちゃっちゃと持っていこうよ」

「だな。鍵穴はここか……。ここがこうで……よっと!」

「おい、慎重に蓋開けろよ? 派手に音立てて、誰か来でもしたら敵わねぇからな」


 ヒソヒソと話しながら下卑た笑いを浮かべる男達は、私を真っ暗な箱に閉じ込めて連れ去っていく。





 その箱の中で私は思う。

 ああ、このままじゃアメリとの約束が守れない。

 私を帰して。アメリと暮らしたあの部屋に帰して。




 暗闇の中で段々と怒りが募っていって、とうとう私は暴れ出すことにした。


 


 帰してッ! 私を帰してッ!!




 激しい怒りによって何かが壊れている感覚がするが、私はあの部屋に帰る、アメリとの約束を守る、そのために暴れる。

 暴れ疲れれば休んで、疲れがとれたらまた暴れる。

 そんな事を繰り返していると、私に話しかけてくる声がする。




「何で怒ってる?」


 

 小さな女の子の声だ。私は怒りを堪えながら答える。


 

 ――私は拐われたのッ。だから帰りたいのッ。



「何処に?」


 女の子の声が少しずつ私に近づいてくる。私は答える。



 ――アメリと暮らした部屋に帰って約束を守らないといけないの。



「約束ってなに?」


 女の子の声は直ぐ近くだ。私は答える。



 ――子ども達を見守ることなの。アメリとの大事な最後の約束なの……。



「わかった。きっと帰してあげる」


 その声と同時に、私を閉じ込めていた箱が開けられた。

 そうして私に見えたのは、白い服を着て右腕を怪我して、右目に眼帯をした小さな女の子だった。


 

結構早くにこの話し書けてたんですが、この話しだけだけどあれかなと思って次の話し書いてたら全然書けなかったです。でも今月中に投稿したかったので……。

一応、明日も書けた分を更新しますが、とっても中途半端です。

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