表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミック発売中】魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する~好待遇な上においしいものまで食べれて幸せです~  作者: 延野正行
外伝① 弟子の秘密

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

202/222

第201話 元S級ハンター、結界を張る

☆★☆★ コミカライズ更新 ☆★☆★


本日「魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する」のコミカライズ更新日です。

ピッコマ様で独占配信されておりますので、是非読んでくださいね。

よろしくお願いします。


挿絵(By みてみん)

(さて、どうする?)


 スピード、パワーともに俺やリルを上回っている。魔法弾も衝撃波によって跳ね返されてしまった。かといって、接近戦は悪手だろう。斬りかかった瞬間吹き飛ばされるのがオチだ。むしろ相手の土俵だしな。やはり距離を取って、攻撃するしかないか……。幸い相手に飛び道具はないようだしな。


 安心していると、突如赤耳の獣人は手を水平に掲げた。そのまま空気を薙ぐように振るう。ドンッ! という音ともに空気が弾かれ、衝撃波が起こる。


 空気の壁が広範囲に迫った瞬間、俺は首根っこを掴まれ、空を飛んでいた。


「助かった、リル!!」


『わぁう!!』


 それにしても飛び道具もありか。

 衝撃波の影響で周りの器材まで破壊しているというのに、本当にこいつはガーディアンの一種なのだろうか。どうやらまずは相手の戦力を推し量る必要がありそうだ。


 俺はリルの背中に乗る。


「リル、もう少し近づいてくれ。その後は一定距離を保ちながら様子を見る。相手が衝撃波を撃つ素振りを見せたら全力で回避だ」


『わぁう!!』


 まず相手の癖や習性を見たい。

 如何に古代の遺物と言っても、動く限りなんらかのルールがあるはず。俺たちはまず見極める必要がある。


 リルは言葉こそ喋れないが、俺の意図を正確に読み取る。赤耳の獣人との間合いをうまく計りながら、敵を攪乱する。如何に赤耳の獣人でも全力回避するリルには追いつけない。獣人が距離を潰しに来ると、俺は【砲剣】を放ち、対応した。


「あまりこういうやり方は好みではないのだがな」


 俺は【砲剣】に次弾を込める。


(あとでダルミスに怒られそうだ)


 仕方ない。契約したのは、ダルミスだからな。

 遠慮なく、魔法弾を使わせてもらおう。


 ドンッ!!


 俺は赤耳の獣人に撃ち込む。

 案の定、衝撃で弾かれると、跳弾は入口で虫型のガーディアンと戦うユーギーたちの足元に刺さった。


「うお! 危ないじゃねぇか、黒コート」


「なら、範囲外で戦闘しろ。巻き添えを食うぞ」


「はあ? お前、何をい――――」


 ユーギーの声が止まる。

 迫ってきたガーディアンの攻撃を回避した。

 さらに腹の中に潜り込むと、双剣を突き刺す。

 ガーディアンは冒険者に任せて大丈夫そうだ。


 俺は魔法弾を撃ち込み続けるが、いよいよ弾数が乏しくなってきた。通常のハントでこんなに撃ったことがないからな。魔法弾は金がかかるから、1回のハントに1発しか撃たないようにしてるし。


「仕方ない。実弾に『魔法(ルーン)』を込めるか」


 実弾を握り締め、そこに『魔法(ルーン)』を込める。素早く【砲剣】に装填しようとした時、赤耳の獣人が一瞬速く、俺たちの前に現れた。ブンッ! と音を立てて、空気が歪む。


「ふん。甘いな」


 たった今『魔法(ルーン)』を込めた実弾を、親指の上に乗せる。パリッ! と破裂音がした瞬間、雷属性の『魔法(ルーン)』が込められた魔法弾が放たれた。

 光に似た速度で魔法弾は飛び出すと、至近にいた赤耳の獣人は身体を捻って咄嗟に躱す。一瞬出来た隙を、リルは見逃さない。俺を乗せたまま身体を捻ると、大きな尻尾で赤耳の獣人を吹き飛ばした。


「ナイスだ、リル」


『わぁう!!』


 俺が頭を撫でてやると、リルはどんなもんだいと首を伸ばし、機嫌良く尻尾を揺らした。しかし赤耳の獣人はほとんど無傷だ。空中でくるりと回って、軽やかに着地する。その動きは狼というよりは、猫そのものだ。


「無傷か。だが、弱点は見えた。反撃を開始するぞ、リル」


『わぁう!!』


 俺はしばしリルの背の上で、先ほどと同様に実弾に『魔法(ルーン)』を込めていく。いよいよ反撃の準備をととのえたところで、【砲剣】を構えた。リルの腹を軽く叩くと、相棒は俺の意図を察して動き出した。所定位置についた瞬間、銃把を引く。


 ドンッ!!


 魔法弾が火を吹く。

 【砲剣】の先から飛び出したそれは真っ直ぐ赤耳の獣人に向かって行った。当然獣人は弾く。水平に払われた実弾は壁にめり込んだ弾に(ヽヽヽヽヽヽヽ)弾かれた(ヽヽヽヽ)


「なんだ?」


 すぐ側で聞いた跳弾音にユーギーが耳を立てて反応したのが見えた。

 さらに跳弾は多角的な動きを繰り返した後……。


 赤耳の獣人の眉間に迫った。


 キィン!!


 ほぼ死角からの攻撃に、赤耳の獣人は咄嗟に反応する。


「反射速度はさすがだな。だが、こいつはどうだ」


 ドゥン!!

 ドゥン!!

 ドゥン!!


 続けざまに三連射する。

 すべて獣人を狙ったものだ。

 くどい! とばかりに赤耳の獣人はすべての弾を弾く。


 再び跳弾は壁にめり込んだ弾に弾かれ、跳ね返る。それどころか加速した(ヽヽヽヽ)。再び赤耳の獣人のもとに戻ってくる。1弾目を弾き、反対側から襲ってきた2弾目を弾く。

しかし、ほんの刹那ズレたタイミングで飛んできた3弾目に対し、ついに被弾する。


 俺は獣人が前のめりになるのを見て、ここぞとばかりに弾を撃ち込む。


 頑丈な身体らしい。すぐに体勢を戻すと、弾を弾いた。


 キィン! キィン! キィン! キィン!

 キィン! キィン! キィン! キィン!

 キィン! キィン! キィン! キィン!


 けたたましい跳弾の音が辺りに響く。

 その音にガーディアンと戦っていたユーギーやダルミスが振り返った。


「なんだ、ありゃ!」


「まるで結界だな……」


 赤耳の獣人を中心に無数の弾が行き交う。

 その終着地点はすべて赤耳の獣人だ。変則的で四方八方から降り注ぐ弾に対応するが、ほぼ同時に逆方向からくる弾にどうしても遅れてしまう。


「お前の弱点はそのボディだ」


 如何に力とスピードに優れた獣人の身体とて、身体構造としては俺たち人間と変わらない。人間の身体というのは、汎用性が高いように見えて、可動域が限られている。もっといえば、正面の危機にしか対応できないのだ。


「普通のガーディアンは360度に対しての対応が可能だが、お前は精々200から220度ほどの視界にしか対応できない」


 つまり見えてる逆方向の攻撃に明らかに弱い。それは人間も一緒だがな。


「そして、お前にはもう1つ弱点がある」


 跳弾の攻撃に悪戦苦闘する赤耳の獣人に俺は、【砲剣】を向ける。


 ドゥウ!!


 今回において何度も聞いた砲声が空間に響く。


 光跡を引き、弾は真っ直ぐ赤耳の獣人に飛んでいく。獣人は何気なく弾こうとした瞬間、その弾の性質に気づいて、対応が遅れた。手を引っ込め、回避しようとする。


「遅いな」


 バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!


 雷属性の『魔法(ルーン)』が弾ける。

 直後、獣人が雷撃を浴びた。

 真っ白な光に満たされ、たちまち獣人の顔は真っ青になっていく。やがて焼け焦げた臭いが漂うと、雷撃が止んだ。


 諸に雷属性を浴びた獣人はついに倒れる。


「所詮お前もガーディアンというわけだ。まさか雷属性が弱点だったとはな」


 俺はスコープから目を離した。


☆★☆★ 9月新刊 ☆★☆★


9月12日にふみおみお先生作画の

「おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフはじめました」単行本2巻が発売されました。


1巻が緊急重版された人気シリーズの続刊になります。

予約が始まっておりますので、是非お願いします。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『アラフォー冒険者、伝説になる』コミックス10巻 11月14日発売!
90万部突破! 最強娘に強化された最強パパの成り上がりの詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



最新作です!
↓※タイトルをクリックすると、ページに飛ぶことが出来ます↓
役立たずと言われた王子、最強のもふもふ国家を再建する~ハズレスキル【料理】のレシピは実は万能でした~

コミカライズ9巻1月8日発売です!
↓※タイトルをクリックすると、販売ページに飛ぶことが出来ます↓
『「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる⑨』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『魔物を狩るなと言われた最強ハンター、料理ギルドに転職する』
コミックス最終巻10月25日発売
↓↓表紙をクリックすると、Amazonに行けます↓↓
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



シリーズ大重版中! 第5巻が10月18日発売!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『公爵家の料理番様~300年生きる小さな料理人~』単行本5巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


9月12発売発売! オリジナル漫画原作『おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフはじめました』単行本2巻発売!
引退したおっさん勇者の幸せスローライフ続編!! 詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large



6月25日!ブレイブ文庫様より発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『魔王様は回復魔術を極めたい~その聖女、世界最強につき~』第1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


6月14日!サーガフォレスト様より発売です!!
↓※タイトルをクリックすると、公式に飛びます↓
『ハズレスキル『おもいだす』で記憶を取り戻した大賢者~現代知識と最強魔法の融合で、異世界を無双する~』第1巻
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large


『劣等職の最強賢者』コミックス5巻 5月17日発売!
飽くなき強さを追い求める男の、異世界バトルファンタジーついにフィナーレ!詳細はこちらをクリック

DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large






好評発売中! 全編書き下ろしですよ~。
↓※タイトルをクリックすると、カドカワBOOKS公式ページに飛ぶことが出来ます↓
『「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる2』
DhP_nWwU8AA7_OY.jpg:large

小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[良い点] まさかこのギルマスが後々化けるとはなあ…w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ