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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
沈黙王女と終戦

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618.沈黙王女は依頼する。


「あー?俺に依頼だぁ……?」


はい……と、私は面倒そうに片眉を上げるヴァルに少し肩を竦めて返す。

セフェクとケメトはヴァルのベッドに寛ぐように腰掛け、私の隣に座るティアラとステイルもセフェク達と同じく気になるように私へ目を向けていた。

セドリックは帰ってしまったし、レオンは時間的にはそろそろだろうけれどまだ来ていない。その為、今はいつもよりは人口密度も低かった。


「是非とも貴方に依頼したいという母上を含む最上層部の総意です。……ちゃんと報酬も相応の額をお支払いするとのことです。」

「何しろってんだ。」

「それは、………………。」

人目が気になり、続きの言葉出ずに口を噤んでしまう。ヴァルが疑うように顔を歪めて口を一文字に結んだ。

母上達との話し合いを終えた後、セドリックを見送った私達はいつものようにヴァルの部屋に見舞いに来ていた。そして更に今回は、……彼個人へも大事な話があった。

検討会の直後、残された謁見の間で私は母上から正式な依頼と相談を受けていた。



とあることに〝配達人〟の力を借りられないかと。



本当に極秘事項で、ステイルやティアラ、ジルベール宰相にすらわざわざ隠されたのにここで話してしまうわけにいかない。隷属の契約を交わしているヴァルはさておき、ケメトとセフェクにも隠さないといけない話だ。

この場では何も言えずに黙ってしまうと、ヴァルの顔が更に怪訝に変わる。当然だ、内容も言えないのに仕事を受けてくれなんて無理にも程がある。

このままだと依頼内容の前に問答無用で断られそうなので、とにかく少しでも言える分だけでも情報開示をと母上達から提示された条件を先に伝える。

仕事は勿論、ヴァルが怪我を治すまでは待つ。

これは命令ではなく正式な依頼なので断ることもできる。

そして本当に秘密裏なことなので、ケメトとセフェクもできれば外れて欲しい。今はもうヴァルはケメトと離れても特殊能力が使えるので問題自体はない筈……というのは幸運だっただけで、そうじゃなかったら一番厳しい条件だったと自分で言っても思う。母上達はケメトの特殊能力は知らないもの。

あとは報酬もかなり弾んでくれるつもりらしい。今回の活躍については私からも秘密ごとができる許可というお礼をしたけれど、母上達からも奪還戦のお礼とは別に正式な仕事の報酬としてある程度は奮発してくれるそうだ。

仕事内容自体もヴァルなら半日も掛からないし、そこまで大変な作業でもない。


「……で?依頼内容は。」

「ですから、この場では言えません。……必要ならば一度部屋を開けて貰いますが。」

そう言った途端、意外なことにセフェクとケメトではなくアーサーとカラム隊長、そしてステイルが同時に「いやッそれは」「プライド様それは」「いけません‼︎‼︎」と待ったを掛けた。

てっきりセフェク達がヴァルと離れたくないと訴えるかと思ったのに。むしろ私がお願いする前に彼女達の方がすんなりベッドから降りようとまでしてくれた。……アーサー達が声を上げた途端にビクッと肩を上下させてヴァルに飛びついたけど。

私だけでなくティアラまで目を丸くして三人に振り返った。私もそのまま口をぽかんと開けてしまうと、ステイルが一度気を取り直すように咳払いをして私とヴァルを見比べる。


「プライドと今のヴァルを二人きりにするのは、……その、……色々と危険なので。既に前例もありますし。」

含みを持たせるようなステイルの言葉に、アーサーとカラム隊長が同時に頷いた。

何故か顔が青色なら未だしも僅かに火照っている三人は、もしかしたら怒っているのだろうか。ティアラがどういう意味かと私に向けて首を捻るけど、私もあまりピンとは来ない。

やはりアダムに操られている時にヴァル達に命令で酷い事をした事を警戒しているか。今は絶対にそんなことをするつもりはない……のだけれど、やはり失った信頼を取り戻すのは難しいと痛感する。三人に言われてしまうと少し落ち込むけれどこればかりは仕方ない。

背中が丸くなり、思わず俯いてしまうとヴァルの方から大分大きな舌打ちが鳴った。「なら、いつ聞けってんだ」と、ここまで話して置いて焦らされるのが不快だと言わんばかりにステイルを睨んだ。……たしかに一理ある。

こればかりは人に聞かれるわけにもいかないし、もし条件に問題があって母上達と謁見の間で交渉して貰うとしても彼はまだ絶対安静で動けないからまた暫く後になる。

だけどヴァルは既に依頼内容が気になって仕方ないようだった。ゆらゆらと身体を揺らし、苛立たしげにステイルを睨む。だけどステイルも頑として譲る気はないようだ。

暫く睨み合いが続いた後、ヴァルはまた舌打ちすると「主」と視線をステイルから私に向けてきた。凶悪な眼差しで睨まれ、このまま断られるかなと少し覚悟する。私からひと言返せば、ヴァルは私を招くように人差し指でくいくいっと自分の方に数度曲げた後、そのまま耳を指し示した。ここで耳打ちをしろという意味だろう。……どうやら本気で気になってくれているらしい。

断られなかったことにほっとしつつ、私は指示どおりにヴァルの耳元まで身体を乗り出した。両手で口元を囲い、ヴァルの耳に顔を近づければヴァルの方からも耳打ちしやすいように前のめりに顔を傾けてきてくれた。

そのままコソコソと最小限の小声で簡単に依頼内容を説明すれば、一度だけヴァルが「アァ?」と声を出した。私からヴァルに頼みたい理由も含めて正直に話す間、なかなかアーサー達からの視線が痛かった。私がヴァルに変なことをしないかと警戒しているのか、それとも単に内容が気になるだけか。顔を向けなくても確実に全員の視線が私達の方に集中しているのが熱でわかった。


「……ということなんだけれど、どう……かしら?」


話し終わり、顔を離して改めて尋ねてみれば、ヴァルの顔が明らかに面倒そうだった。

うんざりと低く薄い息を吐いたら、顔を顰めたまま逸らされる。返事を待てば案の定「めんどくせぇ」とぼやいた。

首の後ろを掻いて俯くと、背凭れに倒れ込みながら目だけが視線の置き場を探しているかのようにセフェクとケメトに向いた。セフェクが「大変なの?」と尋ね、ケメトが私とヴァルを交互に見比べる。

ステイル達も気になるらしく、眉を寄せて私に視線を注いでいた。ヴァルが何も言わずに黙りこくってしまった為、私も強く頼めず黙してしまう。まぁ、ヴァルが不満に思うのも仕方ない。今回の仕事は依頼人が彼の嫌いな王族というだけでなく、仕事内容すら王族関連なのだから。

正直、私も母上から聞いた時は結構望み薄だなとは思った。一応聞いてみますとは言ってみたけれど、やはりヴァルの気乗りする仕事ではないだろう。嫌なら断ってくれても構いません、と諦めて私がそう言おうとした時、「主」とケメトが私を呼んだ。


「主は、ヴァルにその依頼を受けて欲しいんですか?」

ベッドに座ったまま前のめりに私に尋ねてくるケメトに、少し不意を突かれてしまう。

思わず返事を忘れてしまい、一拍後に「え、ええ……」と返してからやっとパチリと瞬きを思い出す。

もちろん受けてくれたら欲しい。ヴァルなら誰よりも早く仕事を完遂してくれるだろうし、信頼もできる。それに何より……


「やっぱり私の責任だから。」


そうはっきり言い切れば、……何だろう。もの凄い気不味い空気になってしまった。

ヴァル以外は誰も私の依頼内容を知らない筈なのに、あまりの空気の加重度に周りを見回してしまえば全員がそれぞれ眉を寄せていた。怒ってるのかとも思ったけれど、それにしては複雑に見えるその表情はどちらかと言えば気を揉んでくれているかのようだった。

ティアラなんて眉を寄せるだけでなく悲しげに瞳を揺らすから余計に私の胸が痛む。事実を言っただけなのに、自虐的なことを言ったと思われたのだろうか。いえ、そうじゃなくて!と纏まらないまま言葉を紡げば、言い切る前に「主」と今度はケメトとは違う低い声で呼び掛けられた。振り向けば、今度は正真正銘苛立たしげに牙のような歯を剥いているヴァルと目が合った。うん、間違いなく怒ってる。


「やりゃあ良いんだな……?」


苛々とベッドの上で組んだ足を貧乏揺すりしながら言うヴァルは、鋭い目の奥がギラリと光った。

言ってくれた言葉はそうでもないのに、声色が物凄く憎々しげと言っても良いほどドスが効いていた。どちらかというと「ぶっ殺されてぇのか……⁈」と言ってそうな口ぶりだった。

何故そんなに怒らせたのかも分からず、瞬きを繰り返すと舌打ちを鳴らしたヴァルは「めんどくせぇ」と忌々しげに唸った後、足を組み直した。良いの?と尋ねれば「報酬は貰うがな」と舌打ち交じりに返される。

当然、仕事をして貰うのだから報酬は出すに決まってる。お礼を伝えると、生返事と一緒に頭をガシガシと掻いていた。……やっぱり嫌々ではあるらしい。

受けてくれたのは嬉しいけれど、どうにもすっきりしない。改めてもう一度念を押すようにお礼を繰り返し伝えれば「テメェの好きに命じろと言った筈だ」と断じられた。


「で、俺が勝手にやっておきゃあ良いのか?」

「いえ、一緒に動いて貰います。当日は私も同行しますから。」

気を取り直すように段取りを聞いてくるヴァルに、私は首を振る。

そんな雑にやって良いことじゃないんだから、と思わずこっちまで溜息を吐いてしまうとヴァルも面倒そうに顔を諌めていた。


「プライド。……因みにそれは貴方とヴァル以外は誰が共に……?」


「ヴェスト叔父様よ。大丈夫、危険はないしヴァルも一緒だから。」

いえ寧ろヴァルが一緒なのが……とぼそぼそ呟くステイルが、眼鏡を押さえて小さく俯いてしまった。確かにヴァルと私がセットだと破壊レベルと危険度的にヴェスト叔父様が危ないかもしれないけれど。

でも最終的には「まぁヴェスト叔父様が一緒なら」と何やら納得してくれたステイルに、アーサーやカラム隊長もうんうんと頷いていた。本当に私が危険人物されてる感すごい。……まぁ、私も正直自分を信用できてないところあるけれど。


先日のティアラを含めた検討会後、この母上達からの依頼を受けた後に私は改めて正式に女王である母上から今回の件について裁きを受けた。

私が女王を継承するにあたって、今回の件についての生涯秘匿。将来、伴侶が事情を知らなくても真実は話せない。

そしてこれから数年単位で暫くの間、私は必要最低限以上の王女としての業務に携わることを禁じられた。つまりは王女自粛期間だ。私主導で携わっていた公務や政策以外は関われないし、母上の公務や直接教わりながらのお手伝いも停止だ。

表向きは罰則も知られる訳にはいかないので、〝ラジヤ帝国への警戒と体調の大事をみて〟王女として外せない業務や式典、レオンとの定期訪問関連以外では社交界のパーティーの招待もプライド・ロイヤル・アイビーは自粛することになった。

それ以外で城下への視察や買い物も多くて月に一回のみ。国内での王族誕生祭は今まで通り出席できるけれど、私個人は国外へ式典参加も暫くは自粛だ。

前世で言えば懲戒免職というよりも執行猶予に近いかもしれない。


それだけ?とも思うけれど、表向きはさておき次期女王となる身で受けたともなると事実上はかなりの汚名と恥でもある。レオンだって正式な王位継承者になってからは自粛も改善された。

ただ、私から「ならば暮らすのもまた離れの塔に移ります」と進言したらそれは首を横に振られた。父上には「これ以上、城の人間に心労をかけるな」と逆に怒られてしまった。……そして後でそのことをステイルとティアラに話したら更に怒られた。普通は離れの塔になど王族は何度も収容されるものじゃない、城内の不穏が増すだけだと説教されてしまった。

でも私は寧ろ永久投獄とか身分剥奪で国外追放とか、離れの塔どころか牢獄暮らしも考えていたから、未だにこの程度の罰で良いのか不安なくらいだった。前世でも法律で責任能力のなんちゃらとかあるけれど。それに私なんかが……


「せめて宰相かそこの王子になんねぇのか……。」


ヴェスト叔父様の名前にうんざりと息を吐くヴァルの言葉に、私はハっと頭を覚醒させる。

……なんとも言えない苦情だ。でもこればかりは仕方がない。ヴェスト叔父様じゃなくても母上か父上になるし、どちらにせよ相手が王族なのは免れない。王族嫌いの彼には悪いけど、こればかりは誰にも変更できない。

私がその旨を伝えると、舌打ちを返した後はもう何も言わなかった。一応了承はしてくれたらしい。

何はともあれ、ヴァルが仕事を受けてくれたことには安堵しながら、私は元の椅子に腰掛けた。

ヴェスト叔父様相手に契約で礼を尽くさなければならないのは嫌だろうけれど、実際に彼と叔父様との直接的な関わりは多分少ないと思う。きっとその為に間に立つ私がいるのだから。「大丈夫よ」と彼が安心できるようにヴァルへ改めて笑いかけ、私は言葉を続けた。


「ヴェスト叔父様はとても良い人だから。母上の片腕で、厳しくはあるけれど優しい人よ。貴方にも悪いことは絶対しないわ。」




……




キィ……


暗い牢獄の扉が開き、金属同士が擦れ合う音がする。

衛兵により厳重な見張りがされたそこには、今は必ず温度感知の特殊能力者が一人置かれていた。陽の光さえ届かない地下の檻が、今はこれまで以上に厳重に警備が強化されている。大罪人や特別な罪人、そして捕虜を捕らえるべきその施設は今や満員だった。それぞれ大きな檻に何十人もが敷き詰められ、拘束されている。

そして牢獄の中でも最奥に近いそこに、男がいた。

憎悪と屈辱に塗れたその男は、フリージア王国に足を踏み入れた時とは全くの別人のようだった。顔が溶け、片腕を失った男はただでさえ一人で動くことが困難だったがそれでも三肢にそれぞれ拘束が施されていた。そして今、その男は扉から現れた人物を血走らせた目で睨み付ける。


「ラジヤ帝国将軍、アシュトン・エッガー。……最後に私へ言い遺したいことはあるか。」

目の前に佇み、自分を冷たく見下ろす男にアシュトンは口を噤んだ。

ラジヤ帝国の完全敗北。アダムの死、そして右腕をハリソンに奪われた彼はこの一週間、死と隣り合わせだった。

たとえこの後、フリージア王国で罪人として処理されようとも、捕虜としてラジヤ帝国に返還されようとも結果は目に見えている。唯一、自分が延命できる方法があるとすればラジヤ帝国に引き取られた後に己が価値を示すことぐらいだった。


「残すはお前だけだ。お前達の罪は、重い。……それに」

〝残すは〟の言葉に言い知れぬ危機を感じ取る。

アシュトンに語りかける男は、既に他のラジヤ帝国の人間のみならず城内の会うべき人間全てを巡った後だった。

そして処すべき者は、処した。

アシュトンは、目の前のこの男も恐らくは自分を拷問した騎士と同じ類だろうと長年の経験で感じ取る。

答えないアシュトンに淡々と言葉をかける男からは、何の情も感じられない。手足を床と壁に固定され、床に座り込んだアシュトンと目線を合わす為、彼もまた膝を折る。衣服が汚れないようにと慣れた手つきで服をたくし上げ、銀食器のように鋭く目を光らせ言い放つ。









「私の部屋をよくもあそこまで汚してくれたな……!」










ガッ‼︎と、おもむろにアシュトンの頭が鷲掴まれ、後頭部を壁に叩きつけられる。

打ち付けた痛みよりもギラギラと光る眼差しと、その低い声色にアシュトンはクラークに拷問を受けた時と同じ既視感を覚えて息が止まった。目の前の男、よりもクラークの幻影に怯えるように身を硬ばらせる。

アシュトンも目の前の男が何者かは知っている。



フリージア王国摂政

ヴェスト・ロイヤル・アイビー



「アダム皇太子といい、ラジヤ帝国の上層部は品性が欠けている。」

女王であるローザ達と共にアダムの狂気を受けていた間、摂政である彼の部屋はアシュトンに占拠されていた。

結果、常に整理整頓を心掛けているヴェストの部屋はそこら中がアシュトンの飲んだ酒と食べ零しで染みを作るほどに汚され、ヴェストの私物すらひっくり返されていた。部屋に隠していた重要書類や貴重品こそアシュトンに見つからなかったことだけが唯一の救いだった。


「奴隷被害者の方も〝片付けた〟……残す害悪はお前のみ……‼︎」

正気を取り戻して初めてヴェストが部屋に戻った時には、侍女達がある程度は片付けていたがそれでも惨状は明らかだった。

その上、自分のはまだしも自分と家族との姿絵まで酒をかけられて汚されていたことには、沈着冷静な筈のヴェストも流石に憤りを抑えるのがひと苦労だった。アダムが汚した王配であるアルバートの部屋と同様に、侍女達が丸一日以上掛けて清掃を進めた。その間、ヴェストもアルバートも王宮ではなく客用の別部屋で身を休めることとなった。


「ローザやアルバートに犯した仕打ち、ステイルやジルベールへの散々な扱い。そしてプライドの件に関与したお前達は既に我が国で命を保障されはしない。」

怒りを抑えるように淡々と語るヴェストの声は地に響かせるように低いままだった。

これから彼がどのような処分を下されるのかは公式にはまだ未定だった。全てはラジヤ帝国の出方次第。将軍も含め、捕らえたラジヤ帝国の捕虜は全て取引材料の一つでもあるのだから。そして、だからこそ。


「我が国の法が処される〝前に〟私が始末を付けに来た。」


言葉もなく、見開いた目でアシュトンはただただ震え上がる。

これ以上、自分が何をされるのかと。今まで自分が他者に与えてきた苦痛を遥かに上回る拷問を既に受けた。にも関わらず、それでもまだ足りないとばかりに目の前の摂政からは慈悲の欠片も感じられない。

いっそあの黒髪の騎士に発見される前にアネモネの王子に殺されておけば良かったと心から思う。自分の顔を鷲掴んだまま目の奥を無慈悲に光らせる摂政に、アシュトンは引きつけを起こしかけた。

そして思い出す。ハリソンに発見され、高速の足で引き摺り回されたあの時から何度も何度も思い返した、フリージア王国の呼び名を。



〝化物の国〟



バケモン、と。

アシュトンにとって誰よりも恐ろしかった恐怖の象徴であるアダムが、フリージアの人間をそう呼んだ。

そして今。アシュトンは再び思い知る、間も無かった。

フリージア王国の摂政。

女王の片腕。優秀な特殊能力を持つ権力者に、彼は命乞いどころか悔恨すらも許されなかった。


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― 新着の感想 ―
ローザ、アルバート、ヴェスト、あの時3人一斉に倒れてたなぁ。侵入されたらすぐにやられる部屋だった。
[一言] 完全なる被害者のプライドに裁きが下されたのは、プライドがこれ以上自分を責め続けないようにするためでもあるんだろうな。 お咎めなしで終わってしまったら、きっとどこかで精算されない後ろめたさのよ…
[良い点] 裁き(プライド厳重保護全力警戒体制)で草 みんな大好きなんだから〜
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